テーマ : 磐田市

「ディスクドッグ」キャッチ鮮やか 愛犬への理解深め一体感 磐田で大会

 飼い主と愛犬が共に体を動かす「ドッグスポーツ」。さまざまな競技や種目があり、愛犬との関係を深めるアクティビティーとして人気が高い。磐田市で11月に開かれた「ディスクドッグ」の大会を訪ね、飼い主が投げる専用のディスク(円盤)を犬がキャッチする息の合った妙技に触れた。 photo03 (左)飼い主がディスクを投げ、犬がキャッチする「ディスクドッグ」。愛犬との相互理解が深まるという(右)ジャンプして見事にディスクをキャッチ=磐田市の天竜川河川敷運動公園
 磐田市の天竜川河川敷にあるグラウンドの一角。「あと20秒-」。進行のアナウンスと軽快な音楽が響く中、グラウンドに設けられたコートの端から飼い主がディスクを投げる。足元から犬が素早く駆け出し、コートの中ほどで高くジャンプして口でキャッチした。拍手が湧きおこる。
 大会の基本ルールは、1分の持ち時間内に、飼い主がコートの端のスローイングエリアからディスクを投げ、ディスクが地面に落ちる前に犬がキャッチしたら得点。キャッチ地点の距離が遠くなるほど点が高い。残り時間や犬の調子を見ながら、戦略的に投げるのが腕の見せどころだ。
 大会は、同市に拠点を置く「D[ディー]―HEARTS[ハーツ]ドッグスポーツクラブ」が、毎年この時期に開催している。今年は静岡、愛知を中心に全国から約120組が参加し、経験や年代、性別などに応じた8種目で日頃のトレーニングの成果を競った。
 種目は所定のコート内で厳密なプレーが求められる上級者向けのほか、コートの制限なくディスクが地面に落ちても拾うことができれば得点になる初心者向け、複数の投げ手や犬で競う種目、フィギュアスケートのようにキャッチの技を採点する「フリースタイル」など多様。ディスクを投げる前のパフォーマンスが加点される種目もあり、参加者は愛犬とおそろいの衣装に身を包んだり、音楽に乗せてダンスしたりして審査員にアピールした。
  photo03 ディスクをくわえて戻った愛犬をほめる飼い主
 参加者は初心者からベテランまで幅広い。愛犬のクロエ(2歳、雌)と、初心者向けの「トライアル」に初参加した磐田市の門松亜珠羽さん(11)は「楽しかった。ディスクをもっと遠くまで投げられるようになりたい」と笑顔。家族ぐるみでドッグスポーツに親しんでいるといい、母親の真衣さん(45)は「家族の一体感が増したと感じる。犬も喜んでいるのが分かる」と話す。
 広島県から参加した山本純久さん(69)、貴美子さん(62)夫婦は、ディスクドッグ歴20年のベテラン。この日はパスカル(7歳、雄)とラプター(11歳、雌)と臨み、複数種目で上位に食い込んだ。「犬にもそれぞれ個性がある。そこをうまく見極めて、協調して結果を出すのが面白い」と魅力を語った。
 ルールにのっとって行う競技は、人と犬の複雑な共同作業。しつけの面でも意義があり、関係性は良好になるという。エントリーが多い犬種はボーダーコリーだが、犬種の制約はない。D―HEARTSドッグスポーツクラブ代表の横山安代さん(54)は「その子なりの力をいかに引き出すかが鍵で、体格や犬種は関係ない。人と犬が同じ目標に向かって取り組む中で、お互いへの理解が深まり、一心同体になる楽しさがある」と挑戦を勧める。
 (生活報道部・西條朋子)

いい茶0

磐田市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