テーマ : 沼津市

早田連覇 張本14歳以来のV 卓球・全日本選手権

 卓球の全日本選手権最終日は28日、東京体育館でシングルスが行われ、2年連続同カードとなった男子決勝は張本智和(智和企画)が3連覇を狙った戸上隼輔(明大)に4-3で逆転勝ちし、6大会ぶり2度目の優勝を遂げた。女子決勝は早田ひな(日本生命)が15歳の張本美和(木下アカデミー)に4-0で快勝し、2大会連続3度目の優勝を果たした。

男子シングルス決勝でプレーする張本智和=東京体育館
男子シングルス決勝でプレーする張本智和=東京体育館
女子シングルス決勝でプレーする早田ひな
女子シングルス決勝でプレーする早田ひな
男子シングルス決勝でプレーする張本智和=東京体育館
女子シングルス決勝でプレーする早田ひな

 パリ五輪シングルス代表男女各2枠の選考レースが終わり、男子は張本智と戸上、女子は早田と平野美宇(木下グループ、沼津市出身)が代表入りを確実とした。五輪の団体要員の男女各1人は2月5日に発表される。日本は世界選手権団体戦で準々決勝に進出すれば五輪の団体の出場権を獲得、五輪シングルス2枠が与えられる。

 ▽男子シングルス準決勝
戸上(明大) 4(8―11 11―6 9―11 11―4 11―9 9―11 11―9)3 吉村(TEAMMAHARU)

張本智(智和企画) 4(11―8 11―5 11―6 7―11 14―12)1 篠塚(愛知工大)

 ▽同決勝
張本智 4(8―11 12―10 9―11 8―11 11―9 14―12 16―14)3 戸上

 ▽女子シングルス準決勝
早田(日本生命) 4(11―9 11―5 11―6 11―4)0 赤江(デンソー)

張本美(木下アカデミー) 4(11―5 11―6 11―6 11―7)0 横井(ミキハウス)

 ▽同決勝
早田 4(11―9 11―9 11―6 11―7)0 張本美

張本「これで正真正銘のエース」  史上最年少の14歳で達成して以来の日本一をつかんだ張本智は、突っ伏して顔を手で覆った。パリ五輪代表入りが確実な2人がぶつかった男子シングルス頂上決戦。大逆転で制し「あれだけマッチポイントを取られて、脚がつりそうになっても耐えられた。神様が勝たせてくれたとしか思えない」と感極まった。
 崖っぷちから真価を発揮し、3ゲームを連取した。激しいラリーの中で台の隅を正確に狙い、相手の強烈なフォアハンドも完璧なブロックで対応。第6ゲームは14-12、最終ゲームは16-14という紙一重の勝負だった。あと1失点で負けという場面を8度もしのぎ、最後はフォアの強打で勝負を決めた。「本当に言葉が出ない。初なんじゃないかというくらい全日本の優勝の仕方を忘れて…」と声を詰まらせた。
 前回大会の決勝で敗れるなど、苦戦続きだった2歳上のライバル戸上に大一番で雪辱。「これで正真正銘、自分が日本のエースなんだと言える」と大きな自信を得た。
 ここからは五輪本番に向けて仕上げていくだけだ。「(五輪の)当日は準備してきたものを出すだけなので、それまでの練習、勉強が大事。(今大会の)表彰台を下りたら五輪が始まると思って頑張りたい」と気を引き締めた。
早田 五輪レース独走 貫禄示す  初戦の4回戦から計6試合で落としたのは1ゲームだけ。女子の早田は金メダルを目指すパリ五輪での重圧を想定して臨み、エースの貫禄を示した。決勝は気鋭の張本美を寄せ付けず「いろいろな選手が自分に勝つために対策をするけど、今大会は対応力が高かった」と胸を張った。
 昨年11月の選考会で敗れた15歳の相手を冷静に攻略した。第1ゲームは5-9から多彩なサーブで崩して6連続得点。ラリーでは劣勢でも台に少しずつ寄って打点を早め、攻めに転じるプレーが光った。「相手が難しいところや逆を突いて、1球ずつの選択が良かった」と納得顔だった。
 東京五輪で補欠だった悔しさを糧に成長した23歳。今回の選考レースは独走し、昨秋には早々とシングルス代表入りを確実にした。「五輪でいつも通りプレーできるように、もっと自分に厳しく一日一日過ごしたい」。初めて挑む半年後の五輪を見据え、慢心は一切なかった。
張本美、完敗に涙 最年少優勝逃す  女子シングルスで最年少優勝が懸かっていた張本美は早田に完敗した。「ここまで来ることができてうれしいが、悔しい気持ちもある。早田選手は本当に強かった」と涙ながらに話した。
 準決勝は横井(ミキハウス)を寄せ付けずにストレート勝ち。勢いに乗って臨んだ決勝は日本女子のエースにはね返されて「自分に足りないところがたくさんあった」と力不足を認めた。
 頂点に届かなかったが、パリ五輪の団体要員の1枠に向けて大きなアピールとなった。「もちろん出たい気持ちはあるが、自分がどうこうできる問題ではない。ただ待つしかない」と語った。
五輪女子団体 張本美 有力か  日本協会の強化本部が決めるパリ五輪の団体要員の男女各1人は、ともに世界ランキングで日本勢3番手につける男子の松島輝空(木下アカデミー)と女子の張本美が有力とみられる。決勝後に取材に応じた男子の田勢監督は「いろいろなことを考えながら決めたい」と言い、女子の渡辺監督は「会議を重ねて決定する。非常に悩ましいぐらいの激戦だった」と話した。
 女子シングルス代表入りを逃した伊藤美誠(スターツ、磐田市出身)が「(団体要員に)選出されても出るかは決まっていない」と辞退を示唆したことについて、渡辺監督は「五輪で一番勝てる選手に出てもらいたい」と説明し、伊藤の意思を確認しない方針を示した。

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