御前崎支局 市川幹人
いちかわ・みきと 1994年、島田市生まれ。2017年入社。社会部、松崎支局を経て、2020年8月から2度目の社会部勤務。災害防災、司法、東京パラリンピックなどを担当。現在は、熱海土石流取材班の一員として熱海市に常駐して取材を行っています。趣味は読書。
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海の平穏や息災を祈願 御前崎 ウインドサーフィン選手
御前崎市で開催中のウインドサーフィン国際大会「スピケア御前崎ジャパンカップ」に出場している海外選手や関係者約20人が20日、同市の高松神社で海の安全祈願式を執り行った。 選手らは参道で213段の石段を登り、海抜約65メートルの位置にある拝殿に入った。厳かな雰囲気の中、中山貞雄宮司が祝詞を読み上げた。参列者は祭壇に玉串をささげ、海の平穏と無病息災を祈った。式終了後は拝殿の外で持参したサーフボードも厄払いした。 同神社は遠州灘と駿河湾が一望できる高台に鎮座し、古くから海上安全や豊漁、災難消除に御利益があるとして地域の信仰を集めてきた。選手らは本殿の多彩な彫刻も見て回り、日本文化に触れた。
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親子で津波避難行動学ぶ 御前崎のNPO 防災すごろく活用
御前崎市のNPO法人御前崎災害支援ネットワークは18日、防災学習「親子DE津波てんでんこ」を同市の浜岡福祉会館で開いた。地域の親子や身体障害者福祉会の高齢者ら約40人が参加し、ゲーム感覚で適切な津波避難行動を考えた。 教材は静岡市の永野海弁護士が考案した「津波避難すごろく めざせ!津波避難マスター」を活用。沿岸部のまちをモデルにしたシートを見て、地震発生時に自宅や学校からどこに避難すべきか議論した。 ルールはマス目を一つ移動するごとに所要時間1分と想定し、避難中に親族宅や食料保管場所に立ち寄るかどうか検討。避難ルートを決めた後はサイコロを投げて津波到達時間と高さを設定し、自分が選択した避難方
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特殊詐欺、接客が“砦” 従業員機転利かせ声かけ 未然防止4億5300万円分
静岡県内で特殊詐欺事件が相次ぐ中、店頭の接客がきっかけで被害を食い止めるケースが増加している。昨年、県内の金融機関やコンビニ店などが被害を未然防止した事案は計462件で、金額に換算すると約4億5300万円だった。犯人側にだまされてしまった場合、従業員の機転の利いた声かけは「被害防止の最後の砦(とりで)」(捜査関係者)。金融関係者は「大切な財産を守りたい」と語る。 「お客さまの行動や言動が不自然だった」と振り返るのは、静岡市駿河区の静清信用金庫用宗支店で窓口を担当する山脇慶子さん(44)。昨年8月、来店した高齢女性が100万円の出金を依頼してきた。「高額出金は珍しい」と思い、詳しく事情を尋ね
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御前崎で開幕 ウインドサーフィン国際大会 世界トップ選手華麗に 21日まで熱戦
ウインドサーフィンのトップ選手が集う国際大会「スピケア御前崎ジャパンカップ」が16日、御前崎市の御前崎ロングビーチで始まった。国内外から約60人が参戦し、帆で風を受けながら海面を滑走して華麗な技を競った。21日まで熱戦が繰り広げられる。 男子のプロ、マスター(45歳以上)、ジュニア(19歳以下)、女子の4部門で実施する。ウインドサーフィンの国際組織は「PWA」と「IWT」の二つがあり、2023年から両団体が獲得ポイントを統一してツアー大会を開催。今大会はその第1戦目。 初日は昨年、日本女子チャンピオンの佐藤素子選手(同市)が優勝した。17日以降は同市出身で男子の石井孝良選手の活躍にも期待
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ウインドサーフィン世界大会開幕 選手来校、児童と交流 御前崎小 競技の魅力語る
御前崎市で16日に開幕するウインドサーフィンの世界大会「御前崎ジャパンカップ」に出場するプロの石井孝良選手ら6人が15日、同市の御前崎小を訪問し、4~6年生約100人と交流を深めた。 選手はそれぞれ自己紹介し、映像を交えながらウインドサーフィンの魅力を解説。子どもたちの質問にも応じ、競技を始めたきっかけなどを語った。海が怖くないのか問われた同校出身の石井選手は「練習を積み重ねれば次第に慣れる」と努力の大切さを伝えた。 豪華景品が当たるじゃんけん大会も行い、勝ち残った児童には選手のサイン入りポスターや色紙が贈られた。
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浜岡原発1、2号機 原子炉解体1年程度延期 中部電力、24年度着手目指す
中部電力は13日、廃止措置中の浜岡原発1、2号機(御前崎市佐倉)について、2023年度にも着手するとしていた原子炉領域の解体撤去を1年程度延期すると正式発表した。同日、原子力規制委員会に廃止措置計画の変更認可を申請した。廃炉で発生する低レベル放射性廃棄物の一時保管方法などを見直し、作業効率化と安全性向上を図る。 同計画によると、原子炉領域の解体撤去は計4段階の作業工程のうち3段階目に該当。24年度の原子炉領域への作業着手を目指し、現時点で36年度の廃止措置完了の目標に大きな影響はないという。 第3段階は原子炉圧力容器など炉心部の設備解体撤去が中心。進展に伴い敷地内で一時保管する放射性廃棄
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原子炉領域解体延期へ 浜岡1、2号機廃炉作業で中電方針
中部電力は廃止措置中の浜岡原発1、2号機(御前崎市佐倉)について、2023年度にも着手するとしていた原子炉領域の解体撤去を1年程度延期する方針を固めた。廃炉で発生する低レベル放射性廃棄物の一時保管方法などを見直し、作業効率化と安全性向上を図る。10日までに複数の関係者への取材で分かった。 同社の廃止措置計画によると、原子炉領域の解体撤去は計4段階の作業工程のうち、3段階目に位置付けられる。新たな作業段階に移行するためには原子力規制委員会の許認可が必要になるが、同社は現時点で第3段階着手の申請を提出していない。 第3段階は原子炉圧力容器など炉心部の設備解体撤去が中心だ。放射性物質の安全な処
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新野地区工業団地事業再考を 御前崎市議会予算審査委 「内容が不透明」
御前崎市議会2月定例会は9日、予算決算審査特別委員会を開き、新野地区で進めている工業団地の建設事業費5千万円を計上した特別会計予算案を賛成少数(定数15)で否決すべきとした。市は企業誘致の迅速な推進を訴えたが、市議会は「事業内容が不透明」として再考を求めた。24日の最終本会議で同予算が否決される公算が大きい。 採決で委員14人の意見が賛成、反対それぞれ7人ずつに割れ、阿南澄男委員長が反対に回った。 市は地域産業経済の活性化を図るため先行投資的に工業用地を確保し、取得した土地は企業誘致などを仲介する不動産開発業者に売却すると説明。柳沢重夫市長は既に複数の企業が進出の意向を示していることを明
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全国ソフトボール大会へ抱負 浜岡中の村松さん、奥柿さん 御前崎
千葉県で26日に開幕する第19回都道府県対抗全日本中学生女子ソフトボール大会で、静岡県選抜チームに選ばれた御前崎市の浜岡中2年の奥柿未来さん(14)と村松歩果さん(14)が6日、柳沢重夫市長を訪問した。2人は「代表選手として頑張りたい」と健闘を誓った。 村松さんは主に内野手を務め、投手起用も想定される。本県は前回大会、初戦敗退を喫しており「まずは初戦突破し、決勝まで進みたい」と意気込んだ。 内野手で複数の守備位置をこなす奥柿さんも「代表選手の責任を持って結果を残したい」と抱負を述べた。 本県チームは昨年10月から三次まで選考会を行い、打撃の飛距離や盗塁タイム、実戦形式の結果などを参考に計
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御前崎に外国客船 8万トン超 ウェステルダム 4月11日初寄港
新型コロナ禍で中断していた外国の国際クルーズ船の受け入れ再開を巡り、御前崎市の御前崎港に4月11日、オランダ客船「ウェステルダム」(約8万2千トン)が寄港することが2日までに関係者への取材で分かった。同港への外国クルーズ船の寄港は初めて。9月中旬にも豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」(約11万5900トン)が入港する方向で調整しており、関係者は「御前崎の知名度を発信するチャンス」と期待を寄せる。 ウェステルダムは定員約1960人。市などでつくる御前崎港客船誘致協議会が数年前から外国客船の誘致を進めてきた。 市は当日、同港で歓迎イベントなどを企画。富裕層客に観光資源やグルメ、和文化をア
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義元の歌碑 駿府城公園に ライオンズクラブ
静岡駿府ライオンズクラブは23日、今川義元が詠んだ歌碑の除幕式を静岡市葵区の駿府城公園で行った。静岡の礎を築いた名将の功績を後世に伝える。 歌碑は東御門・巽櫓(やぐら)付近に建立し、義元が残した「昨日なし 翌またしらぬ人はただ 今日のうちこそ 命なりけれ」の和歌を刻んだ。式では同クラブの村田明博会長や田辺信宏市長が綱を引いて除幕し、完成を祝った。 和歌は小和田哲男静大名誉教授や静岡市出身の歌人田中章義さんが選び、今川家とゆかりが深い臨済寺の阿部宗徹住職が揮毫(きごう)した。田中さんによると、和歌には「明日のことは分からない。目の前の今を大事にすれば未来は開けていく」との意味が込められてい
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森林の役割知って NPOと組合、静岡・長田北小で特別授業
NPO法人まちなびやと静岡市森林組合は24日、森林の役割について考える特別授業を同市駿河区の長田北小で開いた。5年生約90人が森林保全や治水機能の重要性を学んだ。 講師を務めた組合職員は、静岡市の面積の約76%を森林が占めていると説明し「山には多くの動物が生息し、雨水を吸収して災害を防ぐ働きがある」と述べた。樹木は光合成により二酸化炭素を吸収するため、森林保全が環境対策につながることも解説した。 林業の仕事内容を知ってもらおうとチェーンソーを使い、スギとヒノキの木材を切る様子も披露した。子どもたちは木くずの香りを嗅いだり、手触りを確かめたりして学びを深めた。 大槻真之介君(11)は「普
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「循環型社会実現へ力」25人卒業 静岡の市民向け「環境大学」
環境問題の課題解決に取り組む人材を育成する静岡市の市民向け専門課程「環境大学」の卒業式が18日、同市葵区の沼上資源循環学習プラザで開かれた。 卒業生は10~60代の25人。食品ロスや海洋マイクロプラスチック削減などをテーマに掲げ、約8カ月間で24講義を受けるなど日常生活と関連付けながら環境対策を考えてきた。 式では、学長の田辺信宏市長から一人ずつ修了証書を受け取った。卒業生代表の大石善博さん(61)は「1本でも多くペットボトルを海に流さない努力をする。再生循環型社会の実現に向けて取り組みたい」と述べた。田辺市長は「静岡市の市民リーダーとして行政が行う環境施策も支えてほしい」と激励した。
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「駿府が江戸の機能補完」大石名誉教授(東京学芸大)が解説 静岡
徳川時代の歴史的意義を研究、発信する「徳川みらい学会」は18日、本年度の第6回講演会を静岡市葵区の市民文化会館で開いた。東京学芸大名誉教授の大石学氏が「近世初期の駿府と江戸」と題し、駿府が江戸の首都機能を補完していたと解説した。 徳川幕府の成立後、徳川家にとって関西方面から首都機能を江戸に引き継ぐことが課題だった。大石氏は当時の時代背景をほどきながら「家康は江戸と京都・大阪の中間にある駿府を重要拠点に位置づけていた」と分析。駿府は副都心としての役割を果たしたため外交拠点となったほか、文化や職人の技術などが発展したと説明した。 また、江戸時代は戦国時代と比べて戦争が激減したことに着目。大石
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静岡の歴史発信へマップ インターン生、駅などで配布
静岡市の中心市街地活性化を推進する「I Love しずおか協議会」は18日、インターンシップの学生が制作した歴史散策ガイド「駿府おまち歩きまっぷ」をJR静岡駅北口などで配布した。約5千枚を用意し、観光客らに静岡の歴史の魅力を発信した。 学生3人が今川義元公像と竹千代君像の横にブースを構え、マップを手渡した。NHK大河ドラマ「どうする家康」の放送や市歴史博物館開館など駿府の歴史文化に注目が集まる中、市街地に点在する徳川家ゆかりのおすすめスポットや江戸時代から続く老舗などを紹介。モデルコースも提案した。 同協議会では、昨年10月からインターンシップで大学生や専門学生ら計13人が活動し、地域活
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災害時、全国警察から駆け付け 広域緊急援助隊、高まる存在感
6434人が犠牲になった阪神・淡路大震災の発生から、1月17日で28年が経過した。震災を契機に各都道府県の警察に創設されたのが、災害初動対応で被災地に駆け付ける「広域緊急援助隊(広緊隊)」だ。2021年7月に熱海市伊豆山で起きた大規模土石流では、本県警察を中心に全国の広緊隊が連携し、人命救助や行方不明者の捜索活動を展開した。近年は大災害が相次ぎ、広緊隊の重要性が高まっている。 「すぐに助けますから頑張って!」。昨年11月中旬、静岡市清水区の庵原球場で行われた関東管区広緊隊第3大隊の合同訓練。本県をはじめ山梨、長野などの各県警から隊員約100人が集まり、2日間にわたり車内や住宅に閉じ込められ
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大滝さん(由比小1)ら最高賞 蘇峰会書道展 入賞308点決まる
第46回蘇峰会県書道展(蘇峰会、静岡新聞社・静岡放送、駿府博物館主催)の入賞者が8日までに決定した。県内の園児から一般までの作品2508点が寄せられ、308点が入賞した。最高賞の徳富蘇峰賞には6点が選ばれた。 静岡市駿河区の静岡新聞放送会館で開かれた審査会で、県書道連盟の大石大梅会長、大谷青嵐顧問、是永尚志副会長、田代香桃副会長が字の止め、はらいなどに着目しながら審査した。 表彰式は3月19日に同会館の蘇峰ホールで予定している。展覧会は同14~19日(前期)、21~26日(後期)に同区の駿府博物館で開催する。 主な入賞者は次の通り。 徳富蘇峰賞 大滝桃李(由比小1)山崎結愛(静岡葵小
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今川義元の功績 英文絵本で紹介 常葉大橘中3年生、探求学習で制作 博物館に寄贈
静岡市葵区の常葉大橘中の3年生全55人がこのほど、探求学習の一環で静岡ゆかりの戦国大名、今川義元の功績を英文で紹介した絵本を作った。代表生徒4人が8日、絵本を市歴史博物館(同区)に寄贈し、今後一般にも公開する。生徒らは「静岡の歴史文化を世界に広めるツールとして役立ててほしい」と話している。 タイトルは「IMAGAWA YOSHIMOTO」で全34ページ。ストーリーはJR静岡駅北口の義元像の前から始まり、歴史を学習する中学生と義元との間で会話が展開される。会話の進行に沿って義元の生涯や徳川家とのつながりを日本文と英文で解説。今川家ゆかりの寺などを参考資料として掲載し、挿絵も描いた。 生徒ら
