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大学生が授業や部活動補助「学校体験」 静岡県教委、24年度から仲介 教員確保と意欲向上へ

 静岡県教委は2024年度から、小中学校の授業や部活動を補助する「学校体験活動」を希望する大学生に、補助を望む学校を紹介するマッチング事業を始める。県教委が関与することで、幅広い活動内容を学生に提供できるようになる。学校体験活動が活性化することで、教職を目指す学生の意欲向上と教員確保につなげる狙い。

学校体験活動のマッチング事業の流れ
学校体験活動のマッチング事業の流れ

 マッチング事業は、教員養成課程を持つ県内12大学の学生が対象となる。活動内容は部活動のほか、外国人児童の学習支援や、情報通信技術(ICT)を活用した授業運営、体育祭の運営、放課後の学習の補助などを想定する。
 県内の小中高、特別支援学校に対し、学生に補助してもらいたい活動内容や期間、募集人数、必要なスキルを記入したシートを提出してもらう。県教委が各校の希望内容を取りまとめ、一覧にした表を大学側に提供する仕組み。
 教育政策課によると、学校体験活動はこれまで各市町が学生の派遣依頼を個別に大学に伝えていた。ただ、活動内容の選択肢が限られるため、希望に合う活動がないとの理由で諦める学生もいたという。22年度に学生を受け入れたのは、県内公立小中高、特別支援学校計626校のうち、146校にとどまった。
 教員志願者の減少は、県内でも喫緊の課題となっている。21年度採用の教員試験から毎年、受験者は右肩下がりが続き、24年度採用は前年度比211人減の1940人(倍率3・7倍)だった。教育政策課の担当者は「教育実習以外で学校現場を体験することが、教職のやりがいや課題を知ることになる。若い教員の離職減少にもつながれば」と期待する。
 県教委は教育現場の業務を補助する学生の受け入れが、現職教員の多忙化解消や、各校の教育活動の充実にも効果があると見込んでいる。
 (政治部・大沼雄大)

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