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リニア着工「利水関係者の総意必要」 水量、生態系…分野別見解示す方針 国交相中間報告踏まえ 知事会見

 川勝平太知事は11日の定例記者会見で、リニア中央新幹線工事に伴う大井川の水問題を巡り、静岡県内区間の着工を認めるかどうかの判断について「水量に関わるものは関係者全てで意見集約する必要がある」と述べ、着工には利水関係者の総意が必要になるとの認識を明らかにした。国土交通省専門家会議が水量に関する中間報告をまとめたことを踏まえ県として分野別に意思表示する必要性にも言及した。
 専門家会議は中間報告で、工事をしても水量が維持されるとしたJR東海の予測は「不確実性を伴う」と指摘し、JRの提示した減水対策は県や利水者の求める「工事期間中を含めたタイミングでのトンネル湧水の全量戻し」に該当しないと判断した。減水によって影響を受ける南アルプスの生態系の議論を今後予定している。
 川勝知事は「(水量や残土処理、生態系など各分野でまとめられる)中間報告ごとに中間的な意思表示をする段取りになる。差し当たっては(今回の)全量戻しについて意思表示することが大事」と説明し、最終的な着工判断は全分野の報告がまとまった段階になるとの見通しも示した。
 生態系の意思表示に関しては「水源は上流にあり、流域は一体だ」としながらも「南アルプスは流域住民だけのものではない」とし、流域住民に加えて山岳会や希少動植物に関心のある人の意見も参考にするとした。
 専門家会議で流域の水が県外流出する期間の拡大などを指摘した委員の意見が中間報告に反映されなかった問題に関しては、「大事な意見を書かずに、あるいは客観的に(数値を)書かないで『影響は小さい』と着地するような国交省鉄道局の意思が表れている」と批判した。

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