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探究学習の成果 オンライン披露 静岡県内24校、高校生サミット
探究学習や地域課外活動の取り組みを発表する「県高校生サミット」が5日、オンラインで開かれた。24校から生徒約100人が参加し、学校生活や社会問題などそれぞれのテーマごとに成果や提言を披露した。 静岡市立高2年の渡辺ひなのさん(17)、石川結夢さん(17)、田村彩乃さん(16)の3人は高校生活の魅力を伝える短編動画を制作し、紹介した。SBSテレビ番組制作プロデューサーの鈴木俊夫さんから映像編集技術を学び、臨場感や訴求力を高めるために工夫した点を説明。SNS動画の人気が高まっているとして「映像技術をうまく応用すれば民間企業のみならず学校現場でも記録保存やプロモーションなどに幅広く活用できる」と
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食生活 改善を助言 静岡市葵区で健康イベント
健康増進活動を展開する団体「しずおか健康いきいきフォーラム21」は2日、健康イベント「県民連携・協働のつどい」を静岡市葵区の県総合社会福祉会館で開いた。同団体が認定した「しずおか健康づくりサポーター」の企業など約10団体がブースを構え、健康測定や栄養指導を行った。 県健康づくり食生活推進協議会は、機器を用いて来場者の野菜摂取量を分析。数値を参考に会員らが食生活の改善点を助言した。中北薬品などは健康面に配慮した自社製品をPRし、担当者らが健康相談にも応じた。 出展団体は活動事例紹介として、地域連携を深めた健康促進の取り組みなどを発表した。しずおか健康長寿財団の佐古伊康理事長が「多様性社会で
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記者コラム「清流」 伊豆山の教訓はどこへ
静岡市葵区の藁科川上流の砂防指定地に不適切な盛り土が2カ所造成され、県警が捜査を始めた。規模は計約42万立方メートル。全国最大級という。 砂防行政を担う県が盛り土を把握したのは約17年前。業者の違法開発を制止する機会は幾度もあったはず。しかし、熱海市伊豆山の土石流災害後も土砂搬入は続き、今も県は撤去命令を出していない。 教訓は一体どこへ-。違法盛り土の崩壊で27人が死亡し1人が行方不明になった熱海土石流は、県と熱海市がずさんな開発行為を見過ごしてきた末の人災だった。同区の盛り土に対する県の対応を見れば、誓ったはずの再発防止を軽視しているようにも映る。 伊豆山のある遺族は語っていた。「二
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静岡県職員の工事費水増し 8日地裁判決 予算消化優先の組織風土「余れば上司に迷惑」重圧か
行政予算は使い切るべきか-。公共工事の予算を消化するため虚偽の公文書を作成し、事業費を増額させて県に損害を与えたとして虚偽有印公文書作成・同行使と背任の罪に問われた県職員の男の判決が8日に静岡地裁で言い渡される。 男は起訴内容を認め、「予算を全て執行しなければいけない雰囲気が(職場に)あった」と証言。公判では事業費の抑制より予算消化を優先的に捉える組織風土の一端も浮き彫りになった。その背景に専門家は「公務員は予算額通りに仕事を進めることが職務評価につながる傾向がある」と分析する。 「予算が余れば迷惑がかかる」。法廷で動機を語ったのは県職員の男(32)=停職4カ月の懲戒処分=。県下田土木事
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刃物凶悪犯罪へ対応 静岡鉄道、警察と連携訓練
静岡鉄道は27日、刃物を使った凶悪犯罪への対応訓練を静岡市葵区の新静岡駅で行った。駅構内で不審者を発見し、犯人を取り押さえるまでの流れを実践。社員や警察官約50人が参加して連携態勢の強化を図り、駅利用者の避難誘導方法などを確認した。 ナイフを所持した男がホーム停車中の列車に侵入したと想定。不審な男を見つけた駅係員はすぐに110番し、不審者が列車に侵入した後は、2人がかりで刺股を使って男の行動を制止した。 その間、他の駅係員らは乗客を安全な場所まで避難誘導し、数分後に駆け付けた警察官が男の身柄を確保した。男の所持品から有毒な液体も見つかったと想定し、テロ対策訓練の一環で列車の扉を閉めて密閉
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船内の実験、生活を紹介 宇宙飛行士土井さん 静岡で講演
宇宙飛行士としてスペースシャトルに2度搭乗した土井隆雄さんの講演会「宇宙をめざせ!」(県労働者福祉基金協会主催)が28日、静岡市駿河区のグランシップで開かれた。 現在は京都大大学院特定教授を務める土井さんは、1997年と2008年に宇宙ステーション活動に参加。船内で取り組んだ調査実験や印象に残っているエピソードについて、資料映像などを交えて紹介した。 実験結果から人は無重力状態になると骨細胞を生成する機能が劣ると指摘し、「いま宇宙は骨粗しょう症の治療薬開発などで注目を集めている」と述べた。 また、2回目の搭乗時はメンバー7人のうち唯一の日本人だったことに触れ、「国際協力を大切にして互い
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早春の西伊豆歩こう 駿河湾フェリーとJR東海、静岡駅でPR
一般社団法人ふじさん駿河湾フェリーとJR東海は28日から3月31日まで、西伊豆地域への誘客キャンペーン「早春の西伊豆ウオーキング」を実施する。企画が始まるのを前に両社などは27日、関連イベントをJR静岡駅構内で行った。 伊豆市土肥や西伊豆、松崎の観光協会職員ら約15人が駅利用者に観光パンフレットやグッズなどを配布した。人気スポットも映像で紹介し、「ぜひ旅行先に伊豆西海岸を選んで」と呼びかけた。 キャンペーンでは清水港(静岡市清水区)-土肥港(伊豆市)を結ぶ駿河湾フェリーと電車の利用を推奨。土肥港を徒歩で出発し、土肥金山や恋人岬などを巡る「土肥コース」と、土肥港から無料バスで松崎町に移動し
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西伊豆地域へ誘客 静岡駅でキャンペーン関連イベント
一般社団法人ふじさん駿河湾フェリーとJR東海は28日から3月31日まで、西伊豆地域への誘客キャンペーン「早春の西伊豆ウオーキング」を実施する。企画が始まるのを前に両社などは27日、関連イベントをJR静岡駅構内で行った。 伊豆市土肥や西伊豆、松崎の観光協会職員ら約15人が駅利用者に観光パンフレットやグッズなどを配布した。人気スポットも映像で紹介し、「ぜひ旅行先に伊豆西海岸を選んで」と呼びかけた。 キャンペーンでは清水港(静岡市清水区)-土肥港(伊豆市)を結ぶ駿河湾フェリーと電車の利用を推奨。土肥港を徒歩で出発し、土肥金山や恋人岬などを巡る「土肥コース」と、土肥港から無料バスで松崎町に移動し
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社会貢献、思いを形に 遺贈先に日赤紹介 スルガ銀行が協定
スルガ銀行は26日、遺言を残して財産寄付する「遺贈」に関する協定を日本赤十字社静岡県支部と結んだ。遺言信託などの相談を受けた場合、顧客ニーズに応じて遺贈先の候補として同支部を紹介する。 静岡市葵区の同支部で締結式を行い、同行営業本部静岡コミュニティバンク長の大石裕之執行役員と同支部の鈴木亨事務局長が協定を交わした。大石執行役員は「社会貢献を希望するお客さまの尊い思いを形にできるようにしていきたい」と述べた。 同行は、地銀の中でいち早く2007年から遺言信託サービスを開始。高齢化が進み遺言信託などの相談増加が見込まれる中、多様な要望に対応していく。近年は築いた財産を障害者福祉や災害支援など
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自転車運転 ルール順守 静岡中央署など、静岡西高で呼びかけ
静岡中央署などはこのほど、「高校生自転車マナーアップチャレンジモデル校」に指定されている静岡市葵区の静岡西高で、自転車の安全運転を呼びかける街頭啓発活動を行った。登校してきた生徒らに交通ルールの順守徹底やヘルメット着用を促した。 署員をはじめ、県交通安全協会静岡中央地区支部の交通安全指導員や同校の生徒ら約20人が参加。午前8時ごろから正門付近に並び、のぼり旗を掲げて交通マナーの向上を訴えた。 4月には改正道交法の施行に伴い、ヘルメット着用が努力義務化されることを説明。安全対策を講じる重要性を伝えた。 スマートフォンを操作しながらの自転車運転や、友人らとの並進走行といった危険行為も厳しく
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水道事業へ理解深める 静岡・足久保配水場 自治会役員ら見学
静岡市は22日、昨年12月に耐震改修工事が完了した同市葵区の足久保配水場の見学会を開いた。地元自治会役員ら約10人が水道事業への理解を深めた。 参加住民は市上下水道局の職員から配水場施設の機能について説明を受けながら、各家庭に水道水を送るポンプなどを見て回った。井戸から取水した水を滅菌するため、一時的に貯水する容量約400トンの配水池も見学し、安心な飲み水が出来上がる行程を学んだ。 同施設は現在約800戸に配水している。災害時の停電に備え、自家発電機能も完備した。 足久保学区自治会連合会の三重野隆志会長は「生活に欠かせない水道インフラの仕組みを知ることができた。災害対策の知識にもつなが
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詐欺や交通事故防止呼びかけ 静岡中央署などJR静岡駅で
静岡中央署と県くらし交通安全課などは13日、県内で相次ぐ特殊詐欺事件の被害防止と交通安全を呼びかける啓発活動をJR静岡駅で行った。 署員をはじめ県職員、地域安全推進員ら約15人が駅構内に並び、アニメ「ちびまる子ちゃん」のイラストが施された反射材やエコバッグが入った啓発品約150個を高齢者らに配布した。 交通事故防止に向け、夜間は反射材の積極的な活用を促した。特殊詐欺被害を見抜くポイントなども分かりやすく解説し、「お金やキャッシュカードに関する不審な電話があったら警察に相談してほしい」などと訴えた。
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静岡人インタビュー「この人」 労働紛争の解決に尽力する弁護士 森本耕太郎さん(沼津市)
静岡県労働委員会の会長を昨年6月から務め、労働者側と会社などの使用者側との紛争解決に尽力する。解雇に限らず、最近はパワハラなども違法行為として認識されるようになり、労働トラブルが多様化した。弁護士としての知識を生かし、労使双方が納得できる解決案の提示を目指す。裾野市出身。48歳。 -県労委の役割とは。 「労働組合法に基づいて各都道府県に設置され、労働組合や労働者個人と使用者との間の紛争を解決する機関。取り扱う事例は労働者個人と使用者側のトラブルが中心。会社側からの相談も少なくない。近年は県内の組合加入率が17%程度まで低下しており、労働紛争解決の受け皿として重責を感じている」 -裁判と
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台風15号なお爪痕 静岡・葵区油山で早期復旧願い餅つき
昨年9月に台風15号で被害を受けた静岡市葵区油山の被災者らが4日、新年の餅つきイベントを行った。今も災害の爪痕が残っており、生活基盤の早期復旧と新たな1年の平穏を願った。 災害ボランティア団体の「はままつnanet」(浜松市)や「災害NGO結」(沖縄県)が、地域の結束力と活気を高めてもらおうと企画した。 住民ら約40人が杵(きね)や臼、もち米などの食材を持ち寄り、交代しながら杵を力強く振り下ろした。周囲の「よいしょ」のかけ声に合わせ、リズム良く餅をついた。 台風の大雨で自宅が床上浸水し、長期の避難生活をしている小柳奈津子さん(83)は「(昨年は)支え合いの大切さを身に染みて感じた。今年
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電話横のカレンダーで「詐欺用心!」 手口や注意点、漫画で解説 静岡中央署員ら作製
静岡県内で多発する特殊詐欺事件の被害防止を図るため静岡中央署と静岡中央防犯協会の女性3人が、詐欺の手口を紹介して警戒を呼びかける2023年版の卓上カレンダーを作製した。管内の静岡市葵区で起きた事例を参考に、詐欺を見抜く注意点などを月ごとに4コマ漫画で分かりやすく解説。「犯人の思惑を知ることが防犯対策の第一歩」と訴える。 作製したのは同協会防犯指導員の佐藤奈苗さん(51)と同署生活安全課の警察官森下千晶さん(28)、少年サポートセンター少年警察補導員の望月祐理さん(23)。特殊詐欺事件の防犯対策を考える中で、自宅の固定電話の横に置ける防犯用カレンダーを企画した。 発案した佐藤さんは、特殊詐
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静岡・駿河区の独居女性殺害15年 静岡南署「情報提供を」
静岡市駿河区池田で1人暮らしをしていた無職の女性=当時(73)=が自宅で殺害された事件は、31日に遺体発見から15年を迎える。静岡南署は26日、現場付近のスーパーでチラシを配り、事件解決につながる情報提供を求めた。 白鳥英雄刑事官や酒井基成刑事1課長ら署員10人が、買い物客や通行人らに対し、事件当時に不審な人物や車両などを目撃していないか聞き込みした。ここ数年は容疑者の特定につながる有力な手掛かりが少なく、署員らは「ささいな情報でも構わないのでお寄せください」などと市民に呼びかけた。 同署によると、女性は2007年12月31日夜、ベッドで手足を縛られ、口に猿ぐつわをされた状態で発見された
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客引き禁止区域でパトロール 静岡市葵区、市と中央署が合同で
静岡市と静岡中央署は23日夜、同市葵区の繁華街で客引き行為禁止指導を目的とした合同パトロールを実施した。市職員や警察官ら約10人が巡回し、違法な客引き行為をした若者に対して市条例に基づき計3件の勧告を行った。 客引き行為禁止等区域内の両替町通りや呉服町通りを歩き、「居酒屋どうですか」などと声を掛けてきた若者の氏名などを聞き取った。違反を繰り返した場合は罰金5万円が科せられ、行為者の氏名や店舗名を公表することをその場で忠告した。 違法な客引きは安全で快適な生活環境を乱し、地元商店街への営業妨害につながる恐れがある。市生活安心安全課の仲沢直樹さんは「違法な客引きを利用しないように気をつけてほ
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1団体14個人 地域安全に貢献 静岡中央署が感謝状
静岡中央署は22日、警察業務支援や防犯、交通安全などの活動に尽力した1団体14個人に署長感謝状を贈った。 静岡市葵区本通5丁目の元町内会長、杉山好弘さんは2005年に暴力団事務所を撤退に追い込むなど長年にわたり暴力追放を推進。10月下旬に84歳で亡くなり、贈呈式には家族が代理出席した。 団体表彰された社会福祉法人「天心会」は、デイサービス送迎車両が空いた時間帯を活用し、青色回転灯を装着して防犯パトロールを行うなど地域安全への取り組みが評価された。受賞者は北沢博署長から感謝状を受け取った。 そのほかの功労者は次の通り。 岩瀬博昭、増田玲司、秋山邦夫、溝口まゆみ、田形和幸、酒井公夫、杉田
