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テーマ : 沼津市

遊覧船やバスの運転、沼津で体験 公共交通の維持と移住促進図る

 NPO法人沼津観光協会と沼津市内で営業する交通事業者などが、公共交通の維持・活性化と移住定住促進を同時に図るプロジェクトを始めた。働く場を示して移住者を呼び込み、事業者の人手不足の解消につなげる。このほど初の遊覧船とバスの運転体験会を市内で開き、公共交通の意義を発信するとともに担い手確保へ一歩を踏み出した。今後は遠隔地域を念頭に暮らしと観光の両面に役立つ交通網の在り方を検討する。

遊覧船内で行われた千鳥観光汽船の会社説明会。移住定住促進と公共交通の維持・活性化を同時に図る=駿河湾
遊覧船内で行われた千鳥観光汽船の会社説明会。移住定住促進と公共交通の維持・活性化を同時に図る=駿河湾


 同協会が、観光の重要拠点である内浦三津地区のアクセス改善を模索したのが取り組みのきっかけ。行政や事業者と連携する中で人口減少といった地域課題にも目を向け、運転体験会や移住者に情報発信する人材育成の勉強会を企画した。複数の主体が連携して公共交通の維持・活性化を目指す国土交通省の地域交通共創モデル事業に採択された。
 沼津港を発着する「千鳥観光汽船」遊覧船の操船体験会には県内外の十数人が参加。現役船長の手ほどきを受けてレバーを前後させ、かじを回した。会社説明を聞いた、乗り物の運転手に憧れる東京都荒川区の男性会社員(26)は「沼津はイメージよりも都会。好きな仕事ができるなら移住してもいい」と話した。伊豆箱根バスの運転体験会も開いた。
 内浦三津地区のアクセス改善に向け、2月に三津港と沼津港間の海上交通の可能性を探るフィールドワークを行う。船で住民らを運び移動先での行動を調査して、実用性などを検証する。同協会の望月善人会長(58)は住民と観光客が同乗する瀬戸内海の船をイメージし、「暮らしに役立ち、観光圏として自立できる公共交通網を考え、民間事業者が参入したいと思える環境をつくりたい」と力を込める。
 (東部総局・矢嶋宏行)

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