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テーマ : 選挙しずおか

県議選の投票率向上へ一手 静岡県内「新しい絶景」写真審査 投票所ポスターから“1票”を

 9日に投開票を迎える県議選で、静岡県選挙管理委員会は、県民の関心を引く新企画「新絶景!フォトコン」を展開し、投票率向上を狙う。国政選挙や知事選に比べ、県議選は投票率が低い傾向があり、直近は5回連続で過去最低を更新した。投票率は立候補者の得票に影響するため各選挙の陣営も注視している。

県選管の企画「新絶景!フォトコン」で“投票”する有権者=1日、静岡市葵区
県選管の企画「新絶景!フォトコン」で“投票”する有権者=1日、静岡市葵区
県議選、政令市長選の投票率の推移
県議選、政令市長選の投票率の推移
県選管の企画「新絶景!フォトコン」で“投票”する有権者=1日、静岡市葵区
県議選、政令市長選の投票率の推移

 県選管は、昨年のサッカーワールドカップ(W杯)カタール大会での活躍で、若者も含めた全年代で知名度の高い日本代表の森保一監督を啓発キャラクターに起用。フォトコンは、県内34選挙区を象徴する写真34枚から「本県代表の景色」1枚を決める企画で、投票所に張られたポスターのQRコードからスマートフォンで“投票”する仕掛けで、お気に入りの写真の“当選”のため投票所に足を運んでもらう。
 県議選の期日前投票が始まった今月1日の静岡市役所静岡庁舎では、壁のポスターにスマートフォンを向ける若者の姿があった。県選管担当者は「県議選は市町の選挙に比べ、選挙区の区割りが複雑」と指摘し、「選挙区を知ってもらうことから始めたい」と企画意図を説明する。
 県議選の投票率は第2回統一地方選の1951年の88・58%が最も高く、以降、減少傾向を示す。テレビやラジオで啓発を始めた87年や、投票時間延長や不在者投票条件が緩和された99年などに一時上昇したが、2015年に5割を割り込み、前回19年は46・85%で戦後最低を更新した。
 今回は15選挙区に上る無投票選挙区拡大の影響も不安視される。ただ、投票率が低迷傾向にある県東部に無投票選挙区が多いため、「県全体では下げ止まる可能性がある」と指摘する関係者もいる。
 県議選と同じく15年に5割を割り込んだ静岡市長選は、前回19年は現職と元職、新人の3人による選挙戦でわずかながら15年を0・34ポイント上回った。今回も3人が出馬したが、市長選と県議選の連動はあまり見られず、各陣営から投票率低下を心配する声が上がる。同市内の県議選新人候補は「市長選も盛り上がりに欠ける。投票率が下がると無党派に期待する陣営は得票が厳しい」と気をもむ。
 市議選、市長選を含め三つの選挙がある浜松市は05年の市町村合併後、選挙が実施された全ての区で市長選、市議選、県議選の投票率が5割を超えてきた。19年は、行政区再編の住民投票が加わって四つの投票が同時に行われ、15年よりも2・19ポイント上回った。今回は直前まで市長選で選挙戦の見通しが立たず、盛り上がりがいまひとつとされ、中、東、南区で新人が乱立する市議選でも投票率低下を懸念する陣営は多い。

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