中野氏 盤石の組織 浜松市長選 “後継者”「地方創生進め、故郷元気に」
静岡県内政令市の有権者は市の新しいリーダーに行政経験豊富な元官僚を選び、まちの未来を託した。9日に投開票された浜松市長選で圧勝した元総務省課長中野祐介氏(53)は「市民の思いを受け止め、元気なまちにできるよう全力で頑張る」と声を高ぶらせた。
投票終了直後の午後8時過ぎ、中野祐介氏の浜松市北区の事務所に「当選確実」の一報が入ると、集まった自民党や経済界の関係者から歓声と拍手が沸き起こった。中野氏は支援者らと握手を交わし、何度も頭を下げて祝福の声に応えた。
地元凧(たこ)揚げ会のラッパに合わせて万歳三唱を行った後、マイクを握って「当選はゴールではなくスタート。浜松から地方創生を進め、浜松をもっと元気にする。災害、交通事故対策など安全、安心のまちづくりにも取り組む」と力強く決意を語った。
政財界の幅広い支援に加え、市長を4期16年務めて今期で退任する現職鈴木康友氏から実質的な後継指名を受けて選挙に臨んだ。昨年11月の出馬表明以降、地域の集会や企業を丁寧に回り、告示後は市議選や県議選の自民系候補と連動して街頭演説などを重ねた。
多くの有権者と接した経験を振り返り、「浜松の課題、可能性、価値を改めて認識した。見聞きしたことを、この先の市政運営に生かしたい」と強調した。
事務所には鈴木氏をはじめ、鈴木修スズキ相談役らも姿を見せ、新たなかじ取り役の誕生を祝った。