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歩行者事故防止 静岡駅で街頭啓発 県安協静岡中央地区
静岡県交通安全協会静岡中央地区支部の女性部は20日、歩行者の事故防止を呼びかける街頭啓発活動をJR静岡駅で実施した。年末の交通安全県民運動の一環。 部員をはじめ交通安全指導員、静岡中央署員ら約40人が参加した。駅構内でチラシなど啓発品約500個を駅利用者らに配布し、歩行者には夜間の反射材着用、ドライバーには夕暮れ時の早めのライト点灯や飲酒運転撲滅を訴えた。横断歩道の正しい渡り方なども解説し、交通マナー向上を促した。 一部のメンバーはサンタクロースの帽子を着用して活動した。金原篤子部長は「夜間は明るい服装や反射材を身に着け、安全を守ってほしい」と呼びかけた。
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交通安全宣言書、静岡南署に提出 中電グループなど
静岡市駿河区の中部電力パワーグリッド静岡営業所と同社静岡電力センター、静岡ガス静岡営業所はこのほど、交通安全宣言書を静岡南署に提出した。 各社従業員が、車や自転車の安全運転をはじめ、交通規範への意識を高めることを宣誓。中電パワーグリッドの2社が261人分、静岡ガスが239人分の宣言書をそろえた。地域の安全な暮らしを守るエネルギー事業者として、各社の代表者がそれぞれ「飲酒運転をしない、させない」と述べ、決意を新たにした。 大村彦彰署長は、「管内は交通事故の発生件数が昨年よりも増加している。減らす取り組み、意識が欠かせない」と協力を求めた。
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交通安全マップ 静岡県などに贈呈 あいおい静岡支店
あいおいニッセイ同和損害保険静岡支店は16日、車両走行データを反映した「テレマティクス交通安全マップ」を県など3団体に贈った。車が急加速しやすい場所などを地図上で示し、事故防止に向けて道路標識の設置や通学路の選定といった交通行政に役立ててもらう狙い。 同社は県とTOKAI(静岡市葵区)、特種東海フォレスト(島田市)と連携して9月に1カ月間、安全運転イベントを実施。参加者約120人にスマートフォンと連動した車載器を貸与し、車両の動静データなどの収集分析を進めてきた。 作成したマップは県庁と両事業所の周辺を対象範囲とし、運転手が急ハンドルを切る傾向が高い交差点や、車間距離が縮まりやすい地点な
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飲酒運転許さない 葵区で取り締まり 静岡中央署
静岡中央署は16日夜から17日朝にかけて、飲酒運転の取り締まりを静岡市葵区の複数箇所で行った。年末の交通安全県民運動の一環。 検問は午後10時から翌午前6時まで実施。交通事故や酒気帯び運転の事案が多発傾向にある地域を重点的に行った。 同区鷹匠2丁目の県道静岡環状線(通称・つつじ通り)では、署員約20人が車両を一時停止させ、検知器でドライバーのアルコール濃度を測定した。運転免許証の不携帯なども取り締まった。 署員は「年末になり飲み会の機会が増えるが、お酒を飲んだ後は絶対に運転しないで」などと注意を呼びかけた。
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年金支給日に啓発活動 静清信金 特殊詐欺撲滅へ
静清信用金庫は15日、年内最後の年金支給日に合わせて特殊詐欺の被害撲滅キャンペーンを全37店舗で実施した。 静岡市葵区の研屋町支店では、来店者に日頃の感謝を込めてポインセチアなどの花を贈るとともに、特殊詐欺への注意喚起を求めるチラシを配布した。職員らが「キャッシュカードや現金は他人に渡さないで」などと呼びかけた。 活動には静岡中央署員や地域安全推進員も参加。支店の出入り口付近で振り込め詐欺電話の見極め方などを紹介した。 同支店営業係の上原早織さん(24)は「市民の安全な暮らしと財産を守るためにも詐欺被害対策に貢献していきたい」と語った。
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金融機関5店舗 特殊詐欺の被害防止 静岡中央署が感謝状
特殊詐欺事件の被害防止に貢献したとして静岡中央署は12日、静岡市葵区の金融機関5店舗の職員らに署長感謝状を贈った。 功労者は、JA静岡市千代田支店の森京子さんと島田掛川信用金庫静岡支店の小針麻里奈さん、静岡銀行新通支店の望月絵美さん、静岡羽高郵便局の押野清局長と坂本秀人さん、清水銀行千代田支店の片桐奈保さん。 6人は9月27日から10月28日までの間、来店した高齢者らが不審な振り込みや送金の手続き、高額な出金などをしようとしたため理由を尋ね、詐欺被害が疑われたことから警察に通報した。その後、警察の捜査で来店者は詐欺事件に巻き込まれていることが発覚。機転が利いた接客と声掛けが功を奏し、被害
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⚾プロ野球の世界へ一歩 静岡で教室、現役選手から一流技術
日本プロ野球選手会は10日、野球人口の拡大を図るためのソフトボール教室を同市葵区の竜南小で開いた。市内のソフトボールチーム所属の小学生ら約80人が参加し、現役のプロ野球選手から一流の技術を学んだ。 講師はいずれも同市出身で、福岡ソフトバンクの杉山一樹投手(駿河総合高出身)と横浜DeNAの森敬斗内野手。打撃練習では実演を交え、的確にボールを捉える方法を伝えた。 子どもたちは守備でゴロを捕球する際の正しい姿勢や投球フォームの指導も受けた。両選手に積極的に質問を繰り返す姿も見られ、真剣な表情で白球を追いかけた。 森選手は「練習を積み重ねれば必ず上達する。大舞台で活躍する姿を想像しながら努力し
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台風15号の教訓生かせ 夜間の事前避難、迅速に 川根本町久野脇地区で訓練
甚大な大雨被害をもたらした9月末の台風15号は深夜に猛烈な雨が降り、事前避難行動の重要性を浮き彫りにした。その教訓を踏まえ、被害に見舞われた川根本町の久野脇地区自治会は3、4の両日に行われた地域防災訓練で夜間の事前訓練を実施した。避難時の二次被害リスクや避難を始める適切なタイミングを考える契機となり、自治会として避難所を開設する判断基準を見直すことを決めた。 暗闇に包まれた3日午後7時ごろ。同地区で暮らす約80世帯の住民が、懐中電灯を片手に慎重な足取りで指定避難所の公民館に向かった。深夜に大雨災害の危険性が高まる恐れがあると想定。停電が発生したとして自宅の電気を消灯し、その10分後に避難を
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3部門18人、10校表彰 しずおか新聞感想文コンクール
しずおか新聞感想文コンクール(静岡新聞社・静岡放送主催)の表彰式が10日、静岡市駿河区登呂の静岡 新聞放送会館で開かれた。小中高の3部門で入賞した18人と10校を表彰した。 本年度の応募数は6310点。最優秀賞の礒部葵衣さん(掛川市立第二小6年)、小野拓美さん(静岡大付属静岡中1年)ら各受賞者に、静新会の内浦正夫会長、池上重弘県教育長らが賞状や盾を手渡した。 受賞者の作品はロシアのウクライナ侵攻や新型コロナ禍、地球温暖化などをテーマに、自身の体験を交えながら意見や考えを主張した。審査員長の柴雅房県立中央図書館長は「疑問は納得できるまで調べ、さまざまな体験をすることで本当の知識になる。受賞
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犯罪被害者支援 連携強化へ議論 静岡南署
静岡南署はこのほど、犯罪被害者支援連絡協議会を同署で開いた。犯罪に巻き込まれた被害者や遺族の社会復帰を後押しするため、連携体制の強化を図った。 協議会は会長の大村彦彰署長をはじめ、署幹部や医師、弁護士、市職員の外部委員ら計15人で構成。事件の想定事例を用いて、必要な経済的支援や被害者側の精神的負担を軽減させる方法について意見を交わした。 国や県の犯罪被害者支援に関わる制度や課題も情報共有し、地域一体となって支援していくことを確認した。大村署長は「犯罪被害者が受けるショックは大きい。経済面と精神面の支援が必要になる」と協力を呼びかけた。
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犯罪被害者支援 広がる条例制定 半数市町は未整備で格差も
静岡県内で犯罪被害者の支援に特化した条例を制定する自治体が増加している。11月現在、全35市町のうち19市町が支援条例を設け、見舞金の支給制度を定める。被害者の社会復帰を後押しするには経済的支援や周囲の理解が欠かせない。関係者からは「県内全域で支援体制を確立し、被害者保護に理解を深めてほしい」との声が上がる。 2019年7月、沼津市のスナックで殺人未遂事件が発生し、男女2人が腹部を刺され重傷を負った。事件後、被害者のうち支援条例がある長泉町に住む男性は町に見舞金を申請し、10万円を受け取った。一方、沼津市の女性は治療や防犯対策などに約200万円を費やしたが、当時は市に条例がなかったため経済
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更生保護活動に尽力 静岡で顕彰式典
静岡県保護司会連合会などは7日、更生保護活動に尽力した個人・団体をたたえる本年度の県更生保護顕彰式典を静岡市葵区の市民文化会館で開いた。 2021、22年に叙勲瑞宝双光章、藍綬褒章を受章した保護司ら11人に記念品を贈った。法務大臣表彰などを受けた功労者に対しては、壇上で表彰伝達が行われた。式典長を務めた同連合会の加藤良玄会長は「刑法犯の認知件数は減少しているが、再犯率は高い水準にある。更生保護活動への充実発展に励みたい」とあいさつした。 叙勲、褒章の受章者は次の通り。 加藤広(松崎)加藤良玄(島田)宇畑良三(熱海)小出弘子(藤枝)石川汎俔(浜松市北)小笠量敬(南磐田)村松繁博(浜松市浜
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AI活用 内視鏡医療を解説 静岡で学会、若手育成へセミナー
日本消化器内視鏡学会東海支部はこのほど、医療技術の発展や若手育成を図る例会を静岡市駿河区のグランシップで開いた。臨床事例や研究が報告されたほか、人工知能(AI)を活用した最先端の内視鏡医療に関するセミナーなどが行われた。 東海4県から内視鏡診療に携わる内科医、外科医約400人が参加した。AIメディカルサービス(東京都)の多田智裕代表取締役は、医師が検査で胃がんを見逃すリスクを防ぐAIシステムを紹介。胃がんを発見する能力は人よりも優れているとし、「医師の負担軽減につながり、技術を世界に広めれば日本の成長産業になる」と述べた。 同支部の会長を務める藤枝市立総合病院の丸山保彦副院長は「AIは医
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老人ホームにウエス590枚寄贈 常葉大橘中生徒会
静岡市葵区の常葉大付属橘中の生徒会が6日、汚れなどを拭き取るための布「ウエス」590枚を同区の特別養護老人ホーム竜爪園に寄贈した。社会福祉貢献活動の一環。 生徒会が11月下旬から約2週間かけて、全校生徒と教職員から家庭で余った古布などを集めた。2年の望月心愛会長が同施設を訪れ、ウエスを詰めた箱を山内章泰園長に手渡した。施設では徹底した衛生管理が求められ、清掃などに役立てるという。 同校は福祉教育に力を入れており、ウエスの寄贈ボランティアは14年目。望月会長は「コロナ禍で高齢者に直接的な支援はできないが、少しでも役に立ててもらえればうれしい」と述べた。
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交通安全運動へ委員28人に停止灯 静岡南署など
静岡南署などは30日、年末の交通安全県民運動(12月15~31日)に向け、地域交通安全活動推進委員への活動物品の貸与式を同署で行った。 交通指導などを行う際に使用する棒形の赤色停止灯を委員28人に貸与した。LEDライトが備え付けられ、夜間帯も使用できる。県交通安全協会静岡南地区支部の支援を受けて用意した。 委員らは日頃から取り組んでいる街頭見守り活動や、同署管内(静岡市駿河区)の交通事故発生状況などを踏まえ、今後の活動方針について意見を交わした。 停止灯を坪井英明会長に手渡した大村彦彰署長は「交通事故を減らすためには委員の活動が欠かせない」と協力を求めた。
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交通安全に貢献 功労者ら表彰 静岡市葵区
静岡県交通安全協会静岡中央地区支部と静岡中央地区安全運転管理協会はこのほど、交通安全功労者への合同表彰式を静岡市葵区の市民文化会館で開いた。長年にわたり無事故・無違反を続けた運転者や交通安全活動に尽力した個人・事業所に表彰状を手渡した。 主な個人、団体は次の通り。 【関東管区連名賞】優良安全運転管理者 河辺雄治(河辺商事)▽交通安全優良事業所 山本建材【交通栄誉章緑十字銅章】優良安全運転管理者 斉藤康行(ホウコク生コン)手塚泰宣(梅薫楼)鈴木裕之(理仁薬品)
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エスパルス選手とサッカー交流 プロの心構えや技術学ぶ 静岡市葵区の駿府学園
静岡市葵区の少年院「駿府学園」は24日、清水エスパルスの今泉幸広コーチや山原怜音選手らを講師に招いたサッカー教室を同施設で開いた。在園する16~19歳の少年7人が参加し、人生の目標に向かって努力する大切さを学んだ。 講話した今泉さんは、高校時代にブラジル留学した経験を紹介。プロ選手になった現役時代も含めて何度もくじけそうになったことを振り返り、「支えてくれる家族や仲間、恩師への感謝の思いがあったから乗り越えられた」と語った。少年たちに対しては「苦しいことがあっても決して夢を諦めないで」と呼びかけた。 その後、体育館で県更生保護女性連盟の会員が見守る中、山原選手を交えてサッカーの試合などを
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磐田の石田さんにフォト最優秀賞 トヨタユナイテッド静岡「キラキラ探検隊」 静岡で表彰式
トヨタユナイテッド静岡は20日、県内15エリアで実施した地域活性化イベント「リアル宝探し ユナイトキラキラ探検隊」(静岡新聞社・静岡放送共催)のフォトコンテスト表彰式を静岡市葵区の同社研修センターで開いた。最優秀賞は、伊東市の小室山公園を訪れ、家族5人で記念写真を撮った磐田市の石田麻友さん(37)一家が輝いた。 イベントは県内の観光施設や公園を問題を解きながら周遊し、地域の歴史文化などを学んだ。約2万人が参加した。 フォトコンテストは関連事業として開催し、訪れた先々で撮影した思い出の写真を募集した。計408点が寄せられ、社員が投票で11点の入賞作品を選出した。 表彰式で鈴木康一取締役専
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ニュース時事能力検定 静岡で30人挑戦 2023年2月にも
ニュース報道を読み解き、活用する力を養う「ニュース時事能力検定試験」(日本ニュース時事能力検定協会、静岡新聞社・静岡放送など主催)が20日、JR静岡駅ビルパルシェで行われた。 8歳から80歳までの約30人が受検した。難易度に応じて1~5級まで計6段階に分類され、政治や経済などさまざまな分野から出題された。 受検者は真剣な表情で取り組み、制限時間を気にしながら問題を解き進めた。 検定の正解発表は25日、合否発表は12月19日。 2023年2月は2級、準2級試験 応募1月27日まで 時事問題への理解度を測る「ニュース時事能力検定試験(ニュース検定)」(静岡新聞社・静岡放送など主催)が来
