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テーマ : 裾野市

富士山下山ツアー 上向く期待 登頂に代わる楽しみ提案「5合目から」

 富士山麓5市町(富士、富士宮、御殿場、裾野、小山)の観光協会でつくる「しずおか富士山利活用推進協議会」が、富士山の5合目から下る「富士下山」を薦めている。体力に自信がない人でも気軽に楽しめるとアピールする。旅行会社がツアーに組み込む動きも出ているという。

富士下山をPRする関係者=21日、富士市
富士下山をPRする関係者=21日、富士市
旅行会社を対象に実施したモニターツアー=2022年10月、富士山
旅行会社を対象に実施したモニターツアー=2022年10月、富士山
富士下山をPRする関係者=21日、富士市
旅行会社を対象に実施したモニターツアー=2022年10月、富士山


「弾丸」抑制、周遊増狙う
 新型コロナウイルス対策で山小屋の収容人数が減り、来訪者も減少すると懸念したのがきっかけ。超高齢社会を迎え「山頂まで登るイメージが強い富士山の楽しみ方の選択肢を広げよう」と2021年にPRに乗り出した。「富士下山のすゝめ」と銘打ち、協議会構成団体の一つの富士山観光交流ビューローのホームページで推奨コースを紹介する。各地の観光案内所でチラシを配り、東京や大阪での観光キャンペーンでも周知する。
 コロナ禍に伴う行動制限がなくなった今夏は、当初の心配をよそに多くの人が詰めかける一方、山小屋の予約がとりにくく、休息せずに登り続ける弾丸登山の懸念が浮上。協議会は登頂に代わる楽しみ方として発信を強化している。
 山麓の店舗や施設の活性化も目的の一つ。登頂に比べて体力や時間に余裕が生まれ、周辺を回遊する機会が増えると期待する。昨年10月には富士下山と山麓施設を組み合わせた旅行会社向けモニターツアーを実施。ビューロー専務理事の土屋俊夫さん(67)は「周辺のグルメや施設も一緒に楽しみ地域全体の魅力を味わってほしい」と話す。
 5合目より上の登山ルート開通期間が2カ月なのに対し、5~10月前後まで楽しめるのもメリットだ。協議会は10月の土日祝日に、新富士駅から富士宮口5合目までのバスを独自に運行する。事業化の可能性を探る。在日外国人対象のモニターツアーも計画するなど多方面にアピールする。
 (東部総局・矢嶋宏行)

推奨は富士宮口5合目―御殿場口新5合目
 しずおか富士山利活用推進協議会が推奨する富士下山コースは、富士宮口5合目から御殿場口新5合目までの7.5キロ。標高差は1050メートル。約9割は下りで、4時間程度で歩けるという。
 富士宮口5合目から6合目まで上った後、宝永火口の縁を進む。樹林帯を通り抜け、御殿場口名物の大砂走りを下りる。土屋俊夫さんは「余裕をもって富士山の大自然を満喫できるコース」と太鼓判を押す。
 裾野市の水ケ塚公園を起点とする樹林帯トレッキングコース、須走口5合目を発着する小富士トレッキングコースも紹介する。

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