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テーマ : 選挙しずおか

静岡県議選 終盤の情勢 中部

立候補者とともに気勢を上げる支持者=3月31日、静岡市清水区
立候補者とともに気勢を上げる支持者=3月31日、静岡市清水区

■静岡市駿河区(4―5) 自公現職 手堅い戦い 現新3候補横一線 
 岡山晃一郎 31 維新
 佐地茂人 52 自現
 杉山淳 60 立現
 相坂摂治 49 自現
 牧野正史 50 公現

 自民現職と公明現職が手堅く選挙戦を進め、立民現職、維新新人、自民現職が横一線で追う展開で終盤を迎えた。投票率は前回の45・40%を下回るとの見方が強い。
 相坂候補は選挙区の有権者の約3割が住む地元の長田を固め、沿岸部の中島、大谷、久能でも浸透。トップ当選をうかがう。自民公認を前面に出し、建設、医療など業界団体の推薦を100以上得て組織戦を展開する。宮竹、富士見で他候補と争うほか、浮動票が多い中田や南部を重点地区に定め票の上積みを狙う。
 牧野候補は党と支援組織がフル稼働し、優位に選挙を戦う。地元の小鹿を中心に浸透を図る。公明支持層を固めたほか、一部の自民、共産支持層に食い込む。1期目の実績をアピールし、支持層の拡大を目指す。地盤が近い候補がいて、地元で票の奪い合いが予想されることから選挙区全域をくまなく回る。
 再選を狙う杉山候補は拠点の富士見台、登呂、有東など中部方面で浸透する。党支持層に加えて無党派層や共産の支持も一定程度集める。出身の自治労や高校OBの関係者が陣営を支える。「脱原子力エネルギー依存」を訴える唯一の候補とアピールし、反原発の有権者にも食い込もうと懸命だ。
 岡山候補は若さや行政改革の実現をアピールし、党支持層や無党派層のほか、長田でも一部浸透する。立候補を表明した昨年10月以降、ほぼ毎日街頭演説を行い、顔を売り込んできた。選挙中は有権者との距離を縮めようと自転車で移動する。党国会議員が連日応援に駆け付け、経営者仲間や家族が選対を支える。
 4選を期す佐地候補は地盤とする静岡駅南の森下、南部、大里西で手堅く集票する。西豊田と富士見で公明候補や野党系候補と激しく争う。今回は企業、団体回りにも力を入れ、前回選を上回る約180の推薦を取り付けた。東豊田や東源台で新たに支援を呼びかけるほか、大谷や中田でも支持拡大を狙う。

■静岡市葵区(5―8) 自民ベテランがリード 市長選との連動限定的
 鈴木節子 68 共現
 天野多美子 51 無新
 斎藤佳代 40 無新
 小長井由雄 69 無現
 天野一 80 自現
 遠藤行洋 61 無元
 山本彰彦 58 公新
 平島政二 63 維新

 8人が乱立した県内屈指の激戦区。知名度と組織力に勝る自民のベテラン現職がリードする。公明新人と共産現職が手堅い戦いを見せる中、無所属現職と自民支部推薦の無所属新人、無所属元職、無所属新人、維新新人が当選圏入りを目指して激しく競り合う。県議を5期務めた山田誠氏の市長選転出に伴い、前回選の得票の行方が注目される。
 市長選との連動は限定的で、投票率は前回の48・27%を下回るとの見方が強い。複数の陣営が「当落ラインは1万3千~1万4千票」と予想する。無党派層の動向が勝敗の鍵を握る。
 10選を目指す天野一候補は手堅い組織戦で優位に立つ。地元安東や安倍川筋をはじめ全域で浸透。自民市議の全面的な支援を受け、政治経験や実績をアピールする。山田氏が地盤としてきた東部地域でも票の上積みに余念がない。
 引退県議の後継として立った山本候補は市議6期の実績を生かし、県と市のパイプ役を担うと訴える。党組織や支援組織がフル回転し、地元の平和周辺でも浸透。こまめに街頭演説を重ね、支持固めに注力している。
 鈴木候補は給食費の無償化実現やリニア中央新幹線の建設工事反対、浜岡原発廃炉などを訴え、共産支持層に広く浸透する。静岡市長選の候補者と街頭で並び立つなど相乗効果を狙い、票の掘り起こしを図っている。
 小長井候補は地盤とする旧安倍6村の中山間地を中心に足場を固める。藁科で着実に支持を拡大。県議5期で培った人脈を生かしつつ、非自民票や浮動票の取り込みに力を入れている。野党系の市議も側面支援する。
 自民支部の推薦を受ける天野多候補は地元の横内で票を固め、千代田、竜南をはじめ全域で支持拡大を目指す。当事者の立場から女性や子育ての支援に取り組むと訴え、無党派層や女性から一定の支持を集めている。
 遠藤候補は山田氏が地盤としていた瀬名のほか、安倍口、足久保を重点地域と位置づけ、精力的に遊説をこなす。元アナウンサーの知名度を生かし、浮動票の掘り起こしに懸命。平山佐知子参院議員の事務所がサポートする。
 斎藤候補はまちづくり活動で培ったネットワークを生かし、無党派層への浸透を目指す。出馬の決断が2月上旬と出遅れたが、中心市街地の自治会などの支援も受け、草の根の活動を展開。前回選で獲得した1万1千票の上積みを狙う。
 平島候補は党所属国会議員が相次いで応援に駆け付け、商店街を練り歩くなど維新カラーを前面に出した選挙戦を展開。静岡でも「身を切る改革」を進めるとアピールし、保守層の切り崩しを目指す。地元の足久保でも支持拡大を図る。

