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テーマ : 沼津市

静岡人インタビュー「この人」 小学校に期間限定のアトリエを構えた画家 本田照男さん(沼津市)

 11月、沼津市の第四小の空き教室に期間限定のアトリエを構え、児童と創作活動した。その際の作品が並ぶ展示会「てるちゃんのアート展」を同市のモンミュゼ沼津で23日まで開いている。独特な色彩で幾何学模様を中心に描く画風が特徴。西伊豆町出身。77歳。

本田照男さん
本田照男さん

 ―どのような作品展か。
 「モンミュゼ沼津を指定管理するNPOが企画した『ぬまづスクールミュージアム』の一環。これまでの作品や期間中に創作した作品を展示している。在校中に私が講師となった授業で児童にフェルトペンで丸、三角、四角だけで描いてもらった絵や、6年生がテーマを考え、私の作品を選んで並べたコーナーも設けた」
 ―児童との交流で感じたことは。
 「子どもたちには『誰でも絵を描ける』ということを伝えたが、出来上がった絵はそれぞれ個性が出て、私の思いが伝わり、うれしかった。純粋な感性にも感動した」
 ―60歳から独学で絵を描き始めたきっかけは。
 「60歳のある日、バッハの『マタイ受難曲』を聴いて絵を描こうと思い、導かれるようにペンを走らせた。2013年に沼津市内で40年以上経営した焼き肉店を閉め、以来創作に没頭している」
 ―還暦を過ぎてのめり込んだ絵画の魅力は。
 「これまで抑えていたものが解放されるイメージ。嫌なことを忘れ、素になれる一種の『自己救済』でもある。絵を描くようになり、子どもの頃に遊んだ西伊豆の自然の美しさにも目が向くようになった。絵は難しいと思われがちだが、そんなことはない。多くの高齢者に描いてほしい」
 (東部総局・尾藤旭)

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