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鳥居食品社長と「911」

 3月16日付「地の味人の味」で取り上げた浜松市中区の鳥居食品。鳥居大資社長は、2003年に家業を継ぐまで、米ゼネラル・エレクトリックでリスクマネジメントのプロとして働いていました。2001年、勤務地のニューヨークで同時多発テロにも遭遇。生々しい記憶をたどってもらいました。(橋)

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崩落した世界貿易センタービルから約50メートルのオフィスビルの6階で働いていた鳥居さん。
 「そんなに高いところではなかったので、ぐーっと上を見上げるぐらいの感覚でした。煙が見えましたが、ニューヨークではかつて別のテロもあったので、職場は『またテロか』といった雰囲気でした。どこかで爆弾が爆発した。そんな感覚で見ていました」

 ただならぬ事態だと認識したのは、上空から降ってきた『紙吹雪』を見たからでした。
「ものすごい量の書類が落ちてくる。それが、(WTCの上階にある)投資銀行の社内文書なんです。『これは大変なことになった』と思いました。ネットでニュースを見たら、飛行機が1機突入したと。でも僕らにはよく見えなかった。普段はあのあたり、観光ヘリコプターだらけなんです。それが失敗して突っ込んでしまってというレベルだと思っていた」

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 そうこうしている間に、2機目の飛行機が突っ込むのを目の当たりにします。
 「瞬間的に何かが入った。それで爆発した。そう見えました。『大変だ』となって、階段で逃げることにしました。自分一人ではなくて、チームでいたので、落ち着いて行動できたことを覚えています。パソコンをクリックでシャットダウンしましたから」

 WTC崩壊後は、オフィスの入っていたビルも立ち入り禁止に。
 「結局、2度と入れませんでした。ノートPCと書類は持って出たので良かった。後で聞いた話では、デスクトップPCはほとんど全部盗まれました。立ち入り禁止区域に窃盗団が入ったそうです」

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