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夜間に「路線タクシー」 バス停を活用 沼津市が来年度、実証運行

 沼津市は2024年度、“路線バス仕様”の夜間の乗り合いタクシーを導入する方針を固めた。路線バスの運行を終えた夜の時間帯に、バスの運行ルートをコースとして、各停留所まで利用者を乗せる構想。バスの便数減と路線撤退が加速する中、地域の公共交通手段の確保を目指す。29日、関係者への取材で分かった。

路線バスとタクシーが乗り入れるJR沼津駅南口。公共交通手段の確保へ新たな取り組みが始まる=1月下旬、沼津市
路線バスとタクシーが乗り入れるJR沼津駅南口。公共交通手段の確保へ新たな取り組みが始まる=1月下旬、沼津市

 導入時期や走行台数、料金システムなど詳細は、市内に乗り入れている地元のタクシー団体と今後調整する。ルートはニーズを把握する実証運行を経て、最終決定する。利用者が一定数見込めるJR沼津駅発着のバス路線が軸になるとみられる。バス運行終了後の駅のロータリーには乗り合いタクシーが停留、4人乗りのタクシーが各バス停まで利用者を運ぶ計画という。終点から先までの乗車を希望する場合は別途料金を必要とする方向。
 市は運転手不足や需要減に伴う路線バスの運行撤退が市内の郊外を中心に続いているとして、駅周辺の中心市街地と郊外を結ぶ路線維持を模索してきた。交通インフラが乏しい市南部の戸田や三浦(さんうら)地区では運行を事業者に委託し、市西部も片浜と原の両駅を起点に循環バスを走らせるなど移動手段の確保に努めている。
 市内は沼津駅を中心に3社のバス路線が放射線状に広範囲に整備されている。市は中心市街地とつながる既存のバス運行への支援と合わせ、市内に乗り入れるタクシー事業者と連携することで相互補完も図る考え。
 (東部総局・高橋和之)

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