あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 政治しずおか

脱炭素支援へ人材育成 環境・安全 盛り土監視強化も【点検!静岡県予算案】

 静岡県は2024年度当初予算案で、脱炭素や生物多様性をキーワードにした新たな環境施策を盛り込んだ。県民の暮らしを脅かす廃棄物の不法投棄や不適切な盛り土にも先端技術を駆使して目を光らせる。

環境・安全関係の主な事業
環境・安全関係の主な事業

 廃棄物リサイクルの新規事業として、高齢化で増加している使用済み紙おむつの再資源化モデルの構築に2千万円を投入し、市町や廃棄物処理業者などの実証実験を支援する。環境負荷が大きい使用済み紙おむつの焼却処分をやめ、素材の上質パルプや樹脂、高分子吸収材を再資源化する仕組みの確立、普及を目指す。
 脱炭素社会実現に向けた事業には総額6億3500万円を計上した。県内13金融機関などが参画するコンソーシアムを設立し、行員らを脱炭素アドバイザーとして育成するとともに、取引先企業の競争力強化やコスト削減につながる脱炭素経営のノウハウをプッシュ型で提案して裾野を広げる。23年度に好評だった中小企業向けの省エネ設備導入支援も継続する。事業費に5億円を用意した。
 30年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として保全する国際目標「30by30」の推進に1100万円を充てる。保護地域以外で生物多様性保全に資するエリアとして環境省が認定する「OECM」の拡大を図る。6月にユネスコエコパーク登録10周年を迎える南アルプス関連では、静岡市などと連携した記念事業や生態系保全活動などに1億600万円を盛り込んだ。
 生活環境を守る施策では、人工衛星を活用して廃棄物の不法投棄を監視するほか、投棄される可能性がある場所を人工知能(AI)で抽出して重点的にパトロールする。位置情報を特定できるアプリを活用した不法投棄通報システムも導入する。伊豆市の宗教法人敷地から流出した廃棄物交じりの土砂を除去する工事費を含め、計4億5300万円を投じる。盛り土対策には9億4900万円を充て、23年度に富士山麓で試行した衛星画像を活用した監視の対象を県内全域に広げるほか、25年度の盛り土規制法運用開始に向けた調査を進める。

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

政治しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む