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⚽円熟のGK権田、勝利導く好セーブ W杯カタール大会ドイツ戦、ドーハの歓喜

 【ドーハ=静岡新聞社特派員・市川淳一朗】15歳から日の丸を背負ってきた守護神が、自身2度目のワールドカップ(W杯)でついにピッチに立った。日本代表のGK権田修一(33)=清水エスパルス=は、ドイツとの1次リーグ初戦に先発。円熟の時を迎えたベテランが、日本のゴールマウスに立ちはだかった。

日本―ドイツ 前半、ゴールを守るGK権田=ドーハ(共同)
日本―ドイツ 前半、ゴールを守るGK権田=ドーハ(共同)

 清水の守護神 18年前の誓い今も
 権田が初めて代表のユニホームに袖を通したのは、2004年のU-17(17歳以下)アジア選手権。U-16代表の一員として、藤枝市の藤枝総合運動公園サッカー場で行われた北朝鮮戦に出場した。試合前の国歌斉唱で、自然と足が震えた。「憧れの場」に身を置いた緊張感は、今もはっきりと記憶する。
 大会は3試合を戦い、1次リーグ敗退が決まった。試合後、定位置を争っていたライバル選手が涙を流していた。自分が出番を得ながら、仲間たちに結果をもたらせなかった悔しさ。「こういう大会で勝てるキーパーになりたい」。強い決意が芽生えた。
 以降、日の丸を背負う責任感は成長の糧となった。世代の先頭を走り続け、12年ロンドン五輪の4強入りに貢献。14年にはW杯ブラジル大会のメンバー入りを果たした。翌年にオーバートレーニング症候群を発症して一時は代表から遠ざかったが、17年12月に復帰。「カタール大会に絶対に出たい」と意欲を燃やし、この舞台にたどり着いた。
 かつて、日本が初めて16強入りした02年W杯の映像で正GKだった楢崎正剛氏のプレーを見て、感じたことがある。「楢崎さんの貢献度は相当なものがあった。自分が出たら、そのくらいの活躍をしなければベスト8は難しくなる」。日本を勝利に導くGKへ。18年前の誓いをピッチで示す時が来た。

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