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「沼津最古」国文化財の海瀬家主屋、100年ぶり屋根修繕 CFなどで費用 「地域とつながり実感」

 現存する沼津市内最古の住宅建築とされ、国の有形文化財に昨夏登録された「海瀬家住宅主屋」(同市西浦河内)の約100年ぶりの屋根修繕が完了した。宮大工の伝統工法による修繕が必要だったため、費用は1740万円に上ったが、クラウドファンディング(CF)で集まった732万円を一部に充てた。

約330平方メートルの瓦をふき替える屋根修繕を終えた海瀬家住宅主屋=沼津市西浦河内
約330平方メートルの瓦をふき替える屋根修繕を終えた海瀬家住宅主屋=沼津市西浦河内

 海瀬家は江戸から明治にかけて旧河内村の名主や戸長を務めた旧家で、屋号は「仲屋」。約160年前に建てられ、毎年7月に開く「天王祭」では、獅子舞神楽を奉納する舞台として使用されている。近年は経年劣化や風雨の影響で崩壊の危機に直面。約330平方メートルの大屋根の雨漏りがひどく、既存の瓦より軽いガルバリウム鋼板にふき替えたという。
 現在も自費で主屋の屋根以外を修繕中。7月の天王祭で例年通り、獅子舞神楽の舞台として近隣住民に披露する予定。支援者214人のうち、半分は地元からの寄付だったという。
 仲屋代表の望月万葉さん(62)は「修繕を機に、代々続く地域とのつながりを実感するとともに、海瀬家の役割と次世代につなげる責任を感じた」と支援者への謝意を述べた。
 (東部総局・菊地真生)

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