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新静岡セノバ、不審者対応訓練 静岡中央署と連携
静岡市葵区の商業施設「新静岡セノバ」は15日、静岡中央署と連携して不審者対応の防犯訓練を館内で行った。従業員ら約20人が参加し、110番してから犯人を制圧するまでの流れを実践した。 刃物を所持した男が3階フードコートに出没し、来館者1人を襲った-と想定。館内の従業員は来館者の避難誘導と並行しながら負傷者を救助し、緊急時の役割分担や行動を確認した。巡回中の警備員も現場に駆け付け、臨場した警察官とともに刺股や特殊警棒を使って不審者の身柄を取り押さえた。 訓練後、同署の永田一吉地域課長らが不審者対応の注意点などを解説した。同施設を運営する静鉄プロパティマネジメントセノバ事業部防災センターの望月
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高齢者 交通事故防止学ぶ 静岡市「みのり大学」
静岡市が社会教育事業として実施する高齢者学級「みのり大学」の城内学級が10日、交通安全教室を同市葵区のアイセル21で開いた。60歳以上の市民約30人が参加し、歩行者の事故防止対策をはじめ、車や自転車の運転マナーについて理解を深めた。 静岡中央署交通課の署員と県交通安全協会静岡中央地区支部の交通安全指導員が講師を務めた。参加者は道路横断を疑似体験できるシミュレーション装置「わた郎君」を使い、歩行者と運転手の双方の事故リスクを体感した。雨天や夕暮れ時などそれぞれの状況に応じて、想定される事故の危険性や対策を学んだ。 交通安全指導員は「日没が早まる冬は反射材などを着用してほしい」と訴えた。車や
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大地震想定し消防訓練 静岡市と市消防局、初動対応など確認
静岡市と市消防局は11日、消防訓練を市役所静岡庁舎で行った。職員約70人が参加し、火災発生時の初動対応や情報伝達などの連携手順を確認した。 大規模地震が発生し、庁舎6階から出火したと想定。はしご車で7階から要救助者を降ろし、救護拠点も設置した。 職員は水消火器を使って消火訓練に取り組んだほか、煙が充満した建物内を再現した「スモークハウス」を体験するなど防火意識を高めた。 市管財課の青島洋之課長補佐は「訓練で見つかった反省点を改善しながら火災対応の経験や知識を蓄積していきたい」と述べた。
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119番通報者から動画受信 静岡市消防局、システム試験運用
静岡市消防局は9日、火災や事故の現場などで119番通報した住民から、スマートフォンで動画映像を受け取るシステム「Live(ライブ)119」の試験運用を始めた。従来の口頭のみの対応と比べ、現場の状況を正確に把握できるほか、通報者にけが人の的確な処置方法を指導できるのが利点。2023年4月の本格運用を目指す。 同システムは、通報を受けた消防指令センターの担当者が通報者に動画提供に関する同意を求めた上で、相手のスマホやタブレット端末に専用URLをショートメッセージで送信する。通報者は専用サイトに接続後、手元の端末ビデオ機能を活用し、現場のリアルタイム映像を消防指令センターや現場に向かう隊員と共有
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地質調査向上へ ジオフォーラム開催 静岡
土木建築の業者などでつくる静岡県地質調査業協会はこのほど、会員の技術向上を目的とした「ジオフォーラム」を静岡市葵区で開いた。県と民間6社が盛り土や土壌汚染に関する調査技術を発表した。 静岡コンサルタント(三島市)の天野照久さんは、谷に造成された盛り土の地盤調査の事例を紹介した。地層構成や地下水位のボーリング調査のほか、盛り土の変動状況を把握するための動態観測などを行うことで、地震発生時の滑動崩落の危険性を検証したことを説明した。 汚染物質が検出された土壌の調査やダムの耐震性評価方法についての発表もあり、参加者は相互理解を深めた。 同会の松浦好樹会長は、熱海市伊豆山で発生した大規模土石流
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葵区で慰霊祭 物故者しのぶ 静岡・あいネットグループ
冠婚葬祭業あいネットグループは29日、会員を対象とした本年度の静岡地区物故者合同慰霊祭を静岡市葵区の平安ホールで行った。 同市葵、駿河両区で1年間に亡くなった会員の遺族ら約110人が参列した。読経の中、参列者は順番に祭壇に献花して故人を追悼した。 同社の杉山茂之社長は「天寿を全うした方や志半ばで旅立たれた故人もいる。これからも人のつながりを大切にしていきたい」とあいさつした。
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大賞に市川さん 日常の風景描く 静岡市美術家協会展
第18回静岡市芸術祭の市美術家協会展(静岡新聞社・静岡放送後援)が26日、同市葵区の市民文化会館で始まった。30日まで。 同会の会員が油彩画や日本画、版画、彫刻、工芸作品など79点を出展。最高賞の大賞は、同区の市川貞夫さんの作品「朝の店内」が選ばれた。日常風景の一部として、道具や物であふれた倉庫で談笑する孫の様子を描いた。 会場には色彩豊かで個性あふれる作品が並び、来場者を楽しませている。 そのほかの受賞者は次の通り。 協会賞 大沢弘叔(清水区)浦田明宏(葵区)瀧貴美枝(清水区)安本良雄(葵区)▽市長賞 志村祥子(清水区)▽静岡新聞社賞 乾武綱(清水区)▽静岡放送賞 坂本雅子(葵区)
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声高らかに伝統民謡 静岡・葵区 愛好家が成果披露
静岡県内の民謡愛好家でつくる団体「杉の子会」は23日、練習の成果を発表する「おさらい会」を静岡市葵区のもくせい会館で開いた。子どもから80代のベテランまで約30人が登壇し、「ちゃっきり節」や「大井川蓮台越し唄」など県内の伝統民謡を披露した。 出演者は尺八や三味線の演奏に合わせ、こぶしが利いた力強い声を響かせた。最年少の大木美空さん(5)は母の悠希さんと登場し、「静岡舟上げ唄」を堂々と歌い上げた。 大正時代初期の安倍川の氾濫で、復旧工事の際に歌われた「安倍川粘土つき唄」を全員で合唱し、民謡継承への決意を新たにした。 同会代表で、SBS学苑パルシェ校で講師を務める杉山孝雄さん(81)は「民
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臓器移植ポスターコンクール 山下さん(静岡末広中)ら金賞 静岡県腎臓バンク
静岡県腎臓バンクは20日までに、2022年度臓器移植ポスターコンクール「いのちのリレー」の入賞者を発表した。県内の児童生徒、学生、一般市民から計177点の応募があり、入賞作品12点が選ばれた。 金賞は山下峰桜さん(静岡末広中3)、尾上まりさん(沼津市立高中等部2)、太田悠里奈さん(掛川大須賀中2)、鈴木真生さん(浜松北浜中1)の4人。移植医療は“いのちのリレー”と呼ばれ、個性あふれるデザインで相手を思いやる優しさや命の大切さなどを表現した。 表彰式は23日に浜松市中区の市福祉交流センターで行われる。応募作品は11月から県内16医療機関を巡回展示する。 ほかの主な
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美しい音色や歌声響く 静岡県演奏家協会静岡第1支部 静岡市葵区でコンサート
静岡県演奏家協会静岡第1支部は16日、「オータムコンサート」(静岡新聞社・静岡放送後援)を静岡市葵区の札の辻クロスホールで開いた。 主に同市で活動する演奏家や声楽家の会員6人が出演。世界各国の音楽家が手がけた名曲を披露した。 クラリネットが奏でる軽やかな曲で幕を開けると、ドニゼッティの楽曲が独唱で披露され、ベートーベンのピアノ独奏などが続いた。 会場には美しい音色や力強い歌声が響き渡り、聴衆約160人を魅了した。
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静岡県産食材で浙江料理 友好提携40年、静岡で食文化に親しむ会
静岡県と中国浙江省の友好提携40周年に合わせ、両自治体の食文化に親しむイベントがこのほど、静岡市駿河区のホテルで開かれた。中国の紹興酒の製造会社2社が企画し、県内外の約110人が舌鼓を打った。 参加者は計6種の紹興酒を飲み比べながら県産食材を使った浙江料理を堪能した。 中国で2400年以上前から受け継がれてきた紹興酒は、世界三大美酒と称される。参加者は紹興酒の伝統製法をはじめ、発祥地の同省紹興市の歴史や日本との縁についても学んだ。
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高齢者ら300人骨密度など測定 静岡で健康福祉フェア
静岡市駿河区の大谷・久能地区民生委員児童委員協議会は15日、健康福祉フェアを同区のシーサイド大谷公民館で開いた。高齢者ら約300人が訪れ、健康測定や認知症予防の体操を体験した。 同地区の民生委員らが中心となって取り組む地域の見守り活動開始から10周年を記念したイベント。地域包括支援センターをはじめ、市や医療事業者などが協力した。 参加者は機器で骨密度や脈圧などを測定し、スタッフが健康相談に応じた。レクリエーションなども用意され、住民同士が交流を深めた。 同協議会の大石三枝子会長は「健康で助け合いできる地域づくりを今後も進めていきたい」と述べた。
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高級輸入車の乗り心地体験 静岡でモーターフェア
輸入車の展示会「プレミアムワールド モーターフェア2022」(静岡新聞社・静岡放送後援)が15日、静岡市駿河区のツインメッセ静岡で始まった。16日まで。入場無料。 県内に販売店を置く輸入車正規ディーラー11社が参加。ドイツやイタリアなどの世界を代表する有名ブランドの約50台が並ぶ。 来場者は各ディーラーの担当者から説明を受けたり、運転席に座って乗り心地を体験したりして高級車の魅力に触れた。 ミニチュアカーのほか、スーパーカーの展示も愛好家から人気を集めた。
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記者コラム「清流」 「水」に流してはならぬ
「魚の水に離れたよう」。この慣用句は陸に上がった魚のように唯一の頼りである水を失い、どうすることもできない状況を言い表している。先日の台風15号では静岡市清水区で約6万3000世帯が断水し、市民が水を求めて給水車に長蛇の行列を作った。 水にまつわる慣用句は他にもある。「水濁れば則ち尾をふるうの魚なし」。濁った水中で魚は自由に泳ぎ回れない様から、政治が正しく機能しなければ人々の生活は困るとの意味につながった。台風被害の対応を巡っては、川勝平太知事と田辺信宏市長の連携不足が支援の遅れを招いたと市民から怒りの声が上がる。 県と市は一連の災害対応が適切だったのか徹底した検証をすべきだ。次の災害に
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ふじのくに未来財団に50万円 静清信金が寄付
静清信用金庫は11日、ふじのくに未来財団に寄付金50万円を贈った。静岡市葵区の同信金本店で行われた贈呈式で、佐藤徳則理事長が同財団の土屋優行代表理事に目録を手渡した。 社会課題の解決を図る団体などを支援する取り組み。8月までの2カ月間、期間限定で販売した「SDGs応援定期預金」の売り上げの一部を充てた。佐藤理事長は「より良い地域社会の発展のために有効活用してほしい」と述べた。
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障害者福祉施設がカレンダー原画展 静岡・葵区
静岡市葵区の障害者福祉施設「ラルシュかなの家」によるカレンダー原画展が19日まで、同区の県教育会館で開かれている。 20~60代の施設利用者が制作し、2023年版カレンダーに掲載する原画約20点を並べた。作品は絵の具を用いて英字新聞にイラストを描いたり、白紙に複数の色を塗って色彩の世界を表現したりして作者の独創性が来場者を楽しませている。 利用者は寺沢節雄静岡大名誉教授(美術教育学)から毎月、絵画の指導を受け、技術を磨いてきた。カレンダーは1冊550円で同施設またはオンラインで販売している。
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清水区の台風被災現場視察 参院災害対策特別委 興津川取水口など確認
参院災害対策特別委員会の委員8人が13日午前、台風15号の記録的な大雨の影響で甚大な被害を受けた静岡市清水区の被災現場を視察した。 約6万3千世帯の断水を引き起こした興津川の承元寺取水口施設では、約20分間にわたって被害状況を確認。河川増水によって開口部に大量の流木などが詰まり、源流を取水できなくなった原因について市の担当者から説明を受けた。すでに取水機能は復旧しているが、施設構造などを踏まえ、必要な断水防止策などを検討した。 水管橋の崩落現場や土砂災害に見舞われた山間部の集落なども見て回った。 委員らは同日午後、静岡市役所静岡庁舎で田辺信宏市長や出野勉県副知事と意見交換する。
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稲刈り体験 家族で楽しむ 静岡市駿河区でトロべーウィーク
静岡市駿河区の地域活性化を図ろうと初めて企画されたイベント「トロベーウィーク」が8日、同区役所と登呂遺跡周辺で始まった。区内の企業や学校など約20団体が参加して15日までの8日間、マルシェや体験教室など多彩な催しを展開する。 初日は同遺跡で秋の豊作を祝う「登呂まつり」が開かれた。弥生時代の復元水田では、家族連れが稲刈り体験を楽しんだ。施設内に特設したステージでは、ダンスや楽器演奏などが披露された。 期間中に指定された施設を巡るスタンプラリーも行われている。
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社会問題解決策を議論 静岡大、地域と連携プロジェクト
静岡大未来社会デザイン機構は8日、地域や企業との連携を深めるプロジェクト「チャレンジ2030」のキックオフミーティングを同大で開いた。 教職員や学生ら約15人が参加し、それぞれ将来に向けて解決したい社会問題や取り組みたい活動を紹介。テーマは過疎地の農業振興や女性の活躍推進など多岐にわたり、参加者同士で解決策を議論した。出された意見はプロジェクトの具体的活動に生かしていく。 同大は同プロジェクトの一環で2020年12月から、松崎町の地域活性化に携わっている。ミーティングに参加した同町の深沢準弥町長は「課題山積の過疎自治体にとって、大学の知見を生かせるのは大きい」と語る。 副機構長の竹之内
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災害情報、多言語で発信 7カ国語でSNSに 静岡市国際交流協会
静岡市国際交流協会はこのほど、大規模災害時に情報を外国語に翻訳する「多言語支援センター」の設営訓練を市役所静岡庁舎で行った。災害ボランティアとして通訳業務に携わる外国人防災リーダーら約30人が参加。市内の被害状況や生活支援情報を7カ国語に訳し、SNSで発信する流れを実践した。 南海トラフ巨大地震の発生で甚大な被害に見舞われてから3日が経過し、市内約260カ所に避難所が開設された-と想定。翻訳担当の広報班は台風15号で市が実際に発表した情報を用いながら、給水所の配置やライフラインの復旧状況などを英語、中国語、フィリピン語、ネパール語などに訳し、フェイスブックの専用ページに掲載した。文書の漢字
