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テーマ : 沼津市

静岡人インタビュー「この人」 労働紛争の解決に尽力する弁護士 森本耕太郎さん(沼津市)

 静岡県労働委員会の会長を昨年6月から務め、労働者側と会社などの使用者側との紛争解決に尽力する。解雇に限らず、最近はパワハラなども違法行為として認識されるようになり、労働トラブルが多様化した。弁護士としての知識を生かし、労使双方が納得できる解決案の提示を目指す。裾野市出身。48歳。

森本耕太郎さん
森本耕太郎さん

 -県労委の役割とは。
 「労働組合法に基づいて各都道府県に設置され、労働組合や労働者個人と使用者との間の紛争を解決する機関。取り扱う事例は労働者個人と使用者側のトラブルが中心。会社側からの相談も少なくない。近年は県内の組合加入率が17%程度まで低下しており、労働紛争解決の受け皿として重責を感じている」
 -裁判との違いは。
 「経済的負担が無いのが特長だ。訴訟は弁護士費用などが発生するが、県労委は無料で引き受けている。裁判の判決とは異なり、私たちの出した解決案に強制力はないが、弁護士などの公益委員と労働委員、使用者委員の3人が一組になって双方から意見を聞くため、合意点を見いだしやすい利点がある」
 -委員として何を大切にしているか。
 「当事者双方の立場を理解すること。紛争解決に向けた協議に時間制限がないため、納得するまで5時間以上話し合いを続けたこともある。法的知識の不足が原因で労働トラブルになるケースも多く、法律を解説しながら再発防止への助言も行う」
 -今後の意気込みを。
 「SNSを積極的に活用するなど情報発信を強化していく。労働問題で悩んだ際は、まずは窓口となる県民生活センターに相談し、県労委の制度を利用してほしい。誰もが働きやすい労働環境の創出に貢献したい」

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