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洪水リスク低減へ 上野部川(磐田)に放水路新設計画 静岡県の整備変更原案

 静岡県袋井土木事務所は27日、一雲済川流域委員会を磐田市役所で開き、近年の台風での浸水被害を踏まえた河川整備計画の変更原案を示した。これまで抜本的な河川改修が行われていない支流の上野部川を新たに計画に組み込み、洪水リスクを低減するため、同河川上流部に天竜川への放水路を新設する方針を盛り込んだ。

放水路整備予定箇所
放水路整備予定箇所
一雲済川の河川整備計画変更原案が示された委員会=磐田市役所
一雲済川の河川整備計画変更原案が示された委員会=磐田市役所
放水路整備予定箇所
一雲済川の河川整備計画変更原案が示された委員会=磐田市役所

 上野部川沿いは家屋が立ち並んでいることなどから河道改修が困難なため、放水路が治水対策に適していると判断した。整備箇所は上野部川と天竜川の距離が最も近い天竜浜名湖鉄道上野部駅の北側付近を想定した。箱形のコンクリート構造物をつなげ、現時点で予定する区間約20メートルは全て暗渠(あんきょ)とする方針。天竜川側には逆流防止の施設を設ける。概算の事業費は約14億5千万円とした。
 計画期間は変更決定からおおむね20年間。一雲済川本流では、現行計画に盛り込んでいる河床掘削や築堤などの事業を進める。同事務所は今後、地元住民などから原案への意見を聞き取り、8月の計画変更決定・公表を目指す。
 一雲済川流域では2022年の台風15号に伴う豪雨で越水が発生し、浸水被害が床上・床下合わせて378戸に上った。23年の台風2号でも上野部川沿いで12戸が浸水した。
 (磐田支局・八木敬介)

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