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交通事故、悲惨さ語り継ぐ 生命のメッセージ展 静岡・駿河区役所
交通死亡事故の凄惨(せいさん)さと命の大切さを語り継ぐ企画「生命(いのち)のメッセージ展」が14日まで、静岡市駿河区役所で開かれている。飲酒や危険運転による事故で亡くなった若者の等身大パネル20体を並べ、違法な運転による事故の被害が二度と繰り返されないように犠牲者の生涯や遺族の深い悲しみを紹介している。 パネルはメッセンジャーと呼ばれ、突然の事故で命を奪われた人の思いを伝えている。犠牲者の顔写真を載せ、床には生きていた証しとして当時履いていた靴を添えた。遺族が最愛の子どもに宛てた手紙のほか、飲酒運転の根絶や犯罪事故の厳罰化を訴える声も紹介している。 同展は県が交通安全意識の向上を呼びかけ
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事件解決や被害防止 静岡中央署、1個人2団体に署長感謝状
死体遺棄事件の早期解決と特殊詐欺被害の未然防止に貢献したとして静岡中央署は29日、1個人2団体に署長感謝状を贈った。 静岡市葵区の新聞配達員秋田昭子さん(74)は8月中旬、業務中に高齢女性宅の郵便受けに数日分の新聞がたまっているのを不審に思い、すぐ同署に通報。警察官が捜査したところ、室内で高齢女性の遺体が発見された。 ゆうちょ銀行静岡店と静岡城北郵便局は、それぞれ高額現金を出金しようとした高齢者の詐欺被害を防いだ。両店舗の職員が機転を利かせて現金の使途を尋ねたところ、詐欺の犯行組織にだまされていることが分かった。 秋田さんと両店舗の代表者に感謝状を手渡した北沢博署長は「市民の力によって
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怒りの声「市街地だけではない」 清水区山間地「支援届かず」「限界近い」 台風15号豪雨災害
台風15号による土砂災害に見舞われた静岡市清水区の山間地の一部集落は、被害発生から5日が経過した28日も生活再建の見通しが立っていない。市などから支援が届かず、住民からは「忘れ去られている」と焦りの声が上がる。 同区の市街地から車で約40分の布沢地区。約45世帯が暮らし、24日未明の台風の大雨で大量の土砂と濁流が集落を襲った。 「災害支援を待っているが、全然来ない」。最初に出会った安永菜里さん(47)は開口一番に窮状を打ち明けた。自宅の隣を流れる川が氾濫し、床下が浸水。家族の車も全て濁流に巻き込まれた。安永さんは持病を患っているが、病院や買い物にも行けない。備蓄していた食料も残りわずかで
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川勝知事、内閣府副大臣 断水の清水区を視察 取水口被害など確認
川勝平太知事と星野剛士内閣府副大臣が27日午前、台風15号による影響で大規模な断水被害を受けた静岡市清水区の被災現場を視察した。断水の原因となった興津川の承元寺取水口をはじめ、崩落した水管橋の被害状況などを見て回った。 同取水口施設では市の担当者から説明を受け、約30分間にわたって復旧活動の進捗(しんちょく)状況を確認。取水口の開口部をふさぐ障害物は早ければ28日に撤去が完了し、10月初旬には区内全域に送水できる見込みであることを伝えられた。ただ、取水口の奥部などには大量の土砂が堆積し、表流水が取水可能になっても復旧工事はしばらく続く見通し。 市は27日から県の工業用水や井戸水を応急的に
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安全運転へ宣誓書 静岡中央署に提出 静岡鉄道
秋の交通安全運動に合わせて静岡鉄道(本社・静岡市葵区)は22日、従業員625人が交通安全への誓いを記した宣誓書を静岡中央署に提出した。交通事業者として交通ルール順守や飲酒運転を根絶することを誓った。 同社の阿南雄介総務部長が同署を訪れ、北沢博署長に宣誓書の束を手渡した。「安全意識を忘れず、飲酒運転は絶対に許さない」と述べ、交通違反防止に向けて決意を新たにした。 北沢署長は、気の緩みが交通事故を招く大きな原因になると指摘し、「高い交通安全意識が社内にとどまることなく市内全域に広まってほしい」と期待を寄せた。
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英語スピーチ披露 静岡県高校コンテスト、中部地区予選に27人
静岡県高校英語スピーチコンテスト中部地区予選(静岡新聞社・静岡放送後援)がこのほど、静岡市葵区の静岡高で開かれた。県中部の高校生27人が自作のスピーチを披露し、上位入賞者6人が県大会出場を決めた。 英語圏の海外生活経験がない生徒を対象とした第1部と、海外生活経験の有無を問わない第2部に分かれて実施した。環境問題や孤独死などテーマは多岐にわたり、審査員が内容や発音などを評価した。県大会は10月15日に行われる。 入賞者は次の通り。 第1部 ①大石三貴(藤枝明誠)②村田萌佳(市立静岡)③池谷杏奈(藤枝明誠)④山下真実(市立静岡) 第2部 ①中北恒子(静岡英和女学院)②今井梨都(藤枝東)
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「苦しむ前に周囲頼って」 悩み、SOSの発し方解説 静岡
静岡市は16日、ストレスや悩みを抱えた時のSOSの発し方を教える講義を同市駿河区の駿河総合高で行った。自殺予防週間(10~16日)に合わせた事業の一環。市こころの健康センター所長で精神科医の大久保聡子さんが講師を務め、1年生約240人が参加した。 大久保さんは学生時代、将来への不安を誰にも相談できずに苦しんだ経験を紹介した。一人で悩み続けると孤独感が深まるとし、「家族や学校で信頼できる人を探して、苦しむ前に悩みを打ち明けてほしい」と訴えた。 近年、若者がインターネットを利用する中で犯罪に巻き込まれるケースが増加していることを踏まえ、大久保さんは「SNSに頼るのではなく、親身に相談に乗って
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火災予防、絵で訴え 静岡市消防局 ポスター審査
静岡市消防局は14日、市内の消防クラブ員を対象とした防火ポスターの審査会を同市駿河区で開いた。 「幼年」と「少年少女」の2部門に計95点の応募があった。ポスターには消防車や放水活動する消防士、家屋を包み込む真っ赤な炎が描かれ、子どもたちが火災予防の大切さをイラストで表現した。秋山義隆市消防局長ら5人が審査員を務め、独創性や訴求力などを評価した。 応募作品は11月9~13日に静岡市葵区の静岡市役所市民ギャラリーに展示されるほか、入賞作品を含む計12点を県審査会に出品する。 入賞者は以下の通り。 【幼年の部】金賞 良知夏奈(下川原こども園)▽銀賞 奥寺璃音(同)、安本湊哉(平和幼稚園)▽
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広域災害への備え議論 静岡で中部地域づくり講演会
本県などの防災インフラ機能の充実を目指す中部地域づくり協会は13日、広域災害に備えた国土整備や対策を紹介する講演会を静岡市駿河区の県男女共同参画センターあざれあで開いた。防災関係者ら4人が登壇し、先進事例や課題を解説した。 県交通基盤部の太田博文部長は南海トラフ巨大地震に備え、本県を通る二つの高速道路のほかに、静岡空港や伊豆縦貫道を生かした交通ネットワーク拡大を進めていると説明。県は、地形や建物などの形状を立体的に表現する「3次元点群データ」をインターネット上で公開していて、災害復旧工事やビジネスに利活用できることも明かした。 日本プロジェクト産業協議会の松本伸氏は、静岡市清水区由比地区
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高校生ICT活用議論 11月、都内で全国サミット 静岡
高校生が情報通信技術(ICT)の活用について議論する「高校生ICTカンファレンス」が11日、静岡市駿河区の中村学園専門学校静岡電子情報カレッジで開かれた。県内5校から21人が参加し、「デジタル社会における学び方と学びの場」をテーマに意見を交わした。 ICTを駆使した社会課題の解決方法について考えた。教育現場でのICT導入に、高校生からは「学習の効率化につながる」と肯定的な意見が相次いだ。ただ、オンライン授業などの増加により、非対面化が進むことを危惧し、「学校に登校して友達と協調性を育み、対人関係を築くことも大切」と慎重な声もあった。 11月には東京都内で同カンファレンス全国サミットが開催
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陸海空、官民の連携検証 3年ぶり静岡県総合防災訓練、南海トラフ想定2万5千人参加
南海トラフ巨大地震の発生を想定した県総合防災訓練が4日、新型コロナウイルス禍で3年ぶりに行われた。島田市、牧之原市、川根本町、吉田町を会場とし、自主防災組織や警察、消防、自衛隊など計約2万5千人が参加。大井川流域で災害拠点病院の運営や支援物資搬送などの訓練を繰り広げた。 陸、海、空の各方面から支援に当たり、防災関係機関の緊密な連携体制を検証した。沿岸市町は津波被害を想定し、船やボートを用いて官民合同で漂流者の捜索活動や海上物資輸送を実施した。山間部の川根本町は集落の孤立が予想されるためヘリによる救援活動に重点的に取り組むなど、各地で地域課題に即した訓練を展開した。 大規模災害時に航空搬
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脱線復旧、腕磨く 防災の日前にJR東海 浜松で訓練
JR東海静岡支社は31日、「防災の日」を前に大規模地震に備えて東海道線の脱線復旧訓練を浜松市南区の車両留置場で行った。廃車となった車両を用い、人為的に脱輪させた車輪をレールにのせる作業に取り組み、社員たちが熟練度の向上を図った。 訓練は南海トラフ沿いの想定震源域でマグニチュード(M)9・0の巨大地震が発生し、走行していた列車が脱線した-と想定。社員は重さ約25トンの車体を油圧式ジャッキで両側から引き上げた後、脱線で生じた車台の不具合を補正した。ミリ単位の微調整を繰り返しながら、車輪を慎重にレール上に戻した。 東日本大震災などでは、走行中の列車や新幹線が脱線する事案が相次いだ。切迫する南海
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災害時 多言語で情報発信 静岡市で外国人防災リーダー研修会
静岡市国際交流協会は27日、外国人防災リーダーの育成研修会を同市葵区で開いた。市内在住の外国出身の市民10人が、東日本大震災当時の実例を学びながら、多言語での災害情報発信の重要性を学んだ。 仙台市の仙台観光国際協会の菊池哲佳氏が講師を務め、被災時の経験を語った。外国人が日本語の津波警報の意味を正確に理解できなかったり、生活復旧に関する情報が届かなかったりした事例を説明した。 研修会は来年2月までの全4回。市は3回以上参加した受講生を外国人防災リーダーに認定する。モロッコ出身の花沢ウライヤさん(37)=静岡市清水区=は「研修で得た防災の知識を県内に住む同じ国の出身者や仲間たちにも広めたい」
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過去最多13人死亡 5673人感染 16日の静岡県内【新型コロナ】
静岡県内で16日、新型コロナウイルス患者の1日の死者数としては過去最多となる13人の死亡が確認された。5673人の新規感染も明らかになり、医療機関や高齢者施設など7件で新たなクラスター(感染者集団)が発生した。 静岡市は医療機関や高齢者施設に入院・入所していた男女7人の死亡を公表。全員が高齢で基礎疾患があった。県は4人、浜松市も高齢者2人が亡くなったことをそれぞれ発表した。 県全体の病床使用率は75・7%で逼迫(ひっぱく)した状況が続く。地域別では中部84・7%、東部82・7%、西部60・8%。重症者は1人増えて14人。自宅療養者は3万8325人。静岡市は13日、浜松市は15日に公表した
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川が氾濫 松崎町で家屋浸水や土砂崩れ 台風8号上陸から一夜
台風8号の伊豆半島上陸から一夜明けた14日、松崎町雲見地区で準用河川の太田川が氾濫し、旅館や家屋約30戸が浸水した。川沿いに敷設されていた民間の温泉配湯管が流失したほか、土砂崩れで空き家1棟が全壊した。約70戸が断水し、町は給水車などで生活用水の確保を急いだ。温泉設備の復旧めどは立たず、地区の旅館約30軒の一部が営業を停止した。 町によると、同町岩科でも別の河川が氾濫し、約10戸が浸水した。町内では一時約800戸が停電し、山間部の複数箇所で土砂崩れが確認された。15日以降、下田市や西伊豆町などは松崎町に給水車を派遣支援する。 静岡市は13日の土砂崩れで寸断された同市葵区入島の市道が14日
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ご当地アイドル・ロザリオクロス 門出ソフトのPRサポーター就任
静岡のご当地アイドルユニット「ロザリオクロス」が14日、弁当総菜の天神屋が販売するソフトクリーム「門出ソフト」のPRサポーターに就任した。門出ソフトは県内産のお茶を素材に生かし、静岡おでんのみそなどをトッピングした商品。SNSやライブ会場で商品の魅力を発信していく。 同ユニットは県内出身者5人で構成。地域密着を掲げ、県民に人気を集めるグルメや本県の食文化の普及も目指している。 同日、静岡市葵区の天神屋マークイズ静岡店で就任イベントが開かれた。大勢のファンが詰めかける中、リーダーの麻倉ゆわさんは「静岡県民が愛する食を広めていきたい」と抱負を語った。 (社会部・市川幹人)
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5572人感染 8人死亡 13日の静岡県内【新型コロナ】
静岡県内で13日、新型コロナウイルス患者8人の死亡と5572人の新規感染が確認された。医療機関と高齢者施設で新たに2件のクラスター(感染者集団)が発生した。 県などによると、亡くなった8人は全員高齢者。このうち少なくとも5人に基礎疾患があった。 県全体の病床使用率は80・6%で依然として逼迫(ひっぱく)した状況が続く。地域別では中部88・3%、東部82・5%、西部71・1%。重症者は1人増えて13人。 自宅療養者は4万4348人。静岡市は9日に公表した陽性者1人について、発生届が重複していたとして取り下げた。 県内の累計感染者は33万1430人。
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記者コラム「清流」 医師が見た人間の弱さ
「自然界の威力に比べれば人間はちっぽけです」。計27人が死亡した昨年7月の熱海土石流で、警察協力医として死体検案に尽力した外科医の谷口恒義さん(88)の言葉だ。激しく損傷した遺体は土石流のすさまじさを物語っていたという。 谷口さんが医師人生で扱った検視は1700体余。自殺や事故死など多岐にわたるが、災害は初めての経験。「改めて一瞬で命を奪われてしまう人間の弱さを感じた」。 今年も列島各地を襲う豪雨災害。被害が出るたびにリスク対策の重要性を認識するが、次第に危機意識が薄れてしまうのが人間のさがだろう。谷口さんは教訓として語る。「助かるだろうって根拠のない自信が危ない。自分の弱さを自覚するこ
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防災ヘリ、安全管理徹底 静岡・葵区でシンポ 活動や課題考える
