大人の自覚、未来担う決意新た 二十歳祝う式典【静岡県東部】
成人の日を前に県東部各地で7日、二十歳を祝う式典が開かれた。新型コロナウイルス感染症の5類移行を受け、多くの出席者はマスクを着用せず晴れやかな表情を見せた。友人との対面を喜び、未来を担う決意を新たにした。
沼津市は、市内各中学校区の代表者19人による模擬議会「二十歳の議会」を市議会議場で開いた。3人が一般質問を行った。地方政治に目を向け、大人としての自覚を新たにした。
3人は市の結婚支援策や教育現場でのICT活用方法、津波対策について質問し、頼重秀一市長らが答弁した。その後、千本浜や自然など、それぞれが考えた「沼津の宝」を19人が一言ずつ発表。生活者の視点から防災、教育などの地域課題について問題提起した。
同市は市内17中学校区ごとに「二十歳の集い」を開き、1320人が出席した。戸田地区は4日に開催した。
長泉 アルバム上映、笑顔あふれる
長泉町は二十歳の集いを町文化センターで開き、375人が出席した。実行委が企画したアルバムの上映や中学時代の恩師から思い出話に、出席者の笑顔があふれた。
代表して山田莉央さんと上原大和さんが「長泉町で育ったことを誇りに夢に向かって精進する」と誓った。池田修町長は「若い力を長泉町で大いに発揮してほしい」と期待を込めた。
小山 富士山を背に記念写真撮影
小山町は町総合文化会館で二十歳を祝う式典を開いた。本年度に20歳を迎える129人が、富士山を背に記念撮影などを楽しんだ。
代表の言葉では小川稜真さんと斉藤茜さんが壇上に立った。小川さんは幕末を生きた高杉晋作の辞世の句「面白きこともなき世をおもしろく」を紹介し、前向きに生きていく姿勢を強調した。斉藤さんは「目標を念頭に置き、お世話になった方に恩返しできるよう努力する」と抱負を述べた。
三島 絶えず努力 社会貢献したい
三島市などは二十歳を祝う式典を市民文化会館で行った。本年度中に20歳を迎える839人が出席した。
二十歳の誓いには、山本笙太朗さんと佐藤舞佳さんが登壇した。家族や友人、恩師らへの感謝を口にし「絶えず努力し壁を乗り越えていくことで社会に貢献できる大人になる」「社会貢献を通じて自己実現を果たせるようさらなる研鑽(けんさん)を積んでいく」と決意を述べた。
晴れ着姿で式典に臨む参加者=三島市民文化会館
伊東 仲間とともに壁乗り越える
伊東市などは「二十歳式(はたちしき)」を市観光会館で開いた。該当者496人のうち377人が参加し、決意を新たにした。
実行委員長の森川瑶太さんが「これからたくさんの大きな壁にぶつかると思う。自分だけの力ではなく、ここにいる仲間たちに頼り、その壁を乗り越えていこう」と呼びかけた。副実行委員長の上原悠人さんと村上海斗さんが誓いの言葉を述べた。
熱海 節目迎え躍進誓う 二十歳の言葉「新」発表
熱海市のMOA美術館では、晴れ着姿の164人が式典に臨んだ。家族や恩師が見守る中、二十歳が選ぶ言葉として「新」を発表した。「新」と刻んだ記念プレートを後日、熱海サンビーチ遊歩道に設置する。
二十歳の集いの対象者は前年と比べて17人多い236人(男123人、女113人)で、出席率は69・5%。斉藤栄市長は「夢や目標に向かい、一心不乱に努力を」と式辞を述べた。
下田 意思持ち行動 宣誓に力込め
賀茂地域の各市町でも式典が開かれ、下田市の下田中では125人の節目を祝った。
代表して和泉虎太郎さんと福松里紗さんは「開国の地に生まれ育ったことを誇りに、世界の平和を創造します」と宣言。「二十歳の誓い」と題し、笹本大志さんと長池未早さんは「離れれば離れるほど下田の良さに気づく」「自らの意思を持って行動したい」と言葉に力を込めた。
国歌斉唱する出席者=下田中
函南 時代の変化に柔軟な対応を
函南町などは「はたちの集い」を町文化センターで開いた。本年度に20歳を迎える292人が出席。友人や恩師らとの再会を喜び、写真を撮り合うなどした。
はたちの宣誓では、千葉大志さんと宇野遥子さんが登壇し「社会の一員として、時代の変化に柔軟に対応し行動することを誓います」と述べた。仁科喜世志町長は「若さは強み。今しかできないことに挑戦してほしい」と激励した。
はたちの宣誓をする代表者=函南町文化センター
裾野 世界の問題に向き合いたい
裾野市は「はたちの会」を市民文化センターで2部に分けて行った。計408人の出席者が久々に顔を合わせた友人と写真を撮り合い、思い出話に花を咲かせた。
久しぶりの再会を喜び写真撮影をする出席者ら=裾野市民文化センター
2部を代表して石塚理紗さんが「裾野市での経験が今に生きている。一人の大人として世界の問題に向き合いたい」と決意を述べた。村田悠市長は「これからの世界の価値観は、皆さんが得た知識が創造していくはず」と後押しした。
富士宮 恩師制作の動画に歓声
富士宮市では「二十歳を祝う集い」が中学校区ごとに行われた。対象1565人のうち1075人が出席して級友との再会を喜び、将来の活躍を誓い合った。
動画を視聴して中学校での生活を思い返す出席者=富士宮市民文化会館
二中校区の対象者は市民文化会館で恩師が制作した動画を視聴した。中学での休み時間や修学旅行の写真が登場すると歓声が上がった。出席者を代表して大学生の石川七海さんは「感謝を忘れず、まっすぐに生きていきたい」と決意を新たにした。
御殿場 感謝を忘れず行動に責任を
御殿場市は市民会館で二十歳を祝う式典を開いた。本年度に20歳を迎える725人が集い、友人たちと思い出話に花を咲かせた。
久々に会った友人と談笑する参加者=御殿場市の市民会館
代表して杉山晴哉さんが「夢をかなえるために社会の一員として一歩を踏み出し、御殿場の未来に貢献する」と抱負を述べた。萩倉麻友さんも「支えへの感謝を忘れず、行動に責任を持つ」と誓った。
市が注力する「木育」を象徴する記念品として、市は小中学校の机の天板を再利用したスマートフォン立てを贈った。
富士 「故郷の経験 背中押す」
富士市のロゼシアターには1790人が集い、今後の躍進を誓い合った。幼少期の思い出の写真や中学校の恩師のビデオメッセージが上映されると、参加者から何度も拍手や歓声が上がった。
学校での思い出を語り合う参加者=富士市内
式典の実行委員を務めた増田陽斗さんは「苦しい時はこの街で過ごした経験が背中を押してくれる。ともに明るい未来へ踏み出そう」と力強く呼びかけた。
再合した仲間と写真を撮る参加者=富士市内
清水町 再会喜び合い思い出を共有
清水町では約250人が町地域交流センターで開かれた式典に出席した。代表の秋山珠羽さんは「社会に貢献できる人間に」、松林さとみさんは「患者さんと心がつながる看護師に」と誓った。
再会を喜び合う出席者=清水町地域交流センター
第2部は中学時代の恩師へのインタビューを行い、恩師が壇上に姿を見せると会場から歓声が上がった。行事での失敗や修学旅行中の思い出が明かされ、互いに当時を懐かしんだ。
誓いの言葉を述べる秋山さん(右)と松林さん=清水町地域交流センター