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ブックカバー余話その1

 昨日22日の夕刊で、県内書店が扱うブックカバーを紹介しました。取材した5社のカバーはどれも半世紀以上愛されてきたデザイン。その重み、そして静岡の書店文化に触れた取材でした。(岡)

ブックカバー.jpg

 県内東部を拠点にするマルサン書店(沼津市)は、郷土の版画家、山口源の作品でした。MARUSANの捉え方、組み合わせはさすが独特の意匠です。そして左下にある静岡県の形がまた凝っています。社員休憩スペースに貼られた解説によると、カバーデザインの「静岡県」を270度回転すると、駿河湾が下にある静岡県になるとのこと。そして、その駿河湾に浮かぶ三角は何でしょう。山のような島のような、「富士山(or淡島)」と書かれています。

ふじさん.jpg

 なぜ、淡島か。山口源のアトリエが沼津市の淡島近くにあったから、富士山もしくは淡島だろう、という推測になったそうです。

 マルサン書店のカバーの掛け方も記者は初めて目にしたスタイルでした。本に付属したカバーに掛けるのです。

2マルサン.jpg ちなみに、この本は河出書房新社から出版された、池澤夏樹編集の「日本文学全集24・石牟礼道子」です。取材にご協力いただいた古沢専務に、実際にカバーを掛けるところを撮影したいとお願いしたところ、この本を選ばれました。「今の時代、ソフトカバーの単行本が増え、初版から文庫本で出版というものも珍しくない。その一方で、こういった全集物も根強い人気があるのです」とのこと。各巻によって色が異なります。カバーは薄紫色、本体は少し濃い紫。印象的です。

いしむれ.jpg 古沢専務に、「買って満足、『つんどく』なんです」と告白したところ、「それでいい」と心強いお返事をいただきました。買っておけば、いつかは読めるから。「本は出合い。出合ったときに買い求めないとなくなってしまう」。確かに気づいたら、すでに「在庫なし」ということがよくあります。

 ところで、皆さんは店頭でカバーをお願いされますか? 記者はお願いしています。県内の書店にその状況を伺ったところ、「8割掛けるかな」という書店から「6割」というところまで、さまざまでした。 また次回ブックカバー取材の余話をご紹介します。

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