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持続可能な公共交通へ 事業者と連携し利活用促進 静岡県が計画案 人材確保を明記

 静岡県は22日までに、持続可能な公共交通機関の在り方を示す「ふじのくに地域公共交通計画」の案をまとめた。人口減少や運転手不足など公共交通を取り巻く環境が厳しさを増す中、交通事業者や市町との連携を強化し、交通ネットワークの維持確保や利活用促進、サービスの高度化を図る。運転手など公共交通を支える人材確保も明記した。

公共交通機関の利用頻度
公共交通機関の利用頻度


 計画案は2050年ごろに実現を目指す姿をまとめた「ビジョン編」と、24~28年度の5年間で取り組む具体的な施策を示した「プラン編」で構成。このうちプラン編は「地域の足を支える公共交通の確保」と「乗りやすい、乗ってみたい公共交通の提供」を基本方針に据えた。
 公共交通をほとんど利用しない県民が6割超を占めるとのアンケート結果を踏まえ、自家用車からの利用転換を図る。バス路線などの案内を充実させたり、PRイベントを開催したりして情報発信を強化する。デジタル技術を活用したサービスの効率化・高度化、運転手の労働環境改善と多様な人材が活躍できる環境づくりを進める。交通空白地での交通手段の維持・確保、環境に配慮した車両の導入、訪日外国人など旅行者の受け入れ環境整備も盛り込んだ。
 地域公共交通を取り巻く現状については、新型コロナウイルス禍で落ち込んだ利用者数が回復せず、運転手不足も深刻化しているとして「サービス水準の確保が困難となる危機に直面している」と指摘。さまざまな利活用促進策に取り組むことで、県民1人当たりの公共交通機関の利用回数を20年度の48回から28年度に72回以上へ引き上げる数値目標を掲げた。
 県は22年7月、県内の交通事業者や市町、学識経験者らでつくる協議会を発足。県民アンケートや現状の課題分析を進めてきた。2月26日まで計画案についてパブリックコメント(意見公募)を実施し、23年度中に計画を取りまとめる。
 (政治部・森田憲吾)

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