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「藻場要る(モバイル)」で守る の未来 「サバソニ」(伊東)がアプリ 海藻類の現状把握図る

 地球温暖化で減少が進む沿岸の藻場の現状を把握するため、海洋保全に取り組む伊東市の社団法人「サバーソニック&アジロックフェスティバル」がアプリを開発した。その名も「藻場要(もばい)る」。沿岸湿地の生態系で二酸化炭素(CO2)を取り込む「ブルーカーボン」として環境面では重要な海藻について、アプリの活用で早期の実態解明を図る。

「藻場要る」のアプリ画面。専用の地図で、全国各地どこに藻場があるかを確認できる
「藻場要る」のアプリ画面。専用の地図で、全国各地どこに藻場があるかを確認できる


 「誰でも未来に貢献できるかもしれない」。同法人の武智一雄代表(47)=同市=は藻場を守る意義を訴える。構想は昨年8月からで、同法人メンバーが海藻の現状についての勉強会を開催したところ、伊豆半島のどの海岸にどんな海藻が生えているかの把握が進んでいなかった。藻場関係者にヒアリングなどを重ね、可視化できれば面白いのではと考えた。
 「藻場要る」はアプリ内の専用地図で、全国各地どこに藻場があるかを確認できる。ユーザーは訪れた先で海の底が見える写真を撮影する。海藻類の有無にかかわらず投稿でき、増減を記録する。
 環境省などの調査によると、全国の藻場は1989年度から92年度にかけて実施された調査では20万1212ヘクタールだったが、2018年度から20年度にかけては16万4340ヘクタールと減少傾向にある。地球温暖化での海水温上昇により海藻類が枯死する「磯焼け」の発生が理由だ。同省担当者は「海藻類増加への有効な方法確立のため、集めた写真が役立ってくる」と話す。
 武智代表は「環境問題を考えるきっかけにもなってほしい」と願う。「数年後には海藻類増減の理由も分かってくると思う。海藻は約2千種類あると言われているので海の楽しみ方が広がれば面白い」と語る。
 (大仁支局・小西龍也)

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