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熱海土石流の法的責任言及せず 真相究明「可能な限りした」【川勝知事辞職届提出】

 熱海市伊豆山で2021年7月に盛り土が崩落して住民28人が死亡した大規模土石流を巡り、川勝平太知事は10日の定例記者会見で、過去の行政対応の法的責任を問う質問に対し「事務方(の考え方)と一体だ」として言及を避けた。昨年7月の土石流災害の追悼式後に遺族と約束した真相究明に関しては「事務方と一体で、できる限りのことをしてきた」と述べた。

土石流の現場へ視察に訪れ、自衛隊員らと話す川勝平太知事(中央手前)=2021年7月5日、熱海市伊豆山
土石流の現場へ視察に訪れ、自衛隊員らと話す川勝平太知事(中央手前)=2021年7月5日、熱海市伊豆山

 県は22年5月にまとめられた第三者検証の結果を受けて「行政対応の失敗」を認める一方で「法的な瑕疵(かし)や不作為はなかった」と法的責任を否定。その後、検証不足が明らかになったため、県議会の要請を受けて追加で内部検証し、今年3月に砂防法による盛り土規制について「検討する余地もあった」とする報告書をまとめた。
 失敗を認めたのに法的責任を認めない理由を会見で問われた川勝知事は「事務方と一体だ」と繰り返し、法的責任の有無について説明しなかった。「内部検証を踏まえても失敗と認めるか」という質問にも、「内部検証(の報告書)に書いてある通りだ」として詳細を語らなかった。
 内部検証では、03~07年の分水嶺(れい)の違法開発などが砂防法の観点で検証されていない。川勝知事は今年3月下旬の記者会見で「治水上砂防(砂防法の適用要件)に当たらないという形で当時は放置したのではないか」と説明している。

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