静岡県立大グローバル地域センターは3日、緊急災害時に出動する防災ヘリコプターの活動内容や課題を考えるシンポジウムを静岡市葵区の県地震防災センターで開いた。県消防防災航空隊長の南條直希さん(48)をはじめ現場経験が豊富な3人が講演し、行政関係者ら約50人が参加した。 南條さんはヘリで要救助者を救出する際の映像を交えながら任務を紹介。県消防防災ヘリ「オレンジアロー」は県内全域を出動から20分以内でカバーできるとし、日々の訓練内容や機体性能、動態管理の仕組みを解説した。他県で消防や警察のヘリ墜落事故などが発生した近年の状況を念頭に「迅速かつ正確な救助活動を行うためにも運航安全管理を徹底しなければ
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災害関連死防止へ 「伊豆山ささえ逢いセンター」住民交流に尽力 熱海土石流発生1年1カ月
熱海市伊豆山の大規模土石流は3日、発災から1年1カ月が経過する。復興に向けた動きが本格化する中、被災者の生活再建を支援する「熱海市伊豆山ささえ逢いセンター」は災害関連死を防ぐ活動に注力している。2011年の東日本大震災などでは、長期避難者が生活環境に慣れず持病が悪化して死亡したり、孤独感を抱いて自殺に追い込まれたりするケースがあった。過去の災害を教訓に被災者が集まる催しや仮設住宅への戸別訪問を行い、心身ケアや生活課題の解決に取り組んでいる。 「リズムに合わせて腕を曲げ伸ばし、数字が3の倍数の時は手をたたきましょう」。7月下旬、同センターが市内の交流施設で開いた健康体操教室。講師の号令に合わ
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「富士山と末代上人 熱海の会」総会 歴史文化の伝承を確認
熱海市の歴史愛好家でつくる「富士山と末代上人(まつだいしょうにん) 熱海の会」はこのほど、2022年度総会を同市の起雲閣で開いた。富士山信仰の礎を築いたとされる末代上人の功績をたたえ、今後も熱海の歴史文化の伝承活動を継続していくことを確認した。 主な事業は、末代上人の供養塔がある市北部の日金山で桜並木を整備するほか、熱海と富士山の歴史のつながりを研究する。活動成果を全国に広めるため、行政や地元の観光関係団体と連携し、情報発信にも力を入れていく。 同市には現在も多くの史跡が点在し、特に山岳修験場として栄えた伊豆山地区は源氏再興の地として知られている。真鍋梅美会長は昨年7月に起きた土石流災害
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「浜降り」厄年男衆、威勢良く 熱海来宮神社例大祭
熱海市の来宮神社例大祭は最終日の16日、神々が鎮座する御鳳輦(ごほうれん)を厄年の男衆が担いで海に入る「浜降り神事」を執り行った。同神社のご神体が海から流れ着いたとの故事にちなみ、海で邪気を取り払い、健康長寿や地域繁栄などを祈願した。 白装束を身にまとった男衆は神社を出発し、行列を作って熱海サンビーチを目指して市街地を練り歩いた。市民や観光客が待つ砂浜に到着すると、一行は天狗の姿をした猿田彦を先頭に威勢の良い掛け声を上げながら海中へ。雨が降りしきる中、参加者は胸元まで海水に浸かり、御鳳輦が海面に接しないように歯を食いしばりながら海底を歩いた。 砂浜に設けられた祭壇では関係者が玉串をささげ
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山車競演、温泉街に活気 「熱海こがし祭り」3年ぶり
熱海市の来宮神社例大祭に合わせた夏の風物詩「熱海こがし祭り第54回山車コンクール」が15日夜、市中心街で始まった。新型コロナ禍で3年ぶりの開催となる今年は規模を縮小して実施。趣向を凝らしたきらびやかな山車が温泉街を彩った。 競ったのは山車の装飾の独創性をはじめ、お囃子(はやし)の完成度や行列の活気度。市内の10町内会が参加し、伝統的な木彫りの山車をはじめ、電球や提灯などを施した車体を会場の国道135号で引き回した。 ジャカランダ遊歩道前の審査場所に差し掛かると、掛け声とともに若衆や子どもたちが威勢の良いお囃子を奏でて盛んにアピールした。 沿道には多くの市民や観光客が訪れ、行き交う山車を
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検視「犠牲者、遺族への弔い」 熱海土石流発災から検案尽力の医師
昨年7月に熱海市伊豆山で発生した大規模土石流で、発災直後から被災者の遺体検案に尽力したベテラン外科医がいる。開業医の傍ら、40年以上にわたって警察協力医として活動する同市水口町の谷口恒義さん(88)。直接死26人のうち15人と向き合い「誠意を持って検視することが犠牲者や遺族への弔いになる」との思いで臨んだ。一方、検視から浮かび上がったのは土石流のすさまじい威力。教訓として「自然の脅威に襲われれば人間は一瞬で死に至る。改めて災害の恐ろしさを感じた」と語る。 ■「遺体、土砂の衝撃物語った」 警察から依頼を受け、発災当日から市内の遺体安置所で活動した。次々と運び込まれてきた土砂で激しく傷つい
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二十歳の集い 成功へ一丸 熱海市、運営スタッフが初会議
熱海市は18日、2023年1月に開催する「二十歳の集い」運営スタッフの初会議を中央公民館で開いた。民法改正に伴い4月から成人年齢が18歳に引き下げられたことを受け、成人式の名称を二十歳の集いに変更。市内3中学校(熱海、多賀、泉)の出身の代表者が出席し、式典の進行内容や準備スケジュールを確認した。 運営スタッフは12人で構成する。メンバーは自己紹介し、記念品の選定などについて話し合った。今後は二十歳の集いが開かれる1月8日に向け、記念冊子の編集や広報活動を行うほか、式のプログラムの内容を検討していく。 運営スタッフ副委員長を務める多賀中出身の大学生冨田美優さん(19)は「大人としての自覚を
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地蔵堂修復に貢献 小さな親切運動実行章 NPO「熱海キコリーズ」
大規模土石流に見舞われた熱海市伊豆山の地域支援に貢献しているとして「小さな親切」運動県本部は4日、市内の森林保全に取り組むNPO法人「熱海キコリーズ」に実行章を贈った。 同NPOは伊豆山の歴史文化を守るため土石流で半壊した「逢初(あいぞめ)地蔵」の地蔵堂の修復を手掛けている。地元住民の心のよりどころを元の形に戻すことで伊豆山の早期復興を後押しする。6月末の完成を目指している。 静岡銀行熱海支店の片山貴彦支店長から実行章を受け取った同NPOの能勢友歌理事長は「できる限り伊豆山の支援を続けていきたい」と語った。
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記者コラム「清流」 真実を語れ
詭弁(きべん)とは道理に合わないことを強引に正当化する弁論のこと。違法盛り土の崩落に端を発した熱海市伊豆山の大規模土石流に関する検証では、行政公文書の内容と関係者の言い分が大きく異なり“詭弁合戦”の様相を呈している。 熱海市議会による百条委には盛り土造成に関わった複数の業者が出席したが、責任はないと主張した。監視する側の県と市も適用すべき規制を巡り、互いに責任回避の発言が目立った。業者も行政も正義感や倫理観が欠如しているのではないか。 数々の詭弁から浮かび上がるのは土石流は無責任の応酬の果てに起きた人災ということ。生命財産を奪われた被災者は納得できるはずがない。全
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行方不明の太田さん 静岡県警が一斉捜索 熱海土石流11カ月
関連死を含めて27人が死亡した熱海市伊豆山の大規模土石流は3日、発生から11カ月を迎えた。県警は同日午前、行方不明になっている太田和子さんの一斉捜索活動を約100人態勢で行い、被災現場から撤去した土砂の集積所や伊豆山港の周辺海域などで太田さん発見につながる手掛かりを探した。 熱海港芝生広場の土砂集積所では、高く積まれた土砂を大型重機のふるいにかけ、埋もれた石やがれきを選別。強い日差しに照らされながら、機動隊員は遺留品が紛れ込んでいないか手作業で慎重に調べた。 別の隊員らは太田さんの自宅付近や消波ブロックが並ぶ海岸沿いを見て回り、海難救助隊の潜水士による海中捜索も実施した。県警の高橋誠警備
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伊豆山地区、市が宅地再分譲案 6月から用地買収交渉【熱海土石流】
熱海市は28日、昨年7月に大規模土石流に見舞われた同市伊豆山地区の復興まちづくり説明会を市役所で開いた。復興事業の手法として、行政が用地買収を行い宅地や道路整備する「小規模住宅地区改良事業」を採用し、最終的に宅地を再分譲する案を示した。県と市は早ければ6月から地権者と用地買収交渉を始め、まずは土砂が流れ下った逢初(あいぞめ)川の拡幅工事に着手する。 市が復興事業の軸に据えるのが逢初川中流域の河川両側に整備する幅4メートルの道路。地域の幹線道路「市道伊豆山神社線」に接続することで緊急車両が通行可能になり、生活環境の向上を目指す。再分譲エリアは河川道路沿いに造成する予定。具体的な区画数や公共施
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ランタン風船夜空へ 市民が平穏な日常願う 熱海
短冊を付けたランタン風船を闇夜に飛ばすイベント「願いのあかりフェスティバル」が22日夜、熱海市の今宮神社と隣の市立第二小で開かれた。市民約150人が平穏な暮らしの実現や恋愛成就を祈願し、緑とだいだい色のLED(発光ダイオード)をともした風船をひもで夜空に舞い上げた。 同神社で成功開運を祈願した源頼朝が源氏再興を成し遂げたとの歴史にちなみ、熱海ワイズメンズクラブや地元町内会などが企画した。 夕暮れに合わせてアコーディオン奏者の杉山卓さん(函南町出身)が哀愁ある音色を披露。日が沈み、参加者の風船が一斉に放たれると小学校のグラウンド上空には光が飛び交い、幻想的な雰囲気に包まれた。 伊豆山小5
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被害者の会 現場付近で黙とう 熱海土石流10カ月
熱海市伊豆山の大規模土石流の被災者らでつくる「被害者の会」は3日、住宅が押し流された被災現場付近で慰霊集会を開き、発生時刻の午前10時28分に合わせて黙とうした。犠牲者の冥福を祈り、行方不明になっている太田和子さんの早期発見を願った。 土石流では住宅被害を受けた多くの世帯が伊豆山を離れ、市内外の応急仮設住宅での生活を余儀なくされている。自宅が全壊し、神奈川県湯河原町で暮らす田中均さん(65)は「今年は例年と違い、子どもや孫が実家に帰省できる楽しいゴールデンウイークではない。古里を奪われて悔しい」と苦しみを明かした。 土石流に関する市議会調査特別委員会(百条委員会)は12日に崩落起点となっ
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熱海で屋外マルシェ 飲食など23団体出店 観光客らにぎわう
熱海市の魅力を発信する屋外マルシェ「熱海未来広場」(実行委主催)が24日、同市の長浜海浜公園で初めて開かれた。天候はあいにくの小雨だったが、地元の飲食店など23団体がブースを構え、朝から多くの観光客や家族連れでにぎわった。 会場には水産加工物をはじめ、スイーツや雑貨アクセサリーなど豊富な商品が並んだ。ハンドマッサージといった体験コーナーも充実し、来場者は時間を満喫した。 イベントは地域活性化を図る目的で企画し市内で生産加工された食品を扱っていることや活動をSNSで情報発信していることなどを条件に出店者を募った。今後も月1回の開催を目指していく。
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盛り土所有者ら8人、5月証人尋問 熱海土石流百条委、元県職員らも参考人招致
熱海市伊豆山の大規模土石流に関する市議会調査特別委員会(百条委員会)は15日、5月11、12の両日に行う証人尋問に土石流の起点となった盛り土部分を含む土地の現旧所有者ら計8人を呼ぶことを決めた。市議会は地方自治法100条1項に基づき、出頭請求書を対象者に通達する。証人は正当な理由がなく出頭を拒否したり、虚偽の証言をしたりすると禁錮刑や罰金刑が科せられる可能性がある。 現旧所有者のほか、これまでの参考人招致に応じなかった盛り土の土砂搬入に関わったとされる業者や現所有者の関係者も証人とした。参考人として事情を聴いた工事関係者2人も双方の主張に食い違いがあったため、証人として呼び、当時の事実関係
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伊豆山復興願い木製コースター 熱海の児童、カフェ店内装飾 15日オープン
大規模土石流に見舞われた熱海市伊豆山の児童有志が9日、地元ボランティア団体「テンカラセン」が開店準備を進める地域交流カフェ「あいぞめ珈琲店」の店内に、復興応援メッセージが書かれた木製コースターを貼り付けた。内壁は大小さまざまなコースターで埋め尽くされ、伊豆山復興への願いが詰まった内装に仕上げた。 「伊豆山大好き 頑張れ」「早くみんなの笑顔が戻りますように」-。昨年の大みそかに伊豆山神社で行った土石流追悼イベントで参加者に記入してもらったコースターを使用した。多くの人が伊豆山に対する励ましの文章をつづり、500個以上が集まった。 こうした思いを託された子どもたちは、コースターを一つずつ丁寧
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人脈広げ自己成長を 熱海商議所、若手社員対象に研修会
熱海商工会議所はこのほど、市内の入社3年目の若手社員を対象としたキャリア研修会を同所で開いた。キャリアコンサルタント会社「HUBlic」の小林めぐみ代表を講師に招き、金融や建設など4業種から集まった5人が自身の将来像を考えた。 小林代表は人工知能(AI)の進歩や新型コロナ禍によって働き方や仕事内容の多様化が急速に進んでいると説明。「収入の安定が約束された職場や人生設計はない」と強調し、「スキルや人脈を広げ、自己成長していくことが大切」と訴えた。 社会人2年目で三島信用金庫熱海支店の小嶌舞さん(24)は「資格勉強に取り組むことで知識を増やし、会社にも貢献できればいい」と述べた。 研修会は
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熱海で未活用魚の料理動画審査 静岡県内外6組が入賞
熱海市の「海と食の地域モデルin熱海」は26日、2月に開催した未活用魚を使った料理動画コンテストの表彰式をオンライン形式で行った。県内外からエントリーした30チームの中から上位入賞6組を発表した。 コンテストは市場流通から外れた規格外の鮮魚を主催者側が提供し、料理を通して食品廃棄や海洋環境問題への関心を高める狙い。レシピは相模灘で獲れたサバやカマスをはじめ、参加者が住む地域ならではの食材を取り入れることを条件とした。 参加者は撮影した料理動画を応募し、審査員4人が独創性や見た目の美しさなどを評価した。 主催団体の水野綾子さんは「価値があるのに捨てられてしまう魚がある。今後は未活用魚の使
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安心確保や生活再建など3目標 伊豆山復興へ基本計画案説明 熱海
熱海市は25日、大規模土石流に見舞われた同市伊豆山の第2回復興計画検討委員会を開き、基本計画案を示した。災害関連死含め27人が犠牲になった土石流災害を教訓に防災機能の強化を図り、被災前の暮らしやコミュニティーを取り戻すことを理念に掲げた。 計画案は安心・安全の確保▽速やかな生活再建▽創造的復興-の三つの目標で構成。住民の命を守るため国と県が進める逢初川の砂防堰堤の設置や改修工事と連携し、市として災害に強い地域づくりを目指す。 子育てや医療福祉環境の充実を図ることで被災者の生活再建支援を後押しする。地域活性化に向け、伊豆山神社など歴史資源を活用したまちづくりを推進していく。 市は5月ご
