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テーマ : 政治しずおか

泉氏、政治決戦勝利へ執念 立民 負け越しなら責任論再燃

 立憲民主党の泉健太代表が衆院3補欠選挙の勝利に執念を見せている。これまで国政選挙で満足な結果を出せなかっただけに、今回の政治決戦で仮に負け越せば、責任論が再燃しかねないとの危機感からだ。与野党で唯一、3選挙区に公認候補を擁立し、全勝を目指して行脚を続ける構えの泉氏に対し、自民党や日本維新の会も議席獲得へ全力を挙げる。

立民・泉執行部の国政選挙の結果
立民・泉執行部の国政選挙の結果


 島根詣で
 「自民にとって最悪のシナリオは立民の3勝だ。自民が総力を集める島根でノーと言おう」。17日、松江市役所前で行われた街頭演説。泉氏は裏金事件への批判を交えながら、自民との直接対決となった島根1区の勝利へ支援を呼びかけた。岸田文雄首相も島根入りを予定する21日に、再び応援に入る方針だ。
 島根は1996年の衆院小選挙区制導入以降、自民が議席を独占してきた「保守王国」だ。しかし立民は、裏金事件で保守層の自民離れが進んでいると分析。国会議員や秘書が「島根詣で」(関係者)を繰り返し、票の掘り起こしを進める。党中堅は「最大のチャンスだ。今回勝てなければ、この先も勝てない」と語る。
 自民が不戦敗を決めた2選挙区でも勝機をうかがう。一騎打ちの長崎3区で維新候補を退ければ、今後、野党間の主導権争いで優位に立てると踏む。東京15区に関し、立民幹部は「自民に代わる政権党だと有権者に知らしめるためにも、混戦を制したい」と意気込む。

 正念場
 とはいえ3勝は簡単ではない。自民は松山政司参院幹事長が17日に松江市に入り、組織固めを徹底。維新の馬場伸幸代表は立民の支援に回る共産党を引き合いに「立憲共産党」とやゆし、保守票の取り込みに懸命だ。
 泉氏は2021年11月の代表就任後、新人を擁立した22年4月の参院石川選挙区補選で負けた。同7月の参院選は6議席減らした。23年4月の衆参5補選では、公認候補を立てた3選挙区で敗北。同僚議員から進退を問われた泉氏は、次期衆院選で「150議席」を獲得できなければ辞任すると表明した。
 だが、その後も泉氏の求心力は高まらず、立民の党勢は上向かない。今月の共同通信世論調査で、立民の政党支持率は10・9%。維新8・1%を上回るものの、裏金事件の逆風にさらされる自民25・1%には及ばない。
 裏金事件で崖っぷちに立たされる首相と同様、泉氏も正念場を迎えているのが実情で、衆院選前の「泉降ろし」の芽は残ったままだ。ベテランは「3補選で1勝しかできなければ、代表交代論が噴出する可能性はある」と指摘する。

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