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テーマ : 政治しずおか

首相、衆院3補選に危機感 自民党大会、党則を改正

 岸田文雄首相は17日、東京都内で自民党大会の総裁演説に臨み、派閥の政治資金パーティー裏金事件の関係議員処分に関し、政治資金収支報告書の不記載額や役職歴、説明責任の果たし方を踏まえ「厳しく対応する」と明言した。4月の衆院東京15区、島根1区、長崎3区の3補欠選挙への危機感も表明した。党大会は政治資金事件に関係した議員処分を厳格化する党則改正と、2024年運動方針を決定した。

第91回自民党大会で演説する岸田首相=17日午前、東京都内
第91回自民党大会で演説する岸田首相=17日午前、東京都内

 裏金事件について首相は深刻な政治不信を招いたと謝罪し、関係議員に対し「説明責任の貫徹を促す」と強調。党処分の検討を茂木敏充幹事長に指示したと明らかにした。信頼回復へ「先頭に立って党改革、政治改革を断行する」と述べ、政治資金規正法改正を「今国会で実現する」とした。
 衆院3補選は裏金事件発覚後、初の国政選挙となる。首相は「わが党への厳しい意見を認識し、全力で戦い抜く」と結束を呼びかけた。来年秋までにある次期衆院選を念頭に「憲法観も安全保障観もばらばらの野党に政権を任せるわけには絶対にいかない」と訴えた。
 首相は9月末に総裁任期満了となり、総裁選が実施される。演説で憲法改正を取り上げ「任期中に実現する思いで条文案の具体化を進め、党派を超えた議論を加速する」と力説した。安定的な皇位継承策にも「皇族数確保の具体的方策を取りまとめ、国会で検討を進める」と意欲を見せた。
 来賓として公明党の山口那津男代表、経団連の十倉雅和会長が出席。山口氏は「12年の政権奪還後、最大の試練に直面している」と裏金事件への深刻な認識に言及した。
 党則、規律規約、ガバナンス・コード(統治原則)は事件を受け、政治団体の会計責任者が規正法違反で逮捕や起訴された場合、離党勧告処分を下せるよう改めた。今回の事件には適用しない。「旧来の派閥」を禁じ、「政策集団」の位置付けや疑惑が生じた議員の説明責任を明記した。運動方針は「これまでの派閥から脱却し、二度と復活させない」と掲げた。

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