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地域の廃プラ 道路舗装に活用 花王が磐田市と協定 実証実験へ

 舗装道路の耐久性を高めるため、廃棄されたペットボトルを混ぜたアスファルト改質剤の開発を進める花王(東京都)は、地域の企業から排出されたプラスチックを活用し、地元の道路に使う“地産地消”モデルの確立を進めている。既に道路や学校施設などで改質剤を取り入れている磐田市と新たに協定を締結し、市内の工場から出た廃材を活用した実証実験に全国に先駆けて乗り出す。

道路や学校施設などでアスファルト改質剤を取り入れている磐田市と新たに協定を締結した花王=市役所
道路や学校施設などでアスファルト改質剤を取り入れている磐田市と新たに協定を締結した花王=市役所

 プラスチックフィルムの包装資材を製造する「須田産業」の竜洋工場(同市高木)で、試し刷りで出る廃棄物を利用する。花王によると、主力商品の洗剤などで培った技術を応用し、化学反応を起こしてアスファルトの強度を高める物質を生み出す。舗装に対して約1%を混ぜて施工すると、耐久性が通常より約5倍に向上するという。
 同市は、JR磐田駅付近の幹線道路約500平方メートルを対象に、2024年2月に施工する予定。道路の老朽化を原因とする修繕工事を減らすとともに、コスト削減やSDGs(持続可能な開発目標)の貢献も期待する。
 市役所で開かれた協定締結式で、花王の仲井茂夫執行役員は「リサイクルモデルを確立し、国内や世界にも広げていきたい」と意気込んだ。
 (磐田支局・崎山美穂)

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