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記者コラム「清流」 傷付いた伊豆山の歴史
箱根路をわが越えくれば伊豆の海や沖の小島に波の寄る見ゆ-。熱海市伊豆山の北部の日金山に源実朝が詠んだ歌碑がある。険しい箱根の山を越えると眼前に広がる初島や相模灘の光景は今も昔と変わらない。 伊豆山一帯は平安時代から修験霊場として栄え、多くの信仰を集めた。地域を歩けば現在も歌碑や石碑などが点在する。人々が歴史文化を守り続けてきた証だろう。 しかし昨年7月、伊豆山を土石流が襲い、20人以上の命を奪い去った。原因は違法盛り土の崩壊。築いてきた由緒ある歴史も深い傷を負った。 一体なぜ、盛り土業者に違法行為を許したのか。被災者のみならず多くの先人も知りたいはずだ。県と市は詳しい経緯を説明する責任
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癒やしのフルートで「勇気を」 視覚障害のプロ奏者・綱川さん 熱海の被災地に光 震災機に全国巡り10年
土石流被害のあった熱海市などで音楽演奏を通じ被災者支援に取り組む盲目のプロのフルート奏者がいる。生まれつき網膜色素変性症の静岡市清水区の綱川泰典さん(45)。20代前半で視力を失った時、音楽が心の支えになったことから「自分の音色で似た境遇の人に勇気を与えたい」と語る。全国の被災地を訪れ、活動は今年で10年目を迎えた。 1月中旬、熱海市のいきいきプラザの一室に綱川さんの透き通るようなフルートの音が響き渡った。耳を傾けていたのは昨年7月に同市伊豆山地区で起きた大規模土石流の被災者ら約50人。「フルートを聴いている時は災害のつらさを忘れられた」。クラシックなど7曲に聞き入りながら目に涙を浮かべる
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入れ歯の設計、アプリで管理 静岡の歯科技工会社開発
静岡市清水区の歯科技工会社「デンタルグロウス」がこのほど、入れ歯などの歯科補綴(ほてつ)物の設計をオンライン管理するアプリを開発した。近年、高齢患者の増加を背景に義歯の需要が高まっており、医療現場と技工士の作業効率化を図る。村岡貴文社長は「歯科医療の新たな基盤として普及させたい」と意気込む。 アプリは3年かけて制作した。タブレット端末で利用し、患者ごとに歯科補綴物の立体画像や製造工程の記録をオンライン保存できる。 歯科医療の現場では従来、医師が設計書を手書きで作成し、歯科技工事務所との指示や確認をメール、ファクスでやりとりしていた。そのため、「紙媒体での記録保存が煩雑で、患者情報の共有不
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相模灘の海鮮堪能 熱海・初島で「丼合戦」 3月13日まで
熱海市初島で5日、新鮮な海の幸を堪能するイベント「初島丼合戦」(初島区事業協同組合主催)が始まった。島の漁師が営む食堂街の14店舗が“参戦”し、相模灘で獲れた地魚やイカ、サザエなどを盛った丼めしが楽しめる。3月13日まで。 昨年は新型コロナ禍の影響で中止となったため2年ぶりの開催。各店舗が初島の魅力を伝えようとオリジナルメニューを考案し、準備を進めてきた。 丼の注文には各店共通のクーポンの提示が必要。開催に協力する富士急マリンリゾートが熱海―初島間のフェリー往復乗船券とクーポンをセットで販売している。料金は大人3880円、小人2690円。 問い合わせは富士急マリ
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被災者30人交流深める 熱海土石流 コンサートや健康体操
熱海市伊豆山ささえ逢いセンターはこのほど、昨年7月に伊豆山地区で起きた大規模土石流の被災者を対象とした交流会を同市のいきいきプラザで開いた。災害ボランティア団体「しずおか茶の国会議」がコンサートや健康体操などを企画し、参加者約30人が充実した時間を過ごした。 演奏したのは全盲のフルート奏者綱川泰典さん。「仮面舞踏会」や「ふるさと」などを披露し、透き通るような美しい音色を響かせ、被災者の心を癒やした。同団体のメンバーは首や肩回りの筋肉をほぐすストレッチ体操を紹介。綱川さんの演奏に合わせてラジオ体操も行った。 参加した被災者は、土砂で自宅などが流され、現在も応急仮設住宅での生活を余儀なくされ
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香り爽やか 特産ダイダイでマーマレード 熱海のNPO販売へ
熱海市のNPO法人「あたみオアシス21」がこのほど、市特産のダイダイを使ったマーマレード作りを始めた。爽やかな香りと甘酸っぱい味が特徴。計8日間で1瓶230グラム入りを約4千個作り、同市の起雲閣で販売する。 全国有数の生産量を誇るダイダイを活用し、地域活性化を図ろうと2006年から実施している。ダイダイは主に正月飾りなどに用いられ食品には適さないが、独自にレシピを考案した。 調理作業は70代の女性メンバー15人ほどが同市のいきいきプラザで取り組んだ。市内の農家からダイダイ600キロを仕入れ、果汁や細かく刻んだ皮などに砂糖を加えて丹念に煮ている。中島美江代表は「パンや紅茶、ヨーグルトに合わ
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早春告げる「梅まつり」 熱海で開幕 芸妓衆、華麗な踊り披露
熱海市の熱海梅園で8日、早春を告げる「梅まつり」が始まった。早咲き種「冬至梅」をはじめ、園内に植樹された469本の梅が順次開花し、紅白の花々が春を彩る。3月6日まで。 オープニングセレモニーでは「熱海囃子笛伶会」が太鼓の演奏で開幕を祝った。熱海芸妓(げいぎ)衆も華麗な踊りを披露し、春の幕開けに花を添えた。 市によると、今季の冬至梅は、昨年10月下旬に開花が確認された。過去10年で開花が最も早く、園内には既に三分咲きの木もある。つぼみは順調に膨らみ、園全体の見頃は1月下旬ごろに迎えそうだ。 市内では「糸川桜まつり」も同時に開幕した。2月上旬には、糸川沿いのあたみ桜の並木が咲き誇る。
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静岡県警、海保合同で不明1人の捜索【熱海土石流】
静岡県警と下田海上保安部は3日、行方不明になっている太田和子さんの合同捜索活動を行った。大量の土砂が流れ込んだ伊豆山港の周辺海域や被災現場を中心に総勢80人態勢で臨んだ。 ダイバー10人が海中に潜り、海底に堆積した土砂を取り除きながら念入りに捜索した。巡視船も出動して海域を捜索。隊員らは消波ブロックの隙間や波打ち際を見て回り、太田さん発見への手がかりを探した。 一方、家屋などが流され、甚大な被害を受けた岸谷地区の現場はおおむね土砂の撤去が終了している。県警は上空からヘリで現場の状況を確認し、隊員らは土砂が流れ下った逢初川の下流部付近を重点的に調べた。 県警によると、この日の捜索活動では
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静岡人インタビュー「この人」 河瀬愛美さん(熱海市)被災地で介護タクシー事業を再開した
8年前、熱海市伊豆山で夫と介護タクシーの運営会社「伊豆おはな」を設立した。7月に起きた大規模土石流では車両が巻き込まれ、一時は廃業を考えたが、地域復興に向けて事業存続を決めた。看護師の資格を持つ。横浜市出身。45歳。 ―発災後の様子は。 「激しい土石流が事務所の数メートル下まで押し寄せた。建物は難を逃れたが周囲の道路は寸断され、車両1台と駐車場を失った。災害への恐怖から伊豆山で事業を継続すべきか悩んだ」 ―何が再開の決め手となったのか。 「原点を振り返った時、伊豆山の人々の暮らしを助けたいと思った。平穏な日常が奪われ『一緒に流されてしまえば良かった』と悲しむ被災者の声も聞いた。公共交
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熱海・伊豆山の児童 クリスマス気分 災害ボランティアが企画
7月に起きた大規模土石流の被災地、熱海市伊豆山地区の子どもたちを対象としたクリスマス会が11日、市総合福祉センターで開かれた。児童や保護者ら約40人が音楽鑑賞やレクリエーションを楽しみ、充実した時間を過ごした。 企画したのは県内の災害ボランティア有志「しずおか茶の国会議」(静岡市)や「はままつnanet」(浜松市)など。被災者支援を通して保護者から寄せられた「子どもたちが自由に遊べる場が奪われてしまった」「思い出の残るイベントがほしい」との声を形にした。 会場ステージでは、主催者メンバーがクリスマスソングを演奏した。児童らはサンタクロースやトナカイをモチーフにした帽子、カチューシャを着用
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静岡人インタビュー「この人」 鎌田洋子さん 熱海まち歩きガイドの会代表
観光地として人気が高い熱海市で13年間、観光案内ボランティアを務める。4月には発足当時から所属するガイド団体の代表に就任。約40人の会員を束ね、満足度の高い熱海旅行を提案する。東京都出身。 -熱海の魅力は。 「山と相模灘に囲まれた豊かな自然の下で温泉やグルメを堪能できるのが特徴。奥深い歴史文化があり、若者から高齢者まで誰でも楽しめる。観光客や旅行会社のニーズを聞き取り、思い出に残る熱海旅行の実現を手助けしている」 ―上手にガイドする秘訣(ひけつ)は。 「案内する側が地域をよく知ること。有名な観光スポットだけでなく市内を回り、世間に知られていない穴場を探すこともある。インターネットに掲
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熱海梅園で「もみじまつり」開幕 見頃は11月末
熱海市の熱海梅園で13日、恒例の「もみじまつり」(市観光協会主催)が始まった。同市は気候が温暖で葉が色づく時期が遅いため“日本一遅い紅葉”として知られている。赤や黄に染まった木々の葉が晩秋を演出している。12月5日まで。 園内には梅とともに約380本のカエデ類の樹木が並ぶ。今年は例年と比べて紅葉のペースがやや遅く、見頃は11月末に迎えそうだ。 まつり期間中は午後4時半~9時に園内をライトアップする。辺りが暗くなり、明かりがともされると園内は優美な雰囲気に包まれ、観光客らは写真撮影を楽しんでいた。 地元の観光案内ボランティアによると、園内では早咲きの冬至梅の開花
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熱海芸妓 舞台に活気 ゆるキャラ「まめっこ」「あつお」共演
熱海市の熱海芸妓(げいぎ)置屋連合組合と熱海温泉ホテル旅館協同組合の公式キャラクター2体が7日、熱海芸妓見番で開かれた舞台公演「湯めまちをどり華の舞」にそろって登場した。芸妓衆の華やかな踊りに花を添え、会場を盛り上げた。 登場したのは熱海芸妓置屋連合組合の「まめっこ」と熱海温泉ホテル旅館協同組合の「あつお」。まめっこは舞台上で踊りを披露し、最終番組の終了間際にあつおがサプライズで現れた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で4月から休業していた舞台公演は6日に再開したばかりで、芸妓を活気づけようとキャラクターの“共演”を初めて企画した。 公演終了後、観光客らはキャラク
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政治への関心高めて 生徒3人が模擬選挙企画 静岡雙葉中・高
選挙や政治への関心を高めようと静岡市葵区の静岡雙葉中・高は28、29の両日、校内模擬選挙を実施した。男女4人のキャラクターを立候補者に見立て、それぞれ政策公約や略歴を記したポスターを作成。全校生徒824人が支持したい候補に清き一票を投じた。 企画したのはいずれも2年の青木小春さん(17)、遠山愛珠さん(16)、梨本結意さん(16)。3人は静岡県の若者選挙パートナーを務めている。選挙のたびに投票率低迷が課題に上がることから、若者が社会の動きに目を向けるきっかけにしようと31日投開票の衆院選に合わせて準備を進めてきた。 校内10カ所以上に選挙ポスターを貼り、全校放送で投票を呼び掛けた。生徒ら
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焼き芋「ホクホク 甘い」 育てた秋の味楽しむ 静岡市の園児
静岡市駿河区のかわはらいづみ幼稚園の園児約160人が27日、恒例の焼き芋パーティーを楽しんだ。自分たちで栽培した野菜を味わう食育事業の一環。秋の味覚を堪能した。 地域住民の協力を得て、3~5歳児が6月からサツマイモを育ててきた。定期的に水やりや草取りを行うなど生育を見守り、10月上旬に約150キロを収穫した。 焼き芋はアルミホイルに包んだサツマイモをたき火の中に入れ、じっくり加熱した。子どもたちはできたてを頬張り、実りの秋を感じていた。亀口美織ちゃん(6)は「とてもホクホクで甘くておいしかった」と喜んだ。
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高校生がビジネス戦略 地域課題解決へ発表 静岡
静岡市の高校生が地域課題の解決に向け、仕事のアイデアを考える「まちづくりスクール・ビジネス編」の最終講座が9日、同市葵区のもくせい会館で開かれた。市内8校の生徒46人が11組に分かれ、自然環境や食品ロスなどテーマにしたビジネス戦略を発表した。 放置竹林問題に着目したグループは、灯籠など竹製インテリアの商品づくりを提案した。竹材の需要増加に加え、治山など住民の防災意識向上が見込めると主張した。ほかのグループは、廃棄青果物を使ったこんにゃく石鹸(せっけん)の商品化などのプランを披露した。 同スクールは7月から計5回開催し、生徒は地元企業の協力を得ながら企画立案を進めてきた。講師を務めたNPO
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「親ガチャ」を嘆かれたら 有識者インタビュー①【賛否万論】
自分の親を自分で選べない現実をカプセルトイやゲームのアイテムなどを抽選する仕組みに例えた造語「親ガチャ」。親が聞いたらドキッとしてしまう一方、自分の置かれた境遇をうまく例えてくれた表現として心に刺さる人も少なくないようです。多くの家庭貧困対策や教育支援に携わる静岡市の独立型社会福祉士の川口正義さん(64)に、この言葉の背景を分析してもらい、私たちに必要な対策や心構えなどを聞きました。 ―「親ガチャ」という言葉が話題になる背景をどう分析しますか。 子ども7人のうち1人が貧困状態とされる現代で、苦しい現実を親や家庭を選べない不合理さに重ね合わせたのでしょう。生まれる家庭環境は運任せで、ゲー
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東京パラリンピックの「遺産」 共生社会道半ば…環境構築に期待【解説・主張しずおか】
新型コロナウイルスが世界的に大流行する中、無観客で開催された東京パラリンピック。選手たちは競技を通じて、誰もが活躍できる共生社会の実現を訴えた。大会の意義や成果をどう社会変革につなげるか。静岡県にも課せられたテーマだ。 161の国・地域と難民選手団を合わせ、史上最多の4403人が出場した東京パラは、異なる個性や価値観を認め支え合う「インクルーシブ社会」の発展を目標に掲げた。 国内では東京パラを契機とし、4月に改正バリアフリー法が全面施行されるなどし、目に見える形で要配慮者へのハード対策が急速に進んだ。国土交通省によると、駅などの1日当たり3千人以上が利用する旅客施設のバリアフリー化率は、
