記者コラム「清流」 恵みと営み
まぶしい日差しに照らされた深い青色の海面。焼津市役所の上階から眺める景色に、港町にやって来たことを実感する。
海からの頂き物が焼津の大きな魅力だが、決して自然の恵みだけで栄えてきたわけではない。先人たちの知恵と尽力によって日本有数の漁港に発展した経緯を、3人の水産翁(おう)を顕彰する慰霊祭の取材で知ることができた。
市がシティープロモーションの一環で制作したPR名刺には、地域の自慢として水産物に加え、生産が盛んなミニトマトや市の名前の由来となったとされる日本武尊も描かれていた。個人的には市内で生産されている志太梨も毎年楽しみにしている味覚だ。大地や歴史の恩恵によって育まれる営みにも目を向けながら、地域の人々の足跡を紙面に刻んでいきたい。
(焼津支局・市川淳一朗)