【点検!静岡県予算案】プロと連携 スポーツ・観光で経済活性化 人材確保にも配慮
静岡県の2024年度当初予算案は「スポーツの総合産業化」を重点の一つに据えた。本県初のプロ野球チーム誕生など、相次いで県内に発足するプロチームとの連携を打ち出し、観光、医療分野などとスポーツとの融合で地域や経済を活性化させる。観光分野では人材確保策にも予算配分した。
「スポーツチーム連携推進事業」は、プロを含めた県内9競技18チームを対象にファン拡大事業や地元貢献活動、ビジネス創出を促して地域への浸透を図る。1チーム500万円程度の委託費を想定する。伊豆市のサイクルスポーツセンター内にある解析機器などを自転車競技以外の県内プロチームも活用できるようにしてトップ選手の競技力向上に生かす事業には1千万円を計上した。将来的にジュニア世代に拡大して競技力を底上げする。
牧之原市のサーフィンなどの成功例を生かし、スポーツを核にしたまちづくりに取り組む市町に上限450万円を助成する。事業費1300万円を用意した。
JFAアカデミー福島との交流大会や、女子サッカー専属の女性ユースダイレクター起用に計1800万円、障害者スポーツセンター機能の基本計画策定費に4100万円を見込んだ。
文化関連では、日本平一帯への誘客拡大のため、地域計画策定やアート企画などに7300万円を計上した。入山管理システムによる弾丸登山対策を新たに盛り込む富士山世界遺産関連は23年度当初比2割増の2億8400万円とした。
観光関連では、アニメやロケ地、スポーツなどの観光資源を生かし、旅行者それぞれの「推し」を楽しむ「推し旅」の商品化などに1億7900万円、人手不足が深刻化する宿泊業の経営基盤強化に1億500万円を確保し、市町と連動し社員寮の更新・改修やデジタル化を助成する。浜名湖花博2024の運営費負担金は2400万円とした。
開港15周年の静岡空港振興は23年度当初比1億7千万円増の総額32億9500万円。運航再開や就航に向けて地上支援業務を担う事業者の人手不足対策、国際線の運航経費の助成に6億2500万円を費やす。