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大地震予知の課題解説 東海大の長尾客員教授 静岡
静岡県や県内6大学でつくる「しずおか防災コンソーシアム」は18日、防災学講座をオンラインで開いた。東海大海洋研究所の長尾年恭客員教授が講師を務め、大規模地震の予知研究課題や対策を解説した。 長尾さんは過去に南海トラフ沿いで発生した大規模地震データを用いて、再び東海地方を襲う大きな地震が起きると予測。国内では1995年の阪神大震災を契機に、全国各地に地殻変動の観測網が整備され、地震の監視、解析力が飛躍したと説明した。 ただ、地殻異常を捉えることが可能になった一方、地震がいつ発生するか正確に予知することは困難と指摘。「今後は人工知能(AI)など異分野の技術を研究に応用していく必要がある」と述
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集客方法、アイデア披露 企業連携の研究授業 静岡・駿河総合高
静岡市駿河区の駿河総合高3年生約20人が静鉄リテイリングと連携し、6月から新商品や新たな集客方法を考える研究授業を進めている。生徒は17日、企業説明や店舗での現地調査を踏まえて考案した中間アイデアを若手社員に披露した。 テーマは「イノベーション」。斬新な発想力を身に付けることを意識し、マーケティングや地域資源に着目して企画案をまとめた。 発表はプレゼンテーション形式で行われ、同社が運営する東急ハンズ(静岡市葵区)や静岡空港しずおかマルシェ(牧之原市)など店舗ごと5班に分かれて実施。生徒は店舗に温泉施設を設けて付加価値を高める戦略やSNSを活用した販路拡大策などを提案した。 生徒の本木那
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自転車女子ロード「金」 杉浦に薬剤師の顔 恩返し「皆に健康を」
「期待に応えたい気持ちは今までで一番強かった」。31日、東京パラリンピック自転車女子個人ロードタイムトライアル(運動機能障害C1~3)を制した杉浦佳子(50)=楽天ソシオビジネス、掛川西高出=はレース後、支えてくれた人々への感謝の言葉を並べた。 掛川市内で小さな薬局を経営する両親のもとで生まれ育った杉浦は、北里大薬学部を卒業後、都内の薬局に就職。在宅医療の現場で、服薬指導などに携わってきた。薬剤師の顔を持つ金メダリストは将来、パラアスリートの経験を生かし、社会の健康促進に貢献したいと夢を抱く。 杉浦が医療や健康管理の重要性を再認識したのは約5年前。トライアスロンのレース中の事故で脳挫傷を
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50歳の“新星” 技術で頂点 最年長「金」の杉浦 東京パラ自転車
女子個人ロードタイムトライアル(運動機能障害C1~3)で50歳の杉浦佳子(楽天ソシオビジネス、掛川西高出)が25分55秒76で金メダルを獲得した。 50歳の新星が“技術”で世界の頂へ駆け上がった。自転車女子個人ロードタイムトライアルを制した杉浦佳子(楽天ソシオビジネス、掛川西高出)は起伏が激しく、急カーブが点在する富士スピードウェイのコース攻略に成功した。「パワーでは海外勢にかなわない。有利な点(地の利)を生かした」 2年前の全日本選手権でほぼ同じコースを走行していた杉浦は、「ブレーキ回数を減らし、走行位置次第でタイムを10秒以上短縮できる」と読んだ。形状が似たコ
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杉浦(掛川西高出)最年長50歳「金」 急カーブ攻略 パラ自転車
東京パラリンピック第8日の31日、自転車女子個人ロードタイムトライアル(運動機能障害C1~3)で初出場の杉浦佳子(50)=楽天ソシオビジネス、掛川西高出=が金メダルに輝いた。 杉浦の優勝タイムは25分55秒76。自転車女子の「金」は日本勢で史上初だ。 同種目は各選手が1分間隔で出走し、富士スピードウェイ(小山町)の8キロコースを2周してタイムを競った。 9番目に出走した杉浦は1周目を12分44秒69で通過した。コース攻略の鍵は急なカーブにあると分析。スピードを落とさないよう、ブレーキを最小限に抑え、磨いてきた巧みなハンドルさばきで突破した。 後半は真骨頂の粘り強さを発揮した。ゴール手
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車いすラグビー「最後に良い試合できた」 銅メダルから一夜 若山英史(静岡銀行)ら会見 東京パラリンピック
東京パラリンピック車いすラグビーの日本代表が2大会連続銅メダルを獲得して一夜明けた30日、都内で会見した。ローポインター(守備的な要員)として全5試合に出場した若山英史(36)=静岡銀行、沼津市立高出=は「金を取れず悔しい結果になったが、最後に良い試合ができた」と充実した表情を見せた。 熾烈(しれつ)なレギュラー争いがあった今大会は、若手の活躍が目立ったが、若山は準決勝、3位決定戦でもスタメン出場した。持ち前の鋭い洞察力を発揮し、得意の守備プレーだけでなく計10トライを決めるなど要所での得点力も光った。大会を振り返り、「車いすラグビーやパラスポーツの魅力を知っていただけたと思う」と語った。
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最高の仲間と「銅」 車いすラグビー若山(静岡銀行) 次の夢へ
「最高の舞台で最高の仲間と戦えた」。東京パラリンピックの車いすラグビーで日本の2大会連続銅メダルに貢献した若山英史(36)=静岡銀行、沼津市立高出=は今年で日の丸を背負い10年。常に世界で勝つことを意識してきた。自国開催を経て「車いすラグビーを知ってくれた人もいる。今後は競技を広めていきたい」と新たな夢を抱く。 若山が初めて代表に選出されたのは車いすラグビーを始めて約3年後の2011年。競技の認知度が低かった当時は、代表遠征や車いすの修理費はほぼ選手の自己負担だった。多額の支援を受けられる五輪の人気種目とは対照的。「自分たちの待遇やサポート態勢を良くするには、世界で結果を出すことが必要」と
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一流の技学び、夢のパラ初舞台 馬術・稲葉(静岡乗馬クラブ)
「東京パラに出場したいので指導してください」。2017年7月、静岡乗馬クラブ(静岡市葵区)の浅川信正さん(66)のもとに、純朴な青年が弟子入りを志願してきた。「やる気があるなら面倒を見るけど、本気か?」。同クラブ所属で東京パラリンピック馬術代表の稲葉将(26)は当時まだ横浜市に住む大学生だった。あれから4年。2人は夢舞台にたどりついた。27日午後に馬事公苑で行われる個人規定(G3)に挑む。 先天性脳性まひで身体に障害がある稲葉がパラリンピックを目指したのは、大学4年時のオーストラリア留学がきっかけだった。大きな夢に向かって行動する仲間に刺激を受け、自分も世界で輝きたいと思うようになった。小
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若山(沼津市立高出)輝く洞察力 車いすラグビー日本連勝発進
東京パラリンピックの車いすラグビー1次リーグで連勝発進した日本代表。チームの堅守速攻のスタイルを支えているのが若山英史(36)=沼津市立高出=だ。ローポインター(守備的な要員)として敵の動きを先読みする洞察力が持ち味だが、今大会は得点力も光る。「最高の仲間と金メダルを獲得したい」と意気込む。 若山は26日のデンマーク戦にスタメン出場。序盤から積極的に敵に詰め寄り連携ミスを誘うなど、何度も相手の得点を封じた。攻めてはゴール前に果敢に切り込み、絶妙なパスで味方の得点をお膳立て。「理想のプレーができた」と勝利を喜んだ。 若山は19歳の時、プールの事故で頸椎(けいつい)を損傷。リハビリ施設で車い
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競泳鈴木(聖隷クリストファー高出身)が金メダル 日本勢第1号 終盤猛追、一気に抜き去る【東京パラ】
東京パラリンピック第3日の26日、競泳男子100メートル自由形(運動機能障害S4)の鈴木孝幸(34)=ゴールドウイン、聖隷クリストファー高出=が1分21秒58の大会新記録で制し、日本選手団の今大会金メダル第1号となった。 ■パラスポーツ発展願うエース 「自分の姿がきっかけに」 レースのヤマ場は終盤だった。「スピードを落とさず、テンポ良く泳ぐことだけを意識した」。2番手に付けていた鈴木は余力を振り絞って先頭を猛追し、ゴール手前約20メートルで相手を捉えた。一気に抜き去ると、そのまま壁にタッチした。電光掲示板を見上げ、優勝を確認した鈴木は、ガッツポーズをして喜びを爆発させた。 今大会、日
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川本と藤井、移住の地で闘志 東京パラ 25日に伊豆で自転車競技
東京パラリンピック自転車競技のトラック種目が25日、伊豆市の伊豆ベロドロームで始まる。メダルを取るために練習環境の整う伊豆地域に移住してきた川本翔大(25)=大和産業=と、藤井美穂(26)=楽天ソシオビジネス=は「努力の成果を発揮し、全力で走り抜けたい」と口をそろえる。若きホープ2人に注目だ。 ■川本 地元開催、気負わず臨む 広島県出身の川本が伊豆の国市で1人暮らしを始めたのは5年前。世界で勝ち抜くには厳しい練習環境に身を置くことが必要と考え、移住を決断した。 競技歴8カ月で臨んだ前回リオデジャネイロ大会は、3キロ個人追い抜きで8位入賞。しかし、「雰囲気にのみ込まれ、実力を発揮できな
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地震、豪雨備え学ぶ 静岡県防災センターでワークショップ
災害対応の基礎知識を身に付ける防災・減災ワークショップがこのほど、静岡市葵区の県地震防災センターで開かれた。起震体験や河川形成プロセスを再現する水理実験を通して、小中学生の親子約60人が巨大地震や豪雨災害への備えを学んだ。 子どもたちの災害危機意識を高めようと東北大災害科学国際研究所や中部科学技術センターなどが主催した。 同研究所プロジェクト講師の保田真理さんが講演し、地震や津波のメカニズムを解説した。南海トラフ地震はいつ起きても不思議ではないとし「家族で避難場所や家具の固定などを確認してほしい」と強調。近年多発する豪雨災害については「気象予報や避難情報に耳を傾け、早めの避難行動が命を守
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ラーメン店、アプリで検索「ラ~ポン静岡版」 静岡県中部20店 しずおかオンラインが運用開始
地域の生活情報を発信するしずおかオンライン(静岡市葵区)が7月から、県内のラーメン店を紹介するアプリ「ラ~ポン静岡版」の運用を始めた。新型コロナ禍で地域経済が停滞する中、消費喚起の目的で導入した。 県中部の人気ラーメン店約20店舗を紹介している。味やエリア別に店舗を検索することができるほか、定期的にクーポンや新商品の情報を配信する。月額500円で有料会員に登録すれば、掲載店のラーメンが毎月1杯楽しめる。店巡りやお気に入り店舗の発掘に活用できるという。 アプリは新潟県の情報企業と連携して開発した。既に同県や石川、栃木、群馬県版が運用され、北陸や関東で約6万人が利用しているという。しずおかオ
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コーヒー抽出 全国大会で高評価 静岡の就労支援事業所
障害者の活躍をもっと知って-。コーヒーの抽出技術を競う障害者による全国大会「チャレンジコーヒーバリスタ」に静岡市清水区の就労継続支援B型事業所「キャンバス」が出場し、三つの特別賞を獲得した。コーヒーの焙煎(ばいせん)やドリップバッグ製造を手掛ける事業所は「日頃から品質の高い商品作りや丁寧な作業を心掛けている成果が評価された」と快挙を喜ぶ。 「コーヒーの味わいは豆をブレンドする割合や入れ方で変わります」 5月下旬、香ばしさが漂う事業所施設で、大会に出場した泉健斗さん(24)ら4人がコーヒーを抽出してくれた。指定された豆をブレンドし、専用器具で粉末に。香りが引き立つようにゆっくり湯を注ぐと、
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ビキニ事件伝承 核廃絶 杉本さん、聖火リレーで訴え
静岡県内での東京五輪聖火リレー2日目の24日、聖火は牧之原市を出発し、ゴール地点の沼津市まで県中東部の計8市町を巡った。ランナーは沿道の応援に応えながら、それぞれの思いを胸に力強く歩を進めた。 ■杉本さん 「明るい未来 つくりたい」 核兵器のない平和な社会へ-。焼津市の最終区間を走った杉本汐音さん(22)=同市=は、米国の水爆実験で焼津港所属のマグロ漁船「第五福竜丸」が被ばくしたビキニ事件(1954年)の伝承活動を続けている。幸せな日常を奪う核兵器の恐ろしさを訴え、「明るい未来をつくりたい」との思いを込めトーチを掲げた。 活動のきっかけは小学5年時に訪れた都立第五福竜丸展示館。地元の漁
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バルセロナ五輪「金」 岩崎恭子さん(沼津出身)聖火つなぐ 静岡県内リレー2日目
東京五輪の聖火リレーは24日、静岡県中部、東部の8市町を経て沼津市のプラサヴェルデに到着し、県内2日目の日程を終えた。最終区間には1992年バルセロナ五輪競泳金メダリストの岩崎恭子さん(42)=同市出身=が登場。到着セレモニーでトーチから聖火皿に点火し、開幕まで1カ月を切った平和の祭典を祝福した。 この日は牧之原市をスタートし、静岡空港や駿河湾フェリーなども巡りながら、総勢87人のランナーが16・4キロにわたって聖火をつないだ。最終区間で岩崎さんは市内24の小学校から1人ずつ選ばれた児童たちの伴走とともに、笑顔でリレー。ゴールで“希望の炎”を移して「新国立競技場に聖
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「金メダルへ突き進む」 車いすラグビー若山(静岡銀行)、パラ代表内定
東京パラリンピックの車いすラグビー日本代表に内定した若山英史(36)=静岡銀行、沼津市立高出=は21日、都内で開かれた代表発表会見で「すごくうれしい。金メダルに向かって突き進んでいきたい」と意気込みを語った。 ケビン監督は選手選考について、チームの将来を見据え、若山らベテラン勢と若手のバランスを重視したとし、「世界のトップと渡り合う準備が整った」と強調した。 日本は前回リオデジャネイロ大会で銅メダルを獲得し、2018年世界選手権で優勝した。東京大会では金メダル獲得の期待が掛かる。1次リーグはフランス、デンマーク、優勝候補のオーストラリアと同組で戦う。守備的な役割を担う「ローポインター」の
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鈴木孝幸(聖隷クリストファー高出)大会新 150個メも派遣基準切る 競泳ジャパンパラ大会
東京パラリンピックの代表選考会を兼ねた競泳のジャパンパラ大会の2日目は22日、横浜国際プールで行われ、静岡県勢は代表内定している鈴木孝幸(ゴールドウイン、聖隷クリストファー高出)が男子150メートル個人メドレー(運動機能障害SM4)に出場し、2分38秒76の大会新をマークした。女子150メートル自由形(知的障害)の芹沢美希香(宮前ドルフィン、沼津市出身)は1分7秒34で派遣基準記録を突破できなかった。 ■自己ベスト目前 好調ぶり物語る 前日の男子200メートル自由形(運動機能障害S4)に続き、鈴木が男子150メートル個人メドレー(SM4)でも東京パラリンピックの派遣基準記録を上回った。