日本最大の革製品コンテストでグランプリを受賞 石橋善彦さん【とうきょうウオッチ 静岡へ発進＆発信】
刺し子で柄を施したライダースジャケットが最高賞に輝いた。パンチングレザーの穴を利用して刺し縫い。革ジャンと伝統的な手芸を組み合わせた柔軟な発想が評価された。都内アパレルショップに勤務する。沼津市出身。４２歳。
―服作りのこだわりは。
「勤務先ではデザイナーではないので、着たい服は仕事の合間や休日を利用して一から作っている。自分のためのものづくりなので妥協はしない。流行にもとらわれない。今回は妻からジーンズの修復を頼まれたことをきっかけに、刺し子を使った服作りを思いついた。賞のために製作はしておらず、良いものができたので応募した」
―革の魅力は。
「自由度が高い素材だ。穴を開けたり、厚みを変えたりと２次加工がしやすい。縫うだけでなく、接着剤や両面テープを使うこともある。もともとプラモデル作りが好きなので、工作的で面白い」
―今後の抱負と地方の若者に伝えたいことは。
「アパレル業界は景気が悪い。要因の一つはブランドの乱立だと思っていて、作っては消してを繰り返している。既存のブランドを磨くことで業界を盛り上げていきたい。自分が若いころは地方だと情報が入手しにくく、上京するしかなかったが、今の時代は必ずしもそうではない。地方にいながらかなえられる夢もたくさんある。あとは『やりたい』と思ったときに実行する行動力を大切にしてほしい」
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