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辞職前倒し「県政の空白を短くするため」 【川勝知事辞職届提出】

 10日午前に辞職届を提出した川勝平太知事は同日午後に定例記者会見で、「私の発言により県民に大変な迷惑をかけた。なるべく早く県政の空白を短くするため」と当初の予定より辞職を早めた理由を説明した。4期目の最大の政治課題だったリニア中央新幹線問題は「途中で投げ出すわけにはいかないが、道筋が見えた」と述べ、辞職を判断する大きな理由になったと改めて強調した。

辞職届を提出後、記者会見する川勝平太知事=10日午後、県庁(
辞職届を提出後、記者会見する川勝平太知事=10日午後、県庁(
辞職届を提出後、記者会見する川勝平太知事=10日午後、県庁(写真部・二神亨)
辞職届を提出後、記者会見する川勝平太知事=10日午後、県庁(写真部・二神亨)
参院静岡補選の応援演説における自身の発言について、謝罪する川勝平太知事=記者会見の冒頭、参院静岡補選の応援演説における自身の発言について、謝罪する川勝平太知事=2021年11月12日午後、県庁
参院静岡補選の応援演説における自身の発言について、謝罪する川勝平太知事=記者会見の冒頭、参院静岡補選の応援演説における自身の発言について、謝罪する川勝平太知事=2021年11月12日午後、県庁
辞職届を提出後、記者会見する川勝平太知事=10日午後、県庁(
辞職届を提出後、記者会見する川勝平太知事=10日午後、県庁(写真部・二神亨)
参院静岡補選の応援演説における自身の発言について、謝罪する川勝平太知事=記者会見の冒頭、参院静岡補選の応援演説における自身の発言について、謝罪する川勝平太知事=2021年11月12日午後、県庁

 川勝知事は3日の記者会見で、県議会6月定例会の冒頭で辞職する考えを示していた。しかし、1次産業従事者への職業差別とも受け取れる発言を巡り、県民などから3千件以上の批判が殺到した。坂本哲志農相が苦言を呈する事態に発展していた。
 川勝知事は10日の会見で、知事就任前には農林水産関係のさまざまな役職を務めてきたとし、「第1次産業を下に見ていることは全くない」と職業差別を否定した。2日の辞意表明では、報道機関による発言の「切り取り」のせいで誤解が広まったと主張したが、「(報道と)辞任との因果関係はない。報道の自由は大切にしている」と述べた。
 川勝知事は2021年10月のいわゆる「コシヒカリ発言」がきっかけで、県議会から辞職勧告決議を突きつけられていた。このため「既に退路を断っていた。いつでも辞任する用意はあったが、県民から負託されているリニア問題に道筋をつけなければいけないと思っていた」とも述べた。
 辞職のタイミングは次期知事候補の選定に要する時間を考慮し、09年に任期途中で辞任した石川嘉延前知事の前例にならったとし、「私が去ることが県民のためになる」とした。辞職届には「一身上の理由」と自ら記したと明かした。
 知事選には、元副知事の大村慎一氏が立候補を表明し、鈴木康友前浜松市長も出馬の意思を固めた。渡辺周衆院議員(衆院比例東海)も出馬に意欲を示している。それぞれの印象を問われた川勝知事は「非常にありがたい。有権者にそれぞれの意欲を聞いてもらい、投票率が高まることを期待している」と述べるにとどめた。今後の県政運営や県庁組織については「課題は常にあるが、それを共有しながらチームでやっていく心合わせをした。危機管理を最優先に、いざという時にすぐに初動体制が取れるようにやってほしい」と期待した。
 (政治部・豊竹喬)

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