テーマ : 沼津市

コラム窓辺 歌い継ぐ「浮島のうた」(白井貴子/シンガー・ソングライター)

 2012年、沼津市立浮島中学校の「浮島のうた」の作曲を担当しました。静岡市出身の歌人田中章義さんによる授業で子どもたちが詠んだ短歌を田中さんが編集した詩に、メロディーを付けました。

白井貴子氏
白井貴子氏


 湧き水が豊かにあふれる浮島の
 空を仰げばツバメ飛び
 大地を見れば富士が在り
 ナヨナヨワスレナグサ咲き
 サワトラノオの花ひらく

 学校周辺は名前の通り水辺の動植物の宝庫で、種の保全のために歌い継ぐことも大きな目的でした。歌が今どうなっているのかと思っていたところ、先日、田中さんより「歌い続けてくれているようです」と連絡をいただきました。なんとうれしいことでしょう!
 メロディーが生まれるまで何度も学校に伺い、最後は生徒たちと体育館でレコーディングをしました。振り返ると、練習時間が少なく、緊張した合唱の授業だったんじゃないかと思います。
 当時の音声データを久しぶりにパソコンで見つけて聞きました。美しい清らかな歌声! この時の皆はもう26、27歳かな!? そう思うと涙があふれました。
 最後の詩もすてき!

 湧き水が豊かにあふれる浮島の
 遙かなる永遠のうた

 歌詞の通り「永遠の歌」となることを願い、また中学校の皆さんと歌う日が来ることを楽しみにしています。
(白井貴子=しらいたかこ/シンガー・ソングライター)

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