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障害者虐待最多 静岡県内、2022年度77件 施設での発生増

 2022年度に静岡県内の障害者が家族や障害者福祉施設職員らから虐待を受けた件数が77件に上ったことが、22日までの県のまとめで分かった。前年度から3件増え、障害者虐待防止法が施行された12年度以降で最も多かった。家族らによる虐待が前年度を下回る一方、施設職員による虐待は最多を更新した。

静岡県内の障害者虐待件数推移
静岡県内の障害者虐待件数推移

 県障害者政策課は増加の理由について「虐待防止の研修が事業所に義務づけられ、虐待や通報に対する意識が高まったのではないか」と指摘した。県や県内市町に寄せられた相談・通報件数は8件増の181件と増加傾向にある。
 施設職員による虐待は5件増の28件だった。利用者を平手打ちする、腹部をたたくといった身体的虐待が16件で最も多く、半数超を占めた。暴言などの心理的虐待が8件、性的虐待が3件で続いた。虐待があった施設を種類別にみると、障害者支援施設が12件、グループホームが10件などとなった。
 家族らによる虐待は2件減の49件。身体的虐待が26件、心理的虐待は20件と目立った。虐待をした人は父が最多の17件で、母11件、配偶者8件などとなった。
 調査は障害者虐待防止法に基づき実施。県内では22年度、沼津市の精神科病院で看護師らによる患者への暴行が発覚したが、精神科病院は集計に含まれていない。厚生労働省によると、22年度に全国の自治体が確認した障害者への虐待件数は前年度比386件増の3079件だった。
 (政治部・森田憲吾)

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