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放課後児童会 運営支援 安心な預け先 持続的に【検証 浜松市予算案㊦】

 ランドセルを背負った北浜小(浜松市浜名区)の子どもたちが向かったのは、学校敷地内にある2階建ての集会所風の建築物。宿題に向かったり、絵本を読んだりして放課後の時間を過ごす。放課後児童会「第三秋桜(こすもす)クラブ」の主任支援員足立明美さん(65)は「この建物のおかげで定員から漏れる子もだいぶ減った」と説明する。

「第二秋桜クラブ」で宿題に励む子ども。浜松市は放課後児童会の運営の持続可能性を高められるよう事業を進める方針=2月上旬、同市浜名区
「第二秋桜クラブ」で宿題に励む子ども。浜松市は放課後児童会の運営の持続可能性を高められるよう事業を進める方針=2月上旬、同市浜名区

 放課後児童会の第二、第三秋桜クラブが児童を預かる建物は、一部が地元消防団の会議室と兼用だ。2022年4月に供用を開始。元々一つだった秋桜クラブは三つに増え、現在の定員は3クラブで計110人。放課後児童会の待機児童の問題は解消されつつある。
 同区の会社員伊藤沙由里さん(38)は2年生と1年生のきょうだいを第二秋桜クラブに預けている。その上の子も第二秋桜が始まる前に秋桜クラブを利用したが、3年生に進級するタイミングで選考に漏れた。「今後も安心して子どもを預けられる場を保てるようにしてほしい」と求める。
 市は24年度当初予算案で「放課後児童会運営支援事業」に20億8千万円を計上した。民設民営放課後児童会へ補助金を拡充し、民間活力の導入を促進する。
 北浜小を含む旧浜北市域ではNPO法人、合併前の浜松市域では学校のPTA役員らでつくる有償ボランティアが中心になって運営するなど、同市の放課後児童会はほかの自治体と事情がやや異なる。近年はさまざまな特性のある子どもが利用し、トラブルへの慎重な対応が求められる事情もある。市は同一仕様による運営委託化を進め、24年度に完了する。NPOや有償ボランティアに代わり、専門事業者が運営を担う。
 20年度に495人いた待機児童は23年度、190人まで減少した。一方、年度や地域、子どもが習い事を始める夏休み前後で待機につながる需要にばらつきが見られ、利用者数の予測を立てにくい点が課題として残る。
 市は24年度、民設民営方式の施設を増やし、校外施設で複数校の児童に対応することで需要のばらつきを補う考えだ。市学校・地域連携担当課の鈴木健一郎課長は「保護者が安心して子を預け、働き続けるため、放課後児童会も持続可能な運営が必要」と強調する。

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