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テーマ : 沼津市

沼津市予算案 課題解決へ前進予算 市制の節目、組織改革も  

 沼津市の頼重秀一市長は1日、2023年度予算案の発表記者会見で、7月1日の市制100周年を契機に、JR沼津駅の鉄道高架化や中心市街地再開発などが「新たにスタートする予算」と、積極型となった予算編成の意図を説明した。企画部を政策推進部と総務部に分ける組織改革も実施することも明らかにし、「予算と併せて、これから具体的に政策を推進する姿勢を示す」と意欲を述べた。

沼津市の2023年度主要事業
沼津市の2023年度主要事業


 23年度予算案は、市民生活向上▽交流拡大・にぎわいの創出▽産業振興▽安全・安心―の四つの大きな柱を掲げた。それぞれの柱の中に市制100周年の節目として、36の関連事業に約2億3千万円を計上した。
 駅北口の杉崎町の市有地にスケートボードなどのストリートスポーツを楽しめる公園を実験的に整備する他、保護者から要望の多かった保育施設での使用済み紙おむつ持ち帰り廃止の支援などに取り組む。
 頼重市長は積極予算と組織改革を併せて「課題を前に進めていく」と強調した。

 長期財政の試算公表 早期健全化基準下回る
 沼津市は1日、2022年度から51年度までの30年間の長期財政に関する試算を公表した。沼津駅鉄道高架事業費の増加などを踏まえ、長期的な市の財政負担を明らかにするのが目的。財政規模に対する負債の割合を示す将来負担比率は33年度の最大80・7%で、国の早期健全化基準(350%)を下回るとした。
 試算の公表は17年以来。歳入は市の人口が50年度に15万4089人に減少すると想定し、市税収入を算出した。ごみ中間処理施設の整備がピークとなる28年度が歳入・歳出共に最大で、同年の普通建設事業費は290億円に膨らむとした。
 公債費は新総合体育館の償還が完了する42年度の102億5千万円がピークと予想。43年度の実質公債費比率は14・6%に上昇するが、国の早期健全化基準(25%)を下回るとした。

記者の目 子ども施策アピールを
 市制100周年を7月に控える沼津市の2023年度一般会計当初予算案は、2年連続で過去最高額となった。沼津駅鉄道高架化の道筋が付き、官民双方が中心市街地の再整備へ本格的に動き出した現れと言える。
 一方、歳入の根幹をなす市税収入は前年比でほぼ横ばい。人口減少が確定的な中、今後は市街地の再整備を活用し、次代を担う人口をどう増やすかが課題となる。
 23年度予算案には、保育施設での使用済み紙おむつの持ち帰り廃止や、中学校の部活動改革など、先進的な子育て・教育施策の関連費も盛り込まれた。次の100年を担う子どもたちが住み続けたくなるような施策と、そのアピールが求められる。

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