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テーマ : 政治しずおか

【迫る 御前崎市長選 市議選㊤】浜岡原発再稼働の是非 問われる住民合意形成 4月7日告示、14日投開票

 「早期にプラント審査に移りたい」。1月中旬、県庁で開かれた県防災・原子力学術会議の分科会合同会議。中部電力の増田博武浜岡原子力総合事務所長は浜岡原発(御前崎市佐倉)3、4号機の再稼働に向け、強い意欲を示した。

中部電力浜岡原発。中電は敷地前面の津波高が最大25.2メートルとなる「組み合わせ評価」の結果を固めた=2023年11月8日、御前崎市佐倉(本社ヘリ「ジェリコ1号」から)
中部電力浜岡原発。中電は敷地前面の津波高が最大25.2メートルとなる「組み合わせ評価」の結果を固めた=2023年11月8日、御前崎市佐倉(本社ヘリ「ジェリコ1号」から)

 同原発は原子力規制委員会による新規制基準適合性審査で、前半の自然ハザード分野の議論が行われている。「基準津波(想定される最大津波高)」の策定は目前。敷地内断層の活動性評価も残されているが、審査後半となるプラント施設の審査に移行すれば「ゴールが見えてくる」(中電幹部)。次の御前崎市長は任期中に再稼働同意の判断を迫られる可能性がある。
 国は原子力規制委の審査をクリアした原発に再稼働許可を出すに当たり、立地する県と市による事前同意を求めているが、現状では市民の間でも賛否は割れている。柳沢重夫市長は再稼働について「規制委の審査中であるため判断すべき段階ではない」とし、「市民の意見を聞くことが大事になる」と強調してきた。しかし、住民の意見をどのように集約するのか、合意形成を図る手法やプロセスは決まっていない。
 市は過去に原発の増設やプルサーマル計画を受け入れた局面で、市議会の意見を参考に可否を判断してきた。市民からは「住民の代表である議会の意見を尊重すべき」(40代男性)、「結果が分かりやすい住民投票を実施すべき」(50代女性)などとさまざまな意見が上がる。自営業の60代女性は「原発再稼働は市民の大きな関心事。市の判断を導き出すまでの過程をあらかじめ明確にしておくべき」と注文する。
 県は浜岡原発の再稼働に関し、「重点区域(原発半径31キロ圏内)の意見は大変重要」との認識を繰り返し示してきた。立地市の意向が注目されるだけに、市民の合意形成の在り方も問われている。
      ◇
 御前崎市の市長選と市議選(4月7日告示、14日投開票)が目前に迫った。市政の懸案である中部電力浜岡原発の再稼働問題や財政健全化、産業振興に焦点を当て現状と課題を探った。▶御前崎市長選 開票速報ページ
▶御前崎市議選 開票速報ページ

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