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テーマ : 沼津市

最終決戦、美しく 美宇、美誠 パリ五輪 残る1枠懸け激突 卓球全日本選手権22日開幕【しずスポ】

 2年にわたるパリ五輪レースが、いよいよ最終決戦を迎える。22日に開幕する卓球の全日本選手権。女子シングルス代表の残り1枠を平野美宇(木下グループ、沼津市出身)と伊藤美誠(スターツ、磐田市出身)が争う。ともに23歳の同学年。幼少期にはダブルスペアを組み、東京五輪は団体銀メダルを手にした。かつての盟友が意地をぶつけ合う。

伊藤美誠
伊藤美誠
平野美宇
平野美宇
伊藤美誠
平野美宇


 長期間の国内選考は初の試み。早田ひな(日本生命)が790・5点と独走した一方、2位平野は486点、3位伊藤は451・5点とポイント差はわずか34・5点だ。対戦を重ねるごとに研究され、若手の台頭も著しい。これまでのように圧倒的な戦績を残すことは難しく、勝ち負けを繰り返してきた。
 その状況を最初に乗り越えたのは平野だ。序盤は8位を2度経験し、「負けた自分を否定していた」という。だが、ハイレベルな国内で勝ち続けられないことを受け入れてから流れは変わった。「選手(の選考順位)によって緊張感は違う。負けても仕方ない部分があるし順位戦でチャンスがある」と前向きにポイントを獲得。成功体験が自信になり、昨夏には世界ランク1位の孫穎莎(中国)から金星も挙げた。
 東京五輪はシングルス代表に迫りながら最終盤に逆転される憂き目を見た。今回は違う。「緊張しても意味がないことは身に染みている。この位置にいる自分を認め、プレッシャーを幸せに感じて全日本を戦いたい」
 「80~90%はやられた感じ。選考会でぼろぼろになっていく自分がいた」。昨年11月の全農カップで伊藤は正直な心境を吐露した。東京五輪からわずか7カ月で始まった五輪レース。過密日程と国内重視の方式に戸惑い、狂った歯車はどうにもかみ合わなかった。
 ほぼ同じ顔ぶれとの長期戦。徹底的に戦術を分析され「1本入れば流れが変わる場面で決めにいったボールを、返されている」という。それでも、逆転での代表入りが可能な状況まで持ち込んだのは現役唯一の五輪金メダリストの意地だ。
 全農カップの7~8位決定戦では、鋭い読みと多彩な戦術の一端を見せた。「安定感を高めつつ、自由に何でもできる自分らしさを出していきたい」。本来の変幻自在な卓球を取り戻し、大勝負に臨む。
 (山本一真)

 いとう・みま 2000年10月21日、磐田市出身。2歳から卓球を始める。16  年リオデジャネイロ五輪は女子団体に出場し、最年少15歳で銅メダルを 獲得。東京五輪は水谷隼さんと組んだ混合ダブルスで日本卓球史上初の金メダルを手にした。全日本選手権はシングルス優勝3度。スターツ。23歳。

 ひらの・みう 2000年4月14日、沼津市生まれ。3歳から卓球を始める。17年全日本選手権女子シングルスを最年少16歳で制し、17年アジア選手権は当時世界ランク1位の丁寧ら中国勢3選手を撃破し優勝した。東京五輪は団体銀メダル。木下グループ。23歳。

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