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テーマ : 沼津市

日常彩る花へ 心込め栽培 持田祐子さん(沼津市)【自然の仕事人】

 陽光輝く駿河湾を眼下に望む、沼津市の自然豊かな愛鷹山麓で花苗を栽培する持田祐子さん(40)を訪ねた。

パンジーの出荷調整作業を行う持田祐子さん
パンジーの出荷調整作業を行う持田祐子さん

 花苗農家の長女として育ち、子どもの頃から花苗の栽培ハウスで遊んだり作業を手伝ったりする中で、自然に花の世話や土いじりが好きになっていった持田さん。その後、進学した農業大学では園芸療法を学び、花と緑が人の心を動かす力に魅力を感じた。自らが作る花苗を通して人に元気を、生活に潤いや彩りを届けたいと思い、家業を継いだ。
 就農して16年目。両親や従業員とともに、パンジーやベゴニア、ナス、キャベツなど年間を通して数十種類の花苗と野菜苗を栽培している。ベテラン農家の父親の隣で栽培技術を身に付けながら花苗と向き合う日々。今後さらに父親から経営について学び、受け継いでいきたいと考えているという。
 持田さんの手で一つ一つ大事に育てられた花苗はとても丈夫で、長く花を楽しむことができる。愛鷹山の赤土を使ったこだわりの土作り、ハウス栽培の花苗を外気に当てて自然の環境に慣れさせるなど栽培管理の工夫により、長期間花を咲かせる苗が育つ。「短期間の大量生産ではなく、じっくりと時間をかけて品質の良い花苗を育てることを大事にしています」と語る言葉は力強い。
 持田さんは「花の世話をしたり眺めていたりしていると、気分が上がるだけでなく、自然に他者とのコミュニケーションも生まれる。ぜひ日常に色とりどりの花を取り入れて明るい空間づくりを楽しんでほしいです」と望む。持田さんの農場から生まれる花は今日も美しく日常を彩っている。
 (青年農業士会東部支部)

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