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自民党裏金事件で39人処分 塩谷、世耕氏に離党勧告

 自民党は4日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、関係議員ら39人の処分を決めた。安倍派の衆院側、参院側でトップだった塩谷立、世耕弘成両氏を離党勧告とし、同派幹部を務めた下村博文、西村康稔両氏に党員資格停止1年、高木毅氏に同6カ月を科した。二階派の武田良太事務総長は党役職停止1年とした。岸田文雄首相ら執行部が処分案を党紀委員会に提示し、了承された。首相と二階派の二階俊博会長は処分対象に含まなかった。

自民党の党紀委員会を終え、記者会見する茂木幹事長(中央)=4日午後、東京・永田町の党本部
自民党の党紀委員会を終え、記者会見する茂木幹事長(中央)=4日午後、東京・永田町の党本部
自民党の派閥裏金事件に関係した議員の処分を審査する党紀委員会=4日午後、東京・永田町の党本部
自民党の派閥裏金事件に関係した議員の処分を審査する党紀委員会=4日午後、東京・永田町の党本部
上段左から塩谷立氏、世耕弘成氏。下段左から下村博文氏、西村康稔氏
上段左から塩谷立氏、世耕弘成氏。下段左から下村博文氏、西村康稔氏
自民党の党紀委員会を終え、記者会見する茂木幹事長(中央)=4日午後、東京・永田町の党本部
自民党の派閥裏金事件に関係した議員の処分を審査する党紀委員会=4日午後、東京・永田町の党本部
上段左から塩谷立氏、世耕弘成氏。下段左から下村博文氏、西村康稔氏

 首相は記者団に、安倍派に影響力を持つ森喜朗元首相に自ら電話で直接聞き取ったと明かし「裏金づくりへの関与は確認できなかった」と述べた。安倍派幹部の処分に関し「長年の慣行を是正することなく結果的に放置してきた幹部の責任を重く見た」と強調した。党処分は8段階で除名が最も重く、離党勧告、党員資格停止と続く。14日から効力が発生する。
 世耕氏は処分が出た直後に離党届を提出し、受理された。塩谷氏は記者団に、離党届を提出するかどうか後援会と相談して判断すると語った。
 安倍派は長年パーティー券販売ノルマの超過利益を議員に還流してきた。2022年4月にいったん中止を決めたが、8月に塩谷、下村、西村、世耕4氏が還流の扱いを協議。その後、復活させた。
 同派「5人組」の松野博一、萩生田光一両氏は8月の協議に参加していなかったことや派内の立場、不記載額を踏まえて党役職停止1年とした。
 二階派幹部では、事務総長経験者で不記載が1千万円以上の林幹雄、平沢勝栄両氏が党役職停止1年の処分となった。
 首相は事件について党総裁として謝罪。自身を処分対象としない理由を聞かれ、(1)個人として不記載がない(2)岸田派の不記載は事務的ミスで所属議員に資金が渡っていない―と説明した。二階氏は次期衆院選に立候補しないと既に表明した。
 派閥幹部以外では、不記載額2千万円以上の議員4人に党役職停止1年を、1千万円以上~2千万円未満の8人に同6カ月を科した。500万円以上~1千万円未満の議員ら17人には戒告を適用した。500万円未満の45人について茂木敏充幹事長は「早急に厳重注意を行いたい」と述べた。

 派閥裏金事件 東京地検特捜部が捜査した政治資金規正法違反事件。自民党安倍派は、派閥パーティー券の販売ノルマを超えた利益を各議員にキックバック(還流)していた。派閥からの還付方式、議員がプールする留保方式の2ルートあり、2018~22年に総額6億7654万円を政治資金収支報告書に記載せず裏金化した。二階派も同様に不記載があり、岸田派は派閥のみ不記載が判明。1月、安倍派の池田佳隆衆院議員が逮捕され、2議員や3派の会計責任者らが立件された。

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