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テーマ : 選挙しずおか

時論(4月16日)五輪招致先送り 不信拭えるか

 2030年の冬季五輪・パラリンピック招致を目指してきた札幌市が、招致を34年大会に先送りする可能性が強まっている。五輪招致の是非が問われた札幌市長選の結果を受けてのことだ。
 札幌市長選は与野党相乗りの秋元克広氏が3選を果たしたが、得票率は約56%で前回選挙の約71%から大きく下げた。招致反対を掲げた2候補に4割超の票が流れ、秋元市長は「(五輪への)疑念や不信感があると感じた」と述べた。この結果では、招致活動を進めていくことは困難だろう。
 東京大会を巡る汚職、談合事件の影響で日本の機運が停滞。日本オリンピック委員会(JOC)と札幌市は昨年12月に積極的な機運醸成活動を休止している。札幌市長選後には、JOCの山下泰裕会長が招致時期の見直しを含めて検討する必要性に言及していた。
 日本の現状から、国際オリンピック委員会(IOC)も方針転換し、札幌市を最有力候補としていた30年の開催地を他の候補地に切り替えたとみられる。招致は34年に先送りするしかないのが実情だろう。
 ただ、地元経済界からは34年の開催を望む声があるとされる。北海道新幹線の札幌延伸の完了が31年以降と見込まれ、それに伴い札幌駅周辺などが再開発される。30年大会では間に合わないからだ。
 共同通信の札幌市長選の出口調査では、約60%が五輪招致に反対で、賛成は約35%でしかなかった。五輪への逆風は簡単には収まりそうもない。
 それでも開催したいというのなら、札幌市とJOCは、意義や効果を丁寧に説明し続ける必要がある。4年先送りするだけでは、不信感は拭えない。
 〈随時掲載します〉

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