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首相「第三国輸出は国益」 次期戦闘機 議論重要と山口氏 参院予算委

 岸田文雄首相は5日の参院予算委員会で、英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機の第三国輸出を巡り「わが国の防衛に支障を来さないようにするため、英伊と同等に貢献し得る立場を確保することが国益だ」と述べ、必要性を強調した。輸出解禁に慎重な公明党の山口那津男代表は国会内での記者会見で「丁寧に分かりやすく説明しようという姿勢が印象的だ」と評価。その上で「さらに議論を進めることが重要だ」と語った。

次期戦闘機の第三国輸出を巡る岸田首相と公明側の主な発言
次期戦闘機の第三国輸出を巡る岸田首相と公明側の主な発言

 殺傷能力のある戦闘機の輸出は紛争を助長する恐れがある。政府は、次期戦闘機の共同開発に向けた3カ国協議が3月以降に本格化するとして、早期の与党合意を要請。自民、公明両党の政調会長間で議論が続いている。山口氏は「国民の理解を得られるか注視していく」と述べた。
 参院予算委で公明の西田実仁氏は第三国輸出に関し「国民の多くは平和国家の信頼を損なうのではないかと懸念している」と指摘した。首相は、英伊両国が調達価格低下のために第三国輸出を重視し、日本に同様の対応を求めたと説明。「(第三国への)直接移転を行い得る仕組みを持たなければ、わが国が求める戦闘機の実現が困難となる。共同開発のパートナー国にふさわしくないと国際的に認識される」と語った。
 西田氏は、輸出可能な非戦闘目的の5分野について「戦闘機の第三国輸出を認めたら制約の意味がなくなる」とただした。首相は「国産装備品が基本の5分野とは性格が異なる」と述べ、輸出を認めても5分野の撤廃にはつながらないとの認識を表明。戦闘機に関し、敵や味方の位置情報などを通信で共有する「ネットワーク戦闘」や、相手から見えにくくするステルス性能などの能力を重視する考えも示した。
 山口氏は1カ月前の2月6日の会見で、2022年に英伊との共同開発を決めた際は第三国輸出が前提でなかったとし「重要な政策変更だ。なぜ変更する必要があるのか、十分に議論が尽くされていない」と政府の対応を批判していた。

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