大自在（４月１４日）うそをつかない
「練習はうそをつかない」。スポーツ界でよく使われる表現だ。日々の地道な努力が、試合や大会で成果となって花開く。ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）で日本代表をけん引したダルビッシュ有投手（パドレス）はさらにひと味違う。「練習は嘘［うそ］をつかないって言葉があるけど、頭を使って練習しないと普通に嘘つくよ」とかつてツイートした。
「～はうそをつかない」という表現はさまざまな分野に広がる。量子力学の基礎研究で２０２２年のノーベル物理学賞を受賞した米国のジョン・クラウザー博士は「実験はうそをつかない」。１９年の全国茶品評会で農林水産大臣賞に輝いた太田昌孝さん（浜松・天竜茶研究会）のモットーは「畑はうそをつかない」
自民党の二階俊博元幹事長は「靴の裏はうそをつかない」と若手に指導しているそうだ。たとえ逆風が吹こうとも、日ごろ愚直に地元を回っていれば、有権者は見てくれていると。
統一地方選は前半戦を終え、一般市長選などの後半戦が１６日から始まる。県内は富士宮市長選など１７の選挙が予定されている。各候補予定者は靴底をすり減らして選挙区を回り、自らの訴えを届け、丹念に地域の声を拾い上げてほしい。
衆参補欠選挙も真っ最中。自民党が５戦全勝でもすれば、岸田文雄首相がいつでも衆院解散できる環境が整うとの声もある。
ちなみに政界には、首相は解散に関してだけはうそをついてもいいという不文律があるとされる。普段は何もうそをついていないんでしたっけ？ とツッコミを入れたくなるが。
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