派閥代替「政策集団」容認　自民刷新本部　党則改正案を了承

　自民党は７日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた政治刷新本部会合で党則、規律規約、ガバナンス・コード（統治原則）の改正案を大筋了承した。資金と人事に関与する「旧来の派閥」の存続を禁止する一方、代替的に位置付けられる「政策集団」を明記した。党として存在を容認する形。政治とカネの疑惑が生じた議員の説明責任も書き込んだ。１７日の党大会で正式決定する。改正案の一部修正への対応は首相に一任した。

自民党の政治刷新本部会合であいさつする岸田首相（中央）＝７日午後、東京・永田町の党本部

　党の処分では、政治団体の会計責任者が政治資金規正法違反で逮捕または起訴された場合、議員に離党勧告処分を下せるようにする。厳格化により国民の理解を得たい考えだ。ただ裏金事件に関わった議員には遡及（そきゅう）させない。会合では「それで信頼を得られるのか」との異論や、解散方針を決めている安倍派の幹部責任を問う声が相次いだ。
　岸田文雄首相は会合冒頭「党が直面している状況は誠に深刻だ。抜本的に出直さなければならない」と強調。順法精神の欠如にも言及し、コンプライアンス（法令順守）強化を訴えた。
　ガバナンス・コード改正案は、五つあった基本原則に「政治資金問題への厳格な対応」を新規追加。旧来の派閥の存続や新設は禁じ、政策集団の規正法違反が判明すれば活動休止や解散を求めるとした。「派閥から脱却し、政策集団に生まれ変わる」とも記し、議員の集まりを公認。党則にも政策集団の活動改善勧告の規定を新設した。
　これに対し会合では「看板をかけ替える弥縫（びほう）策は駄目だ。従来の派閥は一度解消すべきだ」（牧原秀樹元青年局長）などと不満が上がった。