あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 沼津市

沼津市長「次の100年始動」 人口維持へ組織再編 24年度予算案

 沼津市の頼重秀一市長は1日の2024年度予算案の発表記者会見で、23年の市制100周年を踏まえ、「次の100年へのスタート。未来を念頭にした予算編成」と述べ、定住人口の確保に向けた施策に注力する方針を示した。子育て施策推進や中心市街地の民間再開発支援を通じて人口維持を図るために、新年度の組織再編も明らかにした。

2024年度当初予算案について説明する頼重市長=沼津市役所
2024年度当初予算案について説明する頼重市長=沼津市役所


 昨年、JR沼津駅付近鉄道高架化に伴う新貨物ターミナルの本体工事が開始。24年度はにぎわい創出に向けた駅南口の広場整備にも着手するとし、頼重市長は高架化が「次のステップに入った」と位置づけた。高架化着工に呼応した民間再開発を支援するため、市は24年度から都市計画部に建築住宅局を新設。局内に公共建築や住宅政策に関する課を配置する。
 定住に欠かせない子育て施策にも「しっかりと取り組むことを明確化する」(頼重市長)ため、関連部署を新設のこども未来創造課に統合。課内に一元的な相談窓口のこども家庭センターを新設する。
 頼重市長は、昨年度から始まった若手職員による「市役所新時代創造プロジェクト」からの提案で予算案に盛り込んだ来庁者用Wi-fiの整備や、広報アドバイザー導入にも触れ、「次世代を担う若い世代の意見を集められる組織風土に変えたい」と強調した。

 記者の目=若者向け施策 充実を
 沼津市の2024年度一般会計当初予算案は、3年連続で過去最大を更新した。歳入を押し上げたふるさと納税は好調だが、安定的な財源を確保するためには、市税収入の増加が必要。子育て施策の充実など現役世代が住みやすい環境と、企業誘致などを通じた働く場の確保が欠かせない。
 新年度予算案には子育て相談窓口の一元化や、IT企業の誘致促進が盛り込まれたが、他市町で導入済みの施策も多く、目新しさは乏しい。頼重秀一市長が目指す「選ばれるまち」になるためには、他自治体に先駆けた積極的な施策が重要になる。
 ふるさと納税の急増は若手職員の提案による返礼品開発が形になった。新年度予算案でも若手職員の提案は複数予算化されたが、業務改革など庁内向けの事業が主。これらを足掛かりに若い一般市民に資する施策の充実を期待したい。
 (東部総局・尾藤旭)

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

沼津市の記事一覧

他の追っかけを読む