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難波静岡市長就任1年 政策執行力、市議会各会派が評価 前市政批判は「慎んで」

 静岡新聞社は11日までに、就任から13日で1年を迎える静岡市の難波喬司市長について、市議会各会派にアンケートを行い、難波市政1年の評価と課題を尋ねた。政策の検討、実行までの早さや、田辺信宏前市長が確執を取り沙汰された川勝平太知事との関係修復を評価する一方で、これまでの市政を徹底的に批判する発言や、政策スピードを重視するあまり、丁寧な議論に欠けることへの改善を求める声もあった。

(表では1人会派は割愛)
(表では1人会派は割愛)

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 全国のアリーナを視察するなど就任当初から市の長年の懸案だった東静岡アリーナ整備に強い意欲を示してきた難波市長。2024年1~2月、交通渋滞などに懸念を示す地元住民に2週にわたって直接説明し、24年度当初予算へのアリーナ基本計画策定費計上にこぎつけた。田辺前市長が対応の遅れなどから猛烈な批判を受けた災害対応でも迅速に対策本部を立ち上げるなどリーダーシップを発揮する場面が多く見られた。
 市議会会派でも「トップダウンによる政策執行力とスピード感を評価する」(公明)、「災害、(発がん性が指摘される有機フッ素化合物の)PFAS対応などでスピーディーな政策執行がみられる」(共産)と手腕を評価する声が目立った。
 川勝知事との対立が目立った田辺前市長に対し、川勝知事の下で8年間副知事を務めた難波市長は一定の関係性があり、23年9月には県と静岡、浜松両政令市の3首長の会談が7年ぶりに再開した。「県との連携は100%修復された」(創生静岡)と評価する声が上がった。
 一方で、自らが掲げる改革に理解を求めるために、これまでの市政を批判する発言を繰り返していることについて「何もしてこなかったかのような表現は慎んだ方がよい」(公明)と注文が付いた。危機管理総室(現危機管理局)で23年12月に発覚したパワハラ問題を巡っては「市長の市政運営方針が遠因として否定できない」(創生静岡)とし、組織風土の改革を促す意見もあった。
 アンケートと併せて難波市政の採点(100点満点)も求めたところ、連合推薦議員で構成する「志政会」が93点で最高だった。非自民系議員で構成する第2会派「創生静岡」が85点、公明70点の順で、最大会派の自民と、共産は「採点なし」。1人会派の「緑の党グリーンズジャパン」は75点、「街づくり研究会」は85点だった。
(政治部・尾原崇也、池谷遥子)

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