東部各地で総合防災訓練 地域と命守る、意識新た
「防災週間」期間中の3日、県東部の各市町で大地震の発生を想定した防災訓練が実施された。関東大震災の発生から100年の節目に、参加者は防災、減災への思いを新たにした。
裾野、アプリで避難所名簿 裾野市は同市の裾野高で総合防災訓練を行った。体育館に開設した避難所の受け付けでは携帯電話の防災アプリと、手書きによる名簿作成の時間を比較した。
アプリは事前登録が必要だが、QRコードを読み込むだけで手書きより早く受け付けが完了した。杉山美智江さん(63)は「避難所などに関する情報も受け取れるので便利」と話した。
会場型の本格的な訓練は4年ぶり。約300人が参加した。 沼津、会場と本部を中継 沼津市は発災直後の応急対策に向けた会場型訓練と、市役所に設置した災害対策本部の運営訓練を4年ぶりに同時開催した。
大平中学校での会場型訓練には駿東伊豆消防本部、陸上自衛隊、沼津署、沼津河川国道事務所、大平地区連合自治会など13団体から約280人が参加。消防による倒壊家屋からの救出訓練を住民に公開するとともに、ドローンで撮影した映像を本部に中継した。 伊豆の国、はしご車で救出 伊豆の国市では、午前8時半に訓練開始のサイレンが鳴った。同市立長岡中では長岡地区民ら約200人が集まり、はしご車での救出訓練を見学した。
学校内の防火扉が閉まり4人が逃げ遅れた想定。駿東伊豆消防本部田方中署員がはしご車を4階まで伸ばして救助した。ほかにも2019年に発生した台風19号での市内の被害を撮影した写真も展示した。 伊東、簡易担架の作製手順確認 伊東市でも各地で訓練が行われ、伊東小では玖須美地区の住民180人余りが参加した。消火器での初期消火やけがの応急処置などを実践し、災害への備えを強化した。
参加者は消火器で炎を消したり、毛布と2本の棒を使った簡易担架の作製手順を確認したりした。参加した岩崎好宏さん(54)は「普段扱い慣れていない消火器の操作方法などを確かめる機会になる」と話した。