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「度を超えている」静岡県民不信、辞職「当然」【川勝知事辞職表明】

 静岡県の川勝平太知事が2日、新規採用職員への訓示で職業差別とも受け止められかねない発言をして批判を受けた末に、辞職する意向を明らかにした。これまでも特定の個人や地域をおとしめるような失言を重ねては反省の弁を繰り返してきたが、ついに舌禍が辞職へと追い込んだ。県民からは「(辞職は)当然だ」「度を超えている」など知事の言動に対して非難の声が上がった。

新規採用職員に対し訓示する川勝平太知事=1日、県庁
新規採用職員に対し訓示する川勝平太知事=1日、県庁

 この春に企業に就職した静岡市駿河区の高遠悠李さん(22)は「今までも不適切発言があったので辞職は仕方ないと感じる。もし自分の入社式でこの発言があったら、会社への不信感につながっていたと思う」と厳しい目を向けた。同区の会社員神谷歩花さん(23)も「今までの発言と比べても、今回は度を超えている。明らかな職業差別だと感じる」と指摘した。
 焼津市の会社員桑原謙二さん(47)は「辞職は当然だと思う。その職業で働いている方たちの苦労を知らないからできる発言」と切り捨て、「次の知事には不適切な発言をせず、県民を裏切らない行動を心がけてほしい」と変革を望んだ。
 浜松市中央区の会社員樋本日和さん(18)は「よく〝炎上〟していて、県のトップがこれでいいのかと思うこともあった」と話した。同区の会社員鈴木陽介さん(44)は「(辞職表明は)特に何も思わない。本当に辞めるのか、コロッとひっくり返すんじゃないのかというのが率直な感想」と冷めた見方をしつつ、「本当に辞職するなら、今後リニア問題が進展していくのではないか」と期待感も口にした。
 2021年の参院静岡選挙区補欠選挙で御殿場市をやゆしたいわゆる「コシヒカリ発言」に絡み、川勝知事の辞職を求める請願をした同市の自営業嶋田康一さん(52)は「職業や地域を差別する発言で県民の県政への不信感を招いた。人間性を疑う発言で、知事の職にあるべきではない」と突き放した。「次の知事はしっかりとした考えを持ち、県議会などと良好な関係を築けるバランス感覚のある人が望ましい」と願った。

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