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ブルーレヴズ、静岡県東部で始動 ラグビー栄光の地復活へ 中学世代の受け皿に

 ラグビーリーグワン1部の静岡ブルーレヴズ(磐田市、BR)が、ラグビーの普及と次世代育成の受け皿づくりに向け静岡県東部で始動した。かつては複数の高校が花園出場を競った地域だが、先細る指導環境の中で有望選手が流出している現状がある。栄光復権の“奇跡”を起こせるか―。関係者の期待が高まっている。

裾野ラグビースクールで競技を楽しむ子どもたち。2019年のW杯から始めた選手が多い=11月中旬、裾野市
裾野ラグビースクールで競技を楽しむ子どもたち。2019年のW杯から始めた選手が多い=11月中旬、裾野市
沼津市と協定を締結した静岡BRの山谷社長(右)=沼津市役所
沼津市と協定を締結した静岡BRの山谷社長(右)=沼津市役所
裾野ラグビースクールで競技を楽しむ子どもたち。2019年のW杯から始めた選手が多い=11月中旬、裾野市
沼津市と協定を締結した静岡BRの山谷社長(右)=沼津市役所

 県東部には現在沼津、三島、裾野市にラグビースクールがあり、小学生の指導に力を入れる。しかし、中学校のラグビー部は一つも存在しない。ラグビー部がある高校も今では沼津市の沼津工と桐陽だけだ。選手は地元で競技を続けるのは難しく、県内外の有力校に活躍の場を求める。
 2019年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会では、日本代表がエコパスタジアムで強豪アイルランドに逆転勝利し、国内外に衝撃を与えた。県ラグビーフットボール協会によると、W杯を契機に県内の子どものラグビー人口は増加。ラグビーを知らない子どもが競技を始める大きなきっかけになった。
 W杯を見てラグビーを始めた裾野ラグビースクールの望月千聖さん(12)=裾野・富岡一小6年=は「ラグビーは試合が終わったら、敵も味方も関係なくなる。すごいスポーツ」と語り、「中学でも続けて、将来は日本代表になりたい」と意気込んだ。競技は県外で継続する予定という。
 昨年10月、静岡BRは西伊豆町と協定を締結。今年11月には沼津市とも結んだ。今後、リーグワン公式戦への市民無料招待や選手による子ども向けの体験教室などを開く。ラグビーの認知度向上と、中学世代の受け皿づくりを目指す。山谷拓志社長は「まずは試合を見てほしい。愛鷹競技場で試合ができれば、よりラグビーを身近に感じてもらえるはず」と話す。
 チームは夏から、清水南高中等部ラグビー部(静岡市清水区)の全面委託を受け、ジュニアクラブとして外部から選手の受け入れを行っている。山谷社長は「中学校で競技ができなくなるのは全国的な課題でもある。近い将来、東部でも展開したい」と意気込む。
 1950年代、沼津商(清水町)と沼津工が県代表として花園に交互に出場していた時代があった。裾野ラグビースクールコーチの岩崎敦志さん(53)は「毎年、スクールの卒業生の進路に頭を抱えている。一生懸命ラグビーを続けたい子が活動できるようになれば」と期待する。
 (東部総局・天羽桜子)

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