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日米 世界平和に「責任」 首相、堅固な同盟誓う 米議会演説 核なき世界 協力求めず

 【ワシントン共同】岸田文雄首相は11日午前(日本時間12日未明)、米連邦議会の上下両院合同会議で演説した。中国やロシアの軍事動向などで国際秩序が新たな挑戦に直面しているとし、日米両国が世界の平和と繁栄に「責任を担っている」と強調。日本は「堅固な同盟と不朽の友好を誓う」と明言する。被爆地・広島選出の首相として「核兵器のない世界」実現に向けた自身の取り組みに言及する。ただ具体的な協力の呼びかけはしない。

岸田首相演説ポイント
岸田首相演説ポイント

 外国首脳による同会議での演説は特別な機会に催される。最近では2023年に韓国の尹錫悦[ユンソンニョル]大統領、インドのモディ首相が実施した。日本の首相では15年の安倍晋三元首相に続き2例目。岸田首相は「未来に向けて~われわれのグローバル・パートナーシップ」と題し、英語で行う。
 首相は演説で、中国の対外的な姿勢や軍事動向が「国際社会全体の平和と安定にとってこれまでにない最大の戦略的な挑戦をもたらしている」と主張。北朝鮮によるロシアへの弾道ミサイル輸出に関し「ウクライナの苦しみを増大させている」と指摘する。
 日本は「最も親しい友人として米国と共にある」とする。防衛費の国内総生産(GDP)比2%への増額や反撃能力(敵基地攻撃能力)保有といった岸田政権の施策に触れ「日米同盟を強固なものにするために先頭に立って取り組んできた」と誇示する。
 日米に加え韓国、オーストラリア、インド、フィリピンなどとの協力を挙げ、日米同盟が多層的な地域枠組みの力を増強させる役割を果たしていると説明する。「こうした努力に対し、超党派の強力な支持がもらえるのではないか」と賛同を呼びかける。
 経済分野では、日本が世界最大の対米直接投資国であり、これまで日本企業が約8千億ドルを投資し、米国内で約100万人の雇用を創出したとアピールする。日本経済が成長志向にあるとして「日米は世界経済を後押しし、力強い成長軌道へと導くだろう」と訴える。

 米上下両院合同会議 米議会の上下両院議員が下院本会議場に集まる会議。下院議長が主宰する。大統領が施政方針を表明する一般教書演説や外国要人の演説など特別な機会に開かれる。2022年12月にウクライナのゼレンスキー大統領、23年4月に韓国の尹錫悦大統領、同6月にインドのモディ首相が演説した。日本の首相では15年4月に安倍晋三首相が初めて臨んだ。
 (ワシントン共同)

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