■焼津市(2―4) 良知氏が一歩抜け出す 塚本、松島、諸田氏猛追
 塚本大 48 無元
 松島和久 63 自新
 良知淳行 58 自現
 諸田洋之 56 無現
 現職元職新人の計4候補による2議席を巡る争いは、良知候補が頭一つ抜け出し、塚本候補が猛追、松島候補、諸田候補が激しく追い上げる展開で最終盤を迎えた。選挙戦の関心は低く、投票率は40%台前半にとどまりそう。各陣営とも自らの地盤を固め有権者の支持獲得に注力する。
 良知候補は地盤の和田・港を軸に市内全域に支援の輪を広げる。現職3期の経験やこれまでの実績への評価を背景に、水産、福祉、医療関係からの支持を取り付ける。党県連幹事長の職務からやや出遅れたものの、「党三役を落とすわけにはいかない」と陣営は引き締まり、自民系市議の支えも受け支持を広げる。
 塚本候補は前回選の雪辱を果たそうと、当初から陣営の結束が固い。4候補中最年少という若さと、市議と県議で計16年の議員経験を武器に、地盤の大富を固め、大井川にも支持を広げる。前回とは異なり、無所属での立候補であることから、従来の支援者に加え、自民に批判的な層の受け皿となっている。
 松島候補は地元八楠など市内北部で支持を集めている。序盤は唯一の新人であることから厳しい戦いが予想されたが、出身の地元高校の人脈や市議時代の後援者を足掛かりに、自民支持者を中心に支援の輪が広がっている。自民系市議も陣営に入り、農業関係者や大票田の小川で支持を取り付けようと活動を展開する。
 諸田候補は地元の豊田を固め、市内全域で支持を集める。2期8年で市内全域をこまめに回って、地域課題解決につなげてきたことを強調し、他候補との差別化を図り、選挙戦を繰り広げている。これまでの実績が評価され、従来の支持者はもとより、無党派層や自民支持の一部にも浸透している。

■静岡市清水区(4―5) 「空席」巡り3新人激戦 女性3氏で票分散も 
 望月香世子 43 自現
 盛月寿美 55 公現
 中山真珠 27 国新
 伊藤高義 47 自新
 松井優介 39 無新
 現職2人が頭一つ抜け、トップ当選争いを繰り広げる。ベテラン2人が引退を決めたため、空いた2議席を新人3候補が獲得に向けてしのぎを削る。
 盛月候補は支援組織以外にも、自身が会長を務める清水西高同窓会や地元の複数の連合自治会、地元有力企業などの支援を受ける。女性の就労環境改善や子育て支援、昨秋の台風15号襲来時の被災地支援など「3期12年の実績」をアピールし、区内全域への浸透を図る。
 望月候補は初当選した21年の補欠選挙に続き、父の故望月義夫元環境相の支持者らの厚い支持を受ける。楽観視の向きもあるが、選挙区内に女性候補が3人立ち、女性支持層の分散が懸念。保守票が自民新人に流れる可能性を危惧する声もあり陣営幹部は組織の引き締めを強める。
 中山候補は27歳の若さを前面に出し、今期で引退する林芳久仁県議の後継をアピールする。地元労組関係者らの支持をまとめるのに懸命。後継指名をせずに引退を表明した中沢通訓県議も鳥坂地区の集会に出席したり、支援を要請するはがきを出したりするなど部分的な支援に回る。
 伊藤候補は21年補選で望月候補の支持に回らなかった保守層や、1970~80年代に県議を務めた実父(故人)の元支持者の取り込みを狙う。長年続けてきた市民活動の経験も生かし無党派層への支持拡大も視野に入れる。2議席確保を狙う自民静岡市清水支部の支援も熱を帯びる。
 松井候補は選挙区内唯一の無所属候補として「しがらみのない市民目線の政治の実現」を訴える。桜ケ丘病院の移転問題に取り組む市民団体の支援を受け、草の根選挙を展開する。中沢県議を支持した一部の市議らが支援に回っているほか、共産支持者らも応援している。

 選挙区名、白抜き数字は定数、その下の数字は立候補者数。立候補者名は届け出順。氏名、年齢(投票日基準)、党派、現元新の順。

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