静岡県など初誘致 群馬の農業法人、裾野でキャベツ生産へ
静岡県と35市町、JAグループなどでつくる県農業法人誘致推進連絡会による初の誘致として、群馬県嬬恋村の農業法人「黒岩農事」が裾野市でキャベツの生産を始める。12日に同市役所を訪れた黒岩和敏社長(40)は「裾野市の1・7ヘクタール(1万7千平方メートル)から始め、将来的には静岡県内で100ヘクタール(100万平方メートル)の規模に広げたい」と事業計画を明らかにした。
同市須山の休耕地を利用。試験栽培を兼ねて来年2月に定植を始め、5~6月に収穫を予定する。富士山麓の同所で最適な品種を探すため、初年度は5品種を栽培する。
標高1千メートルを超える嬬恋村は夏栽培のキャベツ産地として知られ、冬場に生産できる同村より温暖な気候の土地を探していたという。黒岩社長は「静岡県での生産が軌道に乗れば、新しい法人を設立して地元で従業員を雇用したい」と話した。
静岡県でも農業の後継者不足や耕作放棄地が課題になる中、同連絡会は今年5月に発足し、農業法人などの誘致を目指している。