静岡県内企業「攻め」の姿勢 米最大のテクノロジー見本市「CES」 SBS牧野アナがルポ
世界の最新技術が集まる米最大の家電IT見本市(CES)が8日まで、米ラスベガスで開かれた。現在は、ゲームメーカーや飲料メーカーなど多様な業種が未来を描き今後の方向性を示す注目のイベント。静岡県内企業も参加し、攻めの姿勢に頼もしさを再認識する機会となった。
CESは2020年に、トヨタが裾野市で建設中の未来都市「ウーブン・シティ」の計画を発表して話題になった催し。今回はモビリティー、自動車関連の展示エリアが過去最大となり注目された。
県内からは小糸製作所が参加。高度な赤外線技術を有する米Cepton(セプトン)社とともに開発し、約200メートル先にある数センチの物を認識・判定できるという次世代センサー「LiDAR(ライダー)」を披露した。量産化によって自動車メーカーに売り込むのが小糸製作所の役割。同社の担当役員は「従来の自動運転技術よりもより精度の上がったセンサーを世界に広められる」と期待する。スズキも鈴木俊宏社長らが世界最先端の自動運転技術視察に訪れた。
スクールバスなどへの「子ども置き去り問題」は米国をはじめ世界的にも課題となっているようだ。旭化成は電波を使った解決策を提案した。エアコンに使うセンサーを応用。電波が届くエリアにいる複数人の胸の膨らみを同時に検知し、呼吸数と心拍数を瞬時に弾き出す仕組みという。基幹分野以外への技術転用は日本企業にとってビジネスの鍵になり得る予感がした。
新型コロナウイルス禍で、心のケアも含めた健康分野で多く見られたのが「脳波」へのアプローチだ。韓国企業が「脳のトリートメント」と称して微弱電流を流し、うつ症状を改善するヘッドセットを実用化していた。
(SBSアナウンサー